“不要不急”は本当に“要らないもの”でしたか?
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:大附 祐貴(ライティング・ゼミ日曜コース)
「この思いはどこに向ければいいんだろう……」
残念だった。仕方ないことなのだが……
「3月までの8回の講義で、あなたの文章が最後まで読まれる確率を上げますからね!」
昨年12月から、天狼院書店という書店が開催する「ライティング・ゼミ」という講座を受講している。
ゼミの講師である三浦さんは、「そうだったのかぁ」と思わせるような、読まれる文章の秘訣を詳細に教えてくれる。
そもそも、私がこの講座を受講しようと決意できたのは、店舗での受講ができるからだった。
このゼミは、天狼院書店の店舗から遠くに居住されている方でも受講できるようにと、通信受講もできるシステムにはなっていた。だが、店舗で受けたほうがモチベーションを保てそうだなと思ったのと、同志のような受講生の皆さんと、「人生を変えるぐらいに文章が書けるようになろうね!」と、叱咤激励しながら取り組めたら、頑張れそうだなと思ったからだ。
たしかに、年末の第1回目の講義のころは、店舗で受講できていた。
その日、たまたま隣に座った受講生の方とお話しする機会を得た。
「よろしくお願いします、あっ私30歳なんです」
「30歳ですか、まだまだこれから伸びしろがありますよね、これからが楽しみですね」
講義の本筋とは離れた単なる雑談だった。だけど、それは確実にライティング・ゼミを受講しに来た私をやる気にさせるひとときだったにちがいない。
「講座も面白いし、受講生の方とリアルにやりとりもできるし、モチベーションもキープしながら最後まで受講するぞ!」
やる気に満ちあふれながら帰りの電車に乗り込んだのは、今でも覚えている。
しかし、年が明けたころ新型コロナウイルスの“第三波”が訪れた。
「『ライティング・ゼミ』は、申し訳ありませんが、緊急事態宣言の発出により、通信受講に切り替えさせて頂きます」
第3回の講義の直前、天狼院書店のスタッフの方から、このような連絡が届いた。
「店舗で受講したかったなぁ……」
スマホの画面を見てぐっとこらえるしかなかった。
ただ、この感染状況を考えれば、それは仕方のないことだった。
「そもそも、コロナ禍ってなんなんだ……」
このコロナ禍では、不要不急と称し、様々なイベントが中止を余儀なくされている。
音楽イベント、各種のパーティ、旅行……
2020年の初頭までは、顔と顔を合わせて、親睦を深めていたはずだ。
私も、週末に計画されたイベントや旅行を楽しみに、平日の仕事を乗り切ってきた。
これらをすべて奪っていったものは、私が肉眼で見ることは極めて難しい、小さな小さなウイルスだった。
それは、私がひそかに楽しみにしていた「ライティング・ゼミ」の店舗で受講する権利も、あっさりと奪っていった。
全8講のうち、3回目から6回目は残念ながら通信受講になってしまった。
通信受講になっても、講義は面白いし、ためになる内容だ。
教えられたことをもとに、毎週の課題を提出していれば、文章力は伸びるかもしれないし、
毎回用意されるワークショップだって、自宅でひとりでもできる。
でも、何かが足りない気がした。
それは、私は「不要不急」で生きてきたことを実感させるものだった。
たとえば、旅行……
海岸沿いを歩くこととか、緑に囲まれた山を登るとか、
行ったことがないところ、見たことがない景色を楽しむのが好きだった。
たとえば、お食事……
大学の部活の先輩後輩、趣味のサークルで知り合った方々、
そんな人たちと食事の場を通じて親睦を深めるということも、楽しかった。
旅行も、お食事も、今のコロナ禍では「不要不急」で片づけられてしまう。
もしかしたら、ライティング・ゼミの店舗受講権も「不要不急」枠に入ってしまったのかもしれない。
でも、旅行もお食事も、私にとっては必要不可欠だったような気がする。
大げさなようだけど、それがなかったらきっと生きていけなかった。
仕事をして、お給料を得ることは大切だけど、やっぱりそれとは違う楽しみを目標に日々頑張れていた気がする。
だから、“不要不急”は“必要不可欠”なんじゃないかと……
この先、コロナが落ち着けば、元の生活に少しずつ戻っていくかもしれない。
仲間たちと楽しい会食ができる日が来るかもしれないし、
周囲の目を気にせず旅行に行ける日が来るかもしれない。
まだ、首都圏など一部地域では、残念ながら感染者数が減ったとは言い切れない状態にある。
だから、もしかしたらライティング・ゼミはこのまま最終回まで通信受講しなければならないかもしれない。
でも、私は店舗で受講できることを信じたい。
天狼院のスタッフさん、受講生の同志の方が集う店舗の熱気は、
決して“不要不急”なんかじゃない。
コロナ禍が落ち着くことを願って……
***
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