スパイスカレー・ロマンス
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:みつしまひかる(ライティング・ゼミ7月開講通信限定コース)
オリンピックも夏フェスもない2020年の夏が過ぎようとしている。
盛り上がったのは例年以上の猛暑と、東京や大阪のコロナ感染者数のグラフだけ。
僕は旅行が大好きだけれど大阪在住のため、旅行先に嫌がられないよう自粛を継続してきた。
旅行で使わなかったお金は、大好きなレストランに割り当てて、この苦境をともに踏ん張っている。
せっかくの夏、プールや海へ出かけ、できればナンパされたかったが、泣く泣くあきらめたという女性もいるだろう。
濃厚接触を避け、自分の身を守るだけじゃなく、他人の身も守った貴女はとても素敵だと思う。
今年は思い切って切り替えよう。刺激が欲しいなら彼氏よりカレーだ。
スパイスカレーとのロマンスはすぐそこにある。
ロマンス?
ロマンスは冬、広瀬香美でしょ、って? 確かに王道だ。
でも夏にだってロマンスはある。灼熱の恋というじゃないか。言うなればTUBEだ。
さらに言えば、スパイスカレーは年中無休。
季節非限定のロマンスに溺れよう!
スパイスカレーは近年のブームだ。
僕が住む大阪でも多くのスパイスカレー店ができてきた。
ただ聞いたことはあっても、試したことない方もいると思う。
市販の固形ルーや出来合いのカレー粉を使うのが従来のカレーで、ミックスされていないスパイスから作るのがスパイスカレーと考えてもらえばいいだろう。
したがってスパイスカレーは香りも辛さも鮮烈で刺激が強い。
百店あれば百様のスパイスカレーが存在する。
ここでは大阪駅のLUCUAにある「旧ヤム鐡道」を例にとって紹介したい。
入店するとスパイスの鮮烈な香りが店内に充満している。
子供の頃のあなたも、家に帰ってカレーの匂いがしていたらテンションが上がったはず。
ましてやスパイスカレーだ。大手カレーチェーン店より複雑な香りが漂っている。
香りは人の心をくすぐって、ワクワクさせる。
香水で自分や意中の人の心を高揚させた、あるいはさせられたことはないだろうか。
香りはトキメキを連れてくるのだ。
さて注文だが、「旧ヤム鐡道」の場合、4種類のカレーが用意されている。
おすすめはオールあいがけ、4種類すべてを2種類のライスで味わうことができる。
4種類のカレーは月替わりだが、味付けの異なるキーマ(牛・豚・鳥)カレーと、野菜カレーが基本のようだ。
お品書きを見て心が躍る。
あなたが男性に恋するなら、タイプの異なる4人の男とのロマンスを想像してみてほしい。
例えば阿部寛、菅田将暉、神木隆之介、星野源としよう。
人とのロマンスであれば複数相手は憚られるところだが、そこはスパイスカレーである。
欲張っていい。頬張っていい。
さてオールあいがけがいよいよあなたの前に運ばれてくる。
待ってました!
鮮烈な香りがあなたを包む。
もうすでにおいしい……
ここで一呼吸おこう。
プレートに並べられた色とりどりの食材がそこにある。
スパイスカレーは見るからに個性的なことが多い。
アートのような色合いで魅了してくるのだ。
プリンのような形の白と黄色のライスの上には白い玉ねぎのピクルスが乗り、それを4種のカレーが囲んでいる。
各カレーには様々な具材がたっぷり入っている。
ベースは茶色であるが明るさが違う。キーマや豆がごろごろ主張している。
オールあいがけの場合、30種くらい具材は入ってそうだ。
なんという楽園。
4人のイケメンがおしゃれに着飾ってあなたをもてなすのだから。
極上が約束されているのを感じる。
よだれを我慢していよいよ頬張る。
食べる前にも感じていた香りが、口の中で粒立ってあなたに迫ってくる。
鼻腔を直撃してくる香りの鮮烈さ。
スパイスを直で味わうからこその衝撃。
まさに壁ドンだ。
また噛むほどに違った抵抗を感じる。
かつてブームになった食べるラー油が近いだろう。
ただ大きく違うのは具が多種多様であり、香りも食感も複雑なバリエーションだ。咀嚼音まで楽しい。
4種それぞれを一通り味わっていくあなた。
口の中で広がる、塩味、肉のうま味、ピクルスの甘味と酸味、多様なスパイスの苦味、辛味!
鼻腔を駆け巡る香りのオーケストラ!
あなたは4口目にはカラダが火照ってくるのを感じる。
額には大粒の汗。ほほを伝ったかと思った時点ではすでに、上半身が同時に汗ばんでいる。
食べ進めるとふとあなたはこう思う。これらを混ぜて食べたらどうなってしまうのだろう、と。
完全に火が付いたあなたは自分を抑えきれない。
鼓動は早く、濡れたカラダは熱い。
そんなあなたをやさしくリードする、小さいポットに入った別のカレー。
実はもう一人いた彼はオーケストラの指揮者だった。
佐藤健ということにしておこう。
最後にかけ、全て混ぜ合わせて食べるのだ。
渾然一体となったスパイスカレー。
味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚の五感すべて。
全身全霊で愛さなくては、もったいない。
GO TOスパイスカレー屋さん。
きっとあなたをホットでスパイシーなロマンスが365日待っている。
***
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