第6回:中華に欠かせない辛味調味料、豆板醤の仕込みは春のうちに!《マンションの1室で簡単にできる! 1時間で仕込む保存食作り》
2022/04/25/公開
記事:赤羽かなえ(READING LIFE編集部公認ライター)
1時間あったら、いつもは何をされますか?
この連載では、マンションの1室で簡単にできる『1時間で仕込む保存食作り』についてご紹介します。昔から伝わってきた美味しい保存食の知恵を、狭いマンションでも手軽に楽しめる工夫も含めてお伝えしますね。
今回は豆板醤を1時間で仕込む方法です!
豆板醤の材料ってわかりますか?
メイン食材はこちら!
そら豆です! そら豆は4月から6月くらいが旬。旬のそら豆を使い、味噌に近い仕込み方をします。
今回ご紹介する豆板醤、実は、本場中国の仕込み方とは異なります。そもそも、麹というのは日本にしかいない独特の菌だそうで、実は外国に持ち出すこともできません。中国大陸で麹に近い役割を果たすのが、クモノスカビやケカビというカビの一種で、そら豆に直接クモノスカビを繁殖させるために、草に包んで土に埋めるのだそうです。
当記事では、マンションで作りやすい仕込み方をお伝えしていきますね。
それでは、仕込み開始です!!
<1時間で大豆を仕込む>
豆板醤の出来上がり約300g
仕込みの季節:春(そら豆の出回る季節)
材料:そら豆200g、米麹100g、塩40g、韓国唐辛子(粗びきor粉末)20g、あれば手作り味噌大さじ2、赤唐辛子もしくは一味唐辛子適量(辛くしたい人のみ)
道具:フードプロセッサー(なければマッシャー)、ジッパー付き食品保存バッグ2枚、鍋、すりこぎor麺棒
※そら豆はサヤ付きで15本程度用意する。
0:00 ① そら豆のサヤを外し、豆だけで200gにする
皮をむきたい場合には、ゆでて皮をむいた豆の重量が200gになるようにします。
0:05 ② 鍋に湯を沸かし、15~20分ほどそら豆をゆでる
そら豆が指で簡単につぶれるくらいにごくやわらかくなるまでゆでる。そら豆の皮が気になる人は外す。ゆで汁をとっておく。
0:30 ③そら豆の粗熱が取れたら、フードプロセッサーにかける
フ―プロがない場合には、ジップロックでつぶしながら混ぜる。どちらも、水分が足らずまとまらない場合には大さじ1ずつゆで汁を足してよく混ぜる。
0:30 ④ 食品保存バッグに③を入れ、空気を抜いてジッパーを閉める
入ってしまった空気を外に押し出します。手でもできますが、すりこぎや麺棒を使うとやりやすいです。空気が抜けたら、ジッパーのあたりについている汚れをぬぐって口を閉じ、半分に折ります。もう一枚の保存バッグに入れ、袋を二重にすることで、液漏れを防ぎます。
0:45 ⑤ 仕込み完了
保存バッグにいれた豆板醤は、黒っぽい袋にいれておくと遮光できます。あまり温度差がない冷暗所に保管します。冷蔵庫は発酵が進まないので、常温の環境に置くようにしてください。新聞や雑誌などの束の下に置いておくと重石のかわりになるので満遍なく発酵しますし、置き場所に困ることもありません。味噌など他に仕込んだものと重ねての保管もできます。
これで、豆板醤の仕込み完了です!
このまま半年ほど発酵させたら、豆板醤の完成です。長くおけばおくほど、色は黒っぽくなりますが、深い味わいが楽しめます。使う分だけ瓶に詰めかえて、残りは熟成させておくのもいいかもしれませんね。
(左から2年物、1年物の豆板醤)
韓国唐辛子だけで仕込むと、鮮やかな色の割に辛味はさほど強くありません。もしも、お子さんがいらっしゃって辛いものは使えない場合には、そら豆味噌作ってみてください。そら豆味噌は、上記の材料から唐辛子を外して仕込みます。普通の味噌とは違ったコクがでます。
(2年物のそら豆味噌)
手作りの味噌を混ぜ込む理由
手作り味噌はなければ混ぜる必要はありませんが、混ぜておくと発酵を促進してくれます。発酵が早く進むと、カビなどが生えづらいです。手作りの豆板醤があれば、それを混ぜても大丈夫です。今回は、第1回で仕込んだお味噌を使っています。
第1回の記事はコチラ(https://tenro-in.com/1hour_preserved/206211/)
(上の写真は仕込んだ時のもの。外側の袋に出ているのはたまり。混ぜ込んでもいいですが、分けると醤油のように使えます)
初回連載から早くも半年が経ち、味噌が出来上がりました! このくらいでも食べることができますし、もう少し熟成させると味に深みが増しますので、味見をしながら好みの味にしてもOK。納得のいく味になったら冷蔵庫に入れて下さい。
これからも、簡単に楽しく美味しい保存食を紹介していきますので、これは! というものがあったら、ぜひ作ってみてください。
まずは、そら豆が出回るこの季節を逃さないでくださいね!
Let‘s try 豆板醤!
豆板醤の使い道
麻婆豆腐、炒め物、和え物、柚子こしょうのように直接つけて辛味をつけても。
(文:赤羽かなえ、写真:たけださなえ)
□ライターズプロフィール
赤羽かなえ(READING LIFE編集部公認ライター)
広島県在住。横浜から広島に移住した当初はほぼ外食暮らしをしていたが、産直などで手に入る自然の恵みに魅せられて保存食作りを始める。今では味噌や沢庵などの発酵食品から梅干し、栗の渋皮煮などを手作りしながら、発酵仕掛人として発酵の魅力を伝えている。また、子供達が自分達の力で一汁二菜を作るキッズキッチンのインストラクターをしていた経験から、単に料理を作るということにとどまらない食文化を伝える食育の必要性を感じている。
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