妻の気持ちに共感できないおじさんが気づいた無駄の力
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:田岡一宏(ライティング・ゼミ日曜コース)
「ホント、私の気持ちが分からないのね、いい加減にして!」
妻が怒って、部屋から出て行った。
また、やってしまった。
いつものパターンだ。何十回繰り返したことか!
いい加減、学習しない自分が情けない。
妻の世間話に対して、意見やアドバイスをしてしまう。
妻が求めているのは、「そうだね」の相槌なのだ。
娘も小学校高学年になってきて、指摘が鋭くなってきた。
娘が学校であった出来事を話しかけてきた。
考え事をしながら「ふんふん」と聞いていた。
「ふんふんって、ちゃんと聞いていないでしょ!」図星だった。
「これから、ふんふんおじさんって呼ぶからね!」
娘に対してもやってしまった。
娘はこれから、ただでさえ難しい年ごろになってくる。
ちゃんと寄り添っていかないと、口もきいてくれなくなるのでは、と戦々恐々としている。
「とてもロジカル、本質をすぐにとらえる、かなり合理的」
私の性格診断の結果だ。かなり当たっていると思う。
無駄を省いて、効率的に物事を進めたい性格だ。
家庭では、仕事と違って効率を重視してはいけないことは、頭では理解をしている。
しかし、効率的な生き方をしてきたので、すごく意識していないと家庭でも態度に出てしまうのだ。
性格診断には、こんなことも書いてあった。
「対人コミュニケーションの観点では、抽象的な事柄の本質を捉え、それを筋道立てて思考し、物事を論理的に捉える能力に優れています。
一方で、他者の感情を感知し汲み取る力に欠ける面があり、他者の感情的な心理の変化に鈍感なところがあります。
知性だけでなく、感情も尊重できるようになれば、ますます広く豊かな人間関係を構築できるようになるでしょう」
長所の部分は褒め過ぎだが、短所の部分はドンピシャだ!
人の話を聞いていると、「要はこういうこと?」 とまとめてしまいたくなる。
しかも、どうでもいい話にも、要点は何だろうと真剣に聞いてしまう。だから、ダラダラとまとまっていない話にはイライラしてしまう。時間がもったいないと思ってしまうのだ。妻や娘の話をちゃんと聞けない原因はここにある。
ライティングの課題提出でも、要は何なのって、要点のみ書いてしまう。結果、味も素っ気もない文章になりがちだ。
一方、仕事では結構うまくいっている。
仕事には効率化が求められているし、プレゼンでも短時間で要点をまとめる能力が求められるからだ。
「要はこういうことです」が大事なのだ。
しかし、この一年で無駄の大切さを実感した。コロナ禍の在宅勤務のおかげだ。
在宅勤務になってからは集中しているときに急に話しかけられ、仕事を中断されることがなくなった。
また、通勤に時間を取られないし、クライアントとの会議もオンラインなのでクライアントの会社へ移動する時間がなくなった。
非常に効率的に仕事が進む。決められたことを粛々と進めてゆくのにはすごく良かった。
在宅勤務が始まった当初は満足度が高かった。
しかし、次第に物足りなさを感じるようになった。
たまに出社すると、偶然会った同僚と立ち話(雑談)が盛り上がる。オンラインの雑談よりも、リアルの方が話していて心地よい感じがする。また、雑談をした後は、仕事がはかどる。モチベーションが上がっている気がするのだ。
リアルの雑談で、問題がすぐに片付いたこともあった。
会社の廊下でたまたま会った同僚に愚痴ったら、解決方法が分かったのだ。
「今、参ってんだよ! データの整理が上手くいかなくて、嫌になっちゃうよ」
「そのことなら、Aさんがよく知ってるから紹介するよ」
リアルの雑談で、趣味の情報を貰えることもあった。
「エバンゲリオンの映画見た?」
「延期されたままじゃない」
「3/8から公開になったんだよ」
「知らなかった! 早速行かなきゃ! 良い情報ありがとう」
オンラインだと偶然の出会いはない。指名した人としか話をしない。
リアルでの偶然の出会いと雑談の威力をまざまざと感じた。雑談は一見無駄に思えるけど、その無駄こそ仕事や生活に潤いをもらたしてくれると心の底から実感した。
これまでの会社でのコミュニケーションを振り返ってみた。
もしかしたら無駄を排除しすぎて、相手に対し厳い対応を取ってきたかもしれないと反省した。また、今は少しオンラインに偏り過ぎているので、コロナが落ち着いたらリアルとのバランスをうまく取っていきたいとも思った。
これまでは無駄を意識して排除してきたが、これからは意識して無駄を大切にしていきたい。
特に、妻や娘の話には、時間を気にせず耳を傾けようにすると決意を新たにした。
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