メディアグランプリ

起業はカッコよくなんかない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
 
記事:鈴木(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
起業と聞いて、どういうイメージを持つだろうか。
金持ち? 大変そう? 成功への近道?
 
身近にどういう人がいるかによってそのイメージは異なるだろう。
私はあしかけ約10年働いた機器メーカーを退職して、学習塾を起業して10年になる。
 
私の考えでいえば、起業は、泥臭いし、大変だし、自分が試されるし、自分と向き合わないとできないものと言える。
 
そもそも、安定したサラリーマンをやっているにも関わらず、起業しようという人は、自分に自信がある人が多い。
 
学生の時から起業していて、というようなタイプはまた異なる。そういう人は本当に優秀なのだと思う。学生の時に起業していてそのまま続けているような人は自分の身の回りにはあまりいないのでコメントできないが。結局は就職してしまっている例なら知っている。
 
安定したサラリーマンの待遇を捨てて、起業するというのは、例えれば大型船から、浮き輪一つで海に飛び込む感覚と良く似ている。
サラリーマン時代にうまくいっていたとしたのなら、起業することで、その自分の自信を打ち砕かれるだろう。
そして、その打ち砕かれたところから始まると言える。打ち砕かれて辞めてしまう人もいる。
 
業種にもよるが、飲食などであれば、1年経たずしてつぶれるお店が多い。サービス業などだともう少し寿命は長い。塾などのサービス業は最初に人が集まりにくい反面、つぶれにくい。飲食などは、最初に人が集まりやすい反面、つぶれやすい。
こういったトレードオフがある。
 
逆説的なようだが、私の周りで、起業して失敗した人というのはそれほど多く見ていない。私と同じ時期に始めた人もそのまま残っているし、その後始めた友人も、大変だとはいいながらも続けている。
一人だけ、私より一回りくらい先輩で私が起業するよりさらに10年前から始めていた先輩は、10年ほどやって会社を一度畳んだ。負債もあったので、政策金融公庫からの督促もひどく、生きた心地がしなかったという。もう二度と思い出したくないと話していた。弁護士に協力してもらい、社員の再就職などをすまし、会社を畳むのに約1年かかったという。
 
その先輩は、その後しばらくサラリーマンをやっていたけど、数年経って、昨年、また会社を立ち上げた。
 
私は今の事業を売却しようと思って進めているところはあるが、その先輩からは、
 
「一度起業するような人はね、結局また起業するんだよ」
 
と言われた。
 
客観的にみて、サラリーマンのときに比べてどちらが大変だったかといえば、間違いなく起業してからだ。
 
収入を増やすには、ある程度借金なりをし続けないとならない。
店舗を増やしていくことによって、安定するようになる。
ただ、そのためには、その都度、借金も必要になる。
そのくせ、日本の社会において借金は良くないなんていう風潮もある。
 
そんな状況でも、もし私が今のこの経験を持ったまま、10年前に戻り、メーカーをやめて起業するかどうか問われても、間違いなく起業する。
 
学習塾は起業しないが、他の形で行う。
リスクしかないように見える起業にいったいどこに魅力があるのか。
 
それは、この先、何が起きるかわからないという、冒険心を満たしてくれるのだ。
 
サラリーマンの最高の武器は安定だ。
いくら、最近は銀行でも大企業でも危ないなどと言われても、私のように起業して10年の会社に比べればよほど安泰だ。
しかし、サラリーマンの何がつまらないかといえば、1年後や3年後がある程度見通しが立つことだ。
 
この見通しが立つからこそ、サラリーマンはローンの審査が通りやすい。安定した給料が入るから安定して返済できるという目途が立つのだろう。
 
今日、新宿のサザンテラスの20階のホテルラウンジでのことだ。会話から女子大生と思われる女性が、一緒にいる男性にこんな話をしているのが聞こえてきた。
 
「今は、政府だって私たちのことを守らないと言っている。だから、自分で自分たちを守る力をつけないとならない」
 
そう。その言葉の後半は正しい。
 
実は組織に属しているのならば、その組織について、政府は結構守ってくれる。
特に公務員や大企業ともなれば、安定した仕事を供給している。
表には出ていないが、多くの企業が政府に守られていると言ってもいい。
 
では、自分を守る力ってなんだ。
それは世の中の時流を読むこと。そして、それに合わせて自分ができること、できないことを知ること。
それが自分を守る力になる。
 
副業ならまだいい。
本業があるから。
でも、組織を出て起業したのなら、本当に誰も守ってくれない。
創業時に病気になったらそれでゲームオーバーになりかねないのだ。
 
起業というスゴロクは、一度サイを振ったら、死ぬまで続く。定年なんてない。
 
それが面白そうだというのならば、やってみるといい。
案外、楽しめるかもしれない。
溺れたりすることも含めて。
 
明日が見えないことを楽しめるのならば、オススメする。
5年後、10年後が見えることで安心できるのなら、起業しないほうがいい。
 
自分を守る力とは、自分がどういう形で働くことがベストなのかを見極める力なのだ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2021-03-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事