上手くいかない時には、「ちゃんとできている事」を振り返ってみよう
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:深谷百合子(ライティング・ゼミ日曜コース)
1か月程前、いつもの部内の社員教育を終えた後、私は部下に1つの宿題を出した。
「今度さぁ、自分が上手くできたなぁって思うことを1つ思い出して、その時のことを書いてみてよ。そして、どうして上手くいったと思うかについても考えて書いてみて」
頷きながらメモをとる社員もいれば、「え~、そんなの思い当たらないなぁ」と言う社員もいる。
「仕事に限らなくていいから。学生時代の時のことでもいいし、普段の生活の中のことでもいいし。1つ位はあるでしょう?」
そう言って、次の週末までに提出するように指示して教育会を終えた。
私たちの部門は、工場で使う電気や水等を供給し、工場から出てきた排水や排気を処理する「動力部門」だ。いわゆる工場の裏方的な部門である。電気や水をちゃんと送っていて当たり前。万一トラブルを起こして生産を止めてしまったら、ものすごく怒られる。裏方だけど工場の心臓部を担っている、とてもプレッシャーが大きい仕事なのだ。
けれども、社員は皆若い。経験年数3年未満の社員が7割を占めている。ちょっとしたトラブルでも自信を持って対応できなかったり、時には手順を間違ったりもする。
そんな背景があって、私は今まで自分が経験してきた色々なトラブルや失敗事例を紹介して、どうすれば良かったのか? 同じ失敗をしないためには、何をしておけば良いのか? といったことを、彼らに考えさせてきた。
しかし、段々ネタも尽きてきた。それに、同じ失敗をしないためにやるべきことは、大体共通している。それならば、今回は趣向を変えて、自分たちがうまくできた事を思い出して、何がうまくいった秘訣だったのかを自分なりに考えてもらうことにしたのだ。
1週間後、部下たちから続々と体験談が提出されてきた。最初は「そんなの見当たらない」と言っていた社員も、なかなかいい体験談を書いている。
たった数行の文章ではあるけれど、それぞれのストーリーが有って、彼らがそこで感じた喜びや達成感が伝わってくる。私は彼らの体験談を読みながら、「さて、これをどうフィードバックしていこうか?」と考えていた。
私自身、ここ数年間、心理学やコーチングの勉強を続けてきて、そこで得たものを誰かに伝えていきたいと思っていたところだった。
そこで、「成功者の法則」と題して、上手くいっている人に共通している考え方や行動がどのようなものなのか、これまで自分が学んできたことを3つの内容にまとめてみた。
まず、成功した人達は、「できない」とか「難しい」等といった「自分の能力や行動を制限するような思い込み」を持っていない。「できる」と自分に言い聞かせて、どうしたらできるかを考えている。
次に、できるようになるには、既にできている人の真似をするのが手っ取り早い。上手くいった人がいれば、なぜ上手くいったのかを分析して、真似てみる。その人の話し方、仕草も真似てみる。その人が考えていそうな事も想像してみる。そうして、上手くいっている人の考え方を自分に取り込むのだ。
最後に、「失敗を恐れず、決してあきらめない気持ち」だ。上手くいかなくても、めげずに、そこから学ぶ気持ちを持ち続けることだ。
こうして「成功者の法則」をまとめた後、もう一度彼らの成功談を振り返ってみると、仕事に関係するものであれ、そうでないものであれ、ほとんどがこの法則に従っていることに気が付いた。上手くいった時というのは、無意識の内にこの法則に従って考え、行動しているものなのだ。
それなら、今上手くいかないことがあったとしても、意識的にこの法則に従って、考え方を変え、行動すれば上手くいくようになるのではないか?
そして、私はこう決めたのだ。
「よし、次の教育会では、この成功者の法則を彼らに伝えよう。彼らが今自信を持てていないこと、できないと思っていることも、きっとできるようになるはずだから」
日頃、私たちは何か問題が起きた後、それが起きた原因を追究し、同じ事を繰り返さないように対策を考える。いわゆる「反省」というやつだ。反省して改善することは必要なことだ。けれども、反省ばかりしていると、「やっぱり私はダメなんだ」と自己否定に陥ってしまいかねない。
そして、私の職場のように、「ちゃんとやっていて当たり前」の仕事をしていると、「できていない事」を反省することは多々あるけれども、「できている事」に意識を向けることはあまり無い。できているのは当たり前のことだからだ。でも、本当は、上手くできている事が積み重なっているから「ちゃんとできている」のだ。
だから、「最近上手くいってないな」と思った時には、「普段ちゃんとできている事」の振り返りをしてみよう。そこには必ず「成功者の法則」があるはずだ。そして、「できていない」と思うことがあれば、この法則を使ってみよう。そうすれば、いつか必ず上手くできるようになるだろう。
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