独身女性は犬を飼ったら結婚できない説があるが、むしろ犬と一緒に婚活したほうがいい
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記事:にしもとまり(ライティング・ゼミ平日コース)
結婚に少し焦りだす年頃の女性の間で、長らく語り継がれていることがある。
「犬を飼ったら終わり」
犬を飼ったら結婚できなくなる、というものだ。
愛情を注ぐ相手ができてしまうから恋愛に興味が薄れるとか、犬がかわいくなって寄り道せずに毎日まっすぐ帰宅してしまって、そもそも出会いがなくなるから、ということはもちろんある。
犬といることで、日々寂しさを感じることもないだろう。
そういう意味では、寂しさを埋めるために結婚したいと思っている女性には、この説は当てはまるのかもしれない。
ただ、そうではない女性、または結婚するという意思を明確にもつ女性には、この説は当てはまらないと私は思っている。
なぜか?
私自身が犬を飼っていて、犬がいたおかげで、結婚できたからだ。
私は結婚願望がないまま三十代後半になっていた。
そしてある日、急にやっぱり結婚はしてみようと思い立った。
そこから何人かの男性とお付き合いをしたが、その人たちと結婚となると何かピンとこない。
そんなとき、友人の紹介で今の主人と出会った。
お付き合いを始めてからしばらくたった頃、私は彼を犬に会わせた。
犬が警戒していたのはほんの一瞬で、すぐに彼の近くに行き撫でてと催促していた。
しばらくすると彼の膝の上に乗って、グーグー寝始めた。
この仔がこんなにすぐ懐くなんて、彼はよほど犬に好かれやすいタイプなのだなと、そのときはそう思うくらいだった。
そして彼が私の家に遊びに来るようになって何度目かの頃、あるできごとが起こった。
普段、彼が遊びに来ているときは、犬にまつわるあれこれのお世話は、もちろん私がしていた。
しかし、そのとき私はキッチンで食事の支度をしていた。
キッチンとリビングを隔てる壁に開いた窓のような隙間から、リビングの彼と彼の膝に乗って寝ている犬が見えて、微笑ましいと思っていた。
そのとき、彼の膝で寝ていた犬がおもむろに膝から降りて、彼の目の前でウンチをした。
「あっ!」と思ったのも束の間、彼は何も言わず、ごく当たり前のことのようにティッシュを手に取り、そのウンチを拾った。
驚いたが、私にとってはとてもうれしいできごとだった。
その後の彼は、いつでも気が付けば犬のウンチを拾ってくれるようになったし、おトイレのシートも汚れていたら、変えてくれるようになった。
もちろん私は何も言っていない。
思い返せば、これまでお付き合いをしてきた人で、犬のお世話をすすんでしてくれた人はいなかった。
みんなそれぞれ、それなりにかわいがってはくれた。
でも、犬のウンチまで拾ってくれる人は初めてだった。
それがわかっているのかいないのか、犬は私が驚いてしまうくらい、どんどん彼に懐いていった。
そんな日々の中で、私は「もし結婚するならこの人かもしれない」と思うようになっていた。
そして、犬がこんなにも彼のことを気に入っているのなら、この人と結婚してもいいのかもしれないとも思い始めていた。
独身ひとり暮らしの女性にとって、自分の飼っている犬はもはや連れ子のようなものだ。
一見、連れ子である犬がいることで、結婚へのハードルが上がってしまうようにも思えるが、そんなことはない。
自分の大切な子どものような存在の愛犬と、どう接するのか?
自分の大切な存在を、彼も大切に思ってくれるのか?
自分の大切な子どもから見て、彼はどうなのか?
そんなことが簡単に見えてくる。
彼の価値観を知ることもできる。
そしてなんと、子育てに参加する気持ちがあるかどうかも垣間見える。
たかが犬との接し方でそんな! と思うかもしれないが、犬がいなければ二人で過ごすことや会話の中だけでこれらのことを感じ取ることは、なかなか難しいことではないだろうか。
自分の大切な家族である犬とのかかわり方を見ることで、彼との結婚生活を具体的にイメージしやすくなるのだ。
結局晩婚だったため、私たち夫婦の間に子どもはいない。
ただ、結婚してから1頭、もう1頭と保護犬を引き取って、今では6頭の犬と暮らしている。
それでも、そんな彼だから、家を何日も空けるときも安心して犬たちを任せられる。
あのとき犬のウンチをためらわず拾ってくれた彼は、今や6頭のお世話を忙しく焼いている子煩悩パパになった。
そして、犬ではなくても、私の大切にしていることは一緒に大切にしてくれる人だ。
犬と暮らしたいけど、結婚できなくなるから飼わない! と我慢している独身女性に伝えたい。
犬と暮らしても結婚できる。
むしろ犬がいることで、相手のことがよく見えるようになる。
そして、残念ながら、犬を飼うことを我慢したから結婚できるということでもない。
それなら、大好きな犬と暮らしながら、犬と一緒に婚活をするほうが何倍も、何十倍も楽しくて素敵な日々を送れる。
決して「犬を飼ったら終わり」ではない。
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