「積読」をやめる必要は無い。その理由をご説明しよう。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:佐野 英二(ライティング・ゼミ日曜コース)
読書好きの方々の中には積読をしている方も多いと思う。僕は何を隠そうクレイジーな積読家である。
読書好きの方々の中には積読をやめたいと思っている方も多いかもしれない。本を買うお金がかかるし、部屋も気が緩むと本置き場の倉庫になってしまう。常識的な考え方は、積読=悪しき習慣、ということになるのだろう。
だが、僕は大きな声で叫びたい。なぜ積読することがいけないのだろうか。本を読むことが好きだからどんどん本を買ってしまい、たまってしまう。つまり、積読は知的好奇心にあふれていないとできない行為だ。
本を読むことが苦手な人、まったく興味がない人は自分で本を買う機会がほとんどないかもしれない。だから積読することはないだろう。別に本を読まない人を否定するつもりは全くない。ただ、当たっているとは思う。
積読家たちは向上心があるから、次から次に気になった本を買ってしまうのだろう。僕もクレイジーな積読家だから気持ちがわかる。お金がもったいないと心がざわめく時がある。読書は自己投資である。本を読むことによって、多くの知識や思考力を得ることができる。また小説やコラムを読むと疑似体験を行うことができ、心や感情に広がりを持つことができる。
多くの本を読みつつも積読をやめる、もしくは軽減することはできないか? 僕なりに真剣に考えた結果、2つのアイデアが浮かんだ。これからその2つの方法をご紹介しよう。
第1の方法は、田舎へ移住し安くて広い中古の空家を購入または借りること。現在の新型コロナの流行により、在宅勤務やリモートワークは社会に浸透してきている。リモートワークであれば、パソコンにインターネットをつなげれば仕事ができる。つまり働く場所でインターネットがつながればどこでもよいことになる。もし田舎の大きな家で生活することができれば、メンタリストのDaigoさんや作家の本田建さんに負けないぐらい超巨大な本棚をおくことができる。この本棚に本を収納すれば自分専用の図書館のような魅力的空間を作ることができるだろう。
第2の方法は、エコノミー社会型の読書方法を実施することだ。速読力を本気になって習得する。半端な気持ちではだめだ。速読コンテストがあったら一位になるぐらいマジになって
超高速で本を読む。そして積読になる前にメルカリやブックオフへ本を売り、他の人にその本を読んでもらう。エコノミー社会型の読書は自らの積読を回避できるとともに本を売って他の人がその本を安い金額で購入して読むことができる。これは社会貢献と言えるだろう。1冊の本が渡り渡っていろいろな人に行きわたる。ロマンチックさも感じられる。
一方で、近年、世の中で「断捨利」が流行っている。不要なものを処分して部屋をすっきりさせる。そのことによって心もすっきりしストレスが少ない生活をおくることができるという考えだ。
「断捨利」や「ミニマリスト」という考えに興味を感じたので、僕はこの手に関する本を何冊か読んでみた。そしてどの本にも当たり前のように書かれている共通点に気づいたのである。それは「読んでいない本は不要なので処分しましょう」という考えだ。
断捨利自体は素晴らしい。ただ、積読家の僕には気になる点も感じた。断捨利は積読をなんとなく非難しているように思える点である。つまり所有している本を少なくしたほうが人生にはプラスに働くという偏見が透けてみえてしまったのだ。また、「断捨利」がエスカレートすると、「極力モノを持たないようにする」という、ある意味、強迫的な気持ちに支配されてしまうと言われているそうだ。
断捨利をするからといって、本まで無理にでも処分する必要はないと思う。本当に読む可能性がないものはすぐに処分してもいい。僕の経験ではあるが、ただ、本を読まないまま積読となった結果、ある時に数年前に買って読んでいなかった本が今になって非常に興味深く読めたことがある。本を買ったときは難しくてわからないから冒頭しか読まず積読になってしまったが、自分が年を重ねることによって、その本を楽しめるレベルが上がったのかもしれない。自分の本の嗜好が変わって魅力を感じるようになったのかもしれない。
先ほどご紹介した、多くの本を読みつつも積読をやめる、もしくは軽減することはできる2つの方法。多少、大胆すぎるアイデアかもしれない。ただ、ミニマリストの人も読書好きの人の気持ちを理解いただけるのではないか。本はモノではあるが読書好きの人にとっては
「大切な」モノだから。
最近はユーチューブなど動画が流行っているが、本の文章には大きな魅力がある。積読をやめられなくても、それはそれでいいかもしれない。これからもワクワク楽しみながら読書をしていきたい。買った本の中には積読になってしまう本があるかもしれない。それも読書好きな人たちの楽しみの一つと思っていいのではないか。
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