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自転車の3人乗りをやめた日

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:いがらしりえ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
少し曇った9月平日の午後、場所は新宿区北新宿の住宅街、前後にチャイルドシートを取り付けて、2人の子どもを乗せた電動自転車が倒れていた。
 
すぐ目の前には大型ダンプが止まっている。
倒れている自転車が邪魔で前に進めない。
 
運転者である子ども達の母親は、倒れた自転車と地面の間に右足を挟まれたまま抜け出せず、子ども達もチャイルドシートにシートベルトで固定されているため動けない状態だ。
前のチャイルドシートに座っている1歳位の男の子は驚いて泣いている。
 
接触したわけではないからなのか、ダンプの運転手は関わりたくないのだろう、車内から黙って見続けている。降りて助けようともしない。
 
これは、2年ほど前の私に起こった事です。
 
その日は、子ども達を図書館に連れて行こうと3人乗りをしていた時でした。
 
歩道がなく、道幅があまり広くない道を走行中、向かいから大型ダンプが来ました。
 
走りながらすれ違うのは怖かったので、ギリギリ端に寄り、停止してダンプが通り過ぎるのを待とうと思いました。
ハンドルを道の端側に向け足を地面に着こうとしたその時、バランスを崩しそのまま倒れて起き上がれなくなってしまったのです。
 
電動自転車に乗った事がある人は知っていると思いますが、電動自転車は、電動ではない自転車と比べてとても重いです。
バッテリーをつけていなければペダルは重くて漕げたものではありません。
 
自転車本体の重さは30Kg以上。
そこにチャイルドシートと、子ども2人の体重が加われば60Kgを超える重さになります。
 
順調に走行しているうちは良いのですが、ひとたびバランスを崩すと、女性の腕力や脚力ではコントロールが効かなくなる場合があります。
 
結局、この時は少し前を歩いていたスーツ姿の中年男性と、後ろから来た高校生くらいの男子学生が駆け寄って来て、起こしてくれたので救われました。
 
その後、一週間ほど経っても私の足の痛みがなくならないので、整形外科に行ってみると骨折していました。
しかし、子ども2人は完全無傷でしたので、チャイルドシートの安全性の高さに感謝しています。
 
怪我が私一人で済んだ事は本当に良かったのです。
それは心からそう思うのですが、骨折した私を目の前に「とにかく子どもが無事で良かった」を数日間も繰り返し言い続ける夫には
「あぁ、やっぱりこの人嫌いだな」
と再確認させられる出来事でした。
(3人乗り自転車の危険性をお伝えしたい記事に関係のない感情を書いてしまいました)
 
そして、この日を境に自転車の3人乗りをやめました。
後部座席のチャイルドシートに1人乗せての2人乗りは続けていますが。
 
新年度が始まり、この4月から生活や環境の変化などで自転車の3人乗りを始めた人もいるのではないでしょうか。
 
幼稚園や保育園の送り迎えなどで、どうしても3人乗りしなければならない人もいます。
 
今まで散々乗ってきて言うのもなんですが、本当に危険です。
 
子どもを乗せたまま、降りて自転車を押しながら歩いている時にも、バランスを崩しかけ一瞬で変な汗をかいた事がありました。
 
特に前ハンドル部分にチャイルドシートを取り付け子どもを乗せているとコントロールがかなり鈍ります。
 
道路交通法では、運転者が16歳以上であれば、安全基準を満たしたチャイルドシートに6歳未満の幼児を2人乗せて良いことになっています。
なので、法的には違反ではないのですけどね。
でも、実際に危険を何度か体験してからは、これは違反にした方が良いのでは? と感じました。
 
現在、3人乗りをしていて、まだ危険な目に遭ったことのない人。
将来的に乗ることになる予定の人。
どうか、ご自身とお子さんの安全のために細心の注意を払って乗ってください。
 
自転車には乗らない人。
今後乗る予定のない人。
もし、あなたが車の運転中、または徒歩の時であっても自転車の3人乗りを見かけた場合、可能な限り近寄らない方が良いでしょう。
 
相手は運転者も含めると100Kgを超えるコントロールの効かない乗り物です。
 
いつ倒れてくるかわからないのですから。
 
 
 
 
***
 
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2021-04-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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