静と動の効能。朝ウォーキングのすすめ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:相澤 めぐる(ライティング・ゼミ日曜コース)
「行ってくるね」
在宅勤務中の夫に声をかけて、今朝も私は出発する。
頭にはキャップをかぶり、マスクに黄色のウィンドブレーカー。耳にはワイヤレスイヤホン。スマホでお気に入りの音楽のスタートボタンを押しながら、歩き始める。
朝のウォーキングを始めて、3ヶ月になる。
小学生の息子を送り出すと同時に、私は上記の恰好で玄関を出る。自宅からそう遠くない池の周りをぐるりと歩き、割と大きめの公園まで足を延ばす。日本で最初にできた動物園のあるその公園は、数年前に再整備されて随分ときれいになった。桜は昔から有名だったけれど、どーんと開けた広場から見える美術館、噴水の周りの季節の花々、テラス席のあるスターバックス。おしゃれで清潔で、そして清々しい。
ウォーキングを始めたきっかけは、ママ友に誘われたからだった。コロナでステイホーム中にダイエットをしようと、何人かのママ友がウォーキングを始めたのだ。
「すごく気持ちがいいよ。めぐるさんも、ぜひ!」
最初は面倒臭さが先に立って、なかなか重い腰が上がらなかった。
けれども、ある日のLINEのおかげで私は開眼したのだ。
「あさって〇〇さんとおしゃれスタバでお茶します。私たちは朝ウォーキングのついでだよ。よかったら、一緒にどうですか?」
ステイホームで退屈しきっていた私は、二つ返事でOKした。
そして、約束の日の朝、普段なら自転車を使うところだが、なんとなく歩いてみようかなという気になったのだ。その日が眩しいくらいの晴天だったのも理由のひとつかもしれない。
季節はまだ寒い2月。でも、太陽の光が降り注ぎ、池の水面がキラキラ輝いている。マスクをしているけれど、土の匂いや草木の香りを感じる。
驚いた。なんて気持ちがいいんだろう。
気が付くと、私はほぼ走り出していた。
2年前に大きな病気をした私は、治療の副作用に悩まされていた。すごく具合が悪いわけではない。ただ、手指の関節が痛んだり、ずっと同じ姿勢でいると身体全体がこわばったりするのだ。動き過ぎると動悸がすることもあった。病院で検査もしたけれど、特に異常はない。治療で使った薬の副作用で、女性ホルモンが減少したことによる不調のようだった。血行を良くするといいということで、漢方の専門医で処方してもらった漢方薬を何種類か服用していたが、効果はさほど感じなかった。
寝込むほどではない、ほんの小さな体調不良。
それがこんなにつらいなんて。
ずっと健康だった私には、予想外のことだった。
病は気からという言葉がある。
私の体調不良は、コロナ禍も多少は関係あったのかもしれない。
パートも在宅勤務となり、時間的な余裕が出来たのは嬉しかったけれど、人と接する機会が激減した。気持ちの切り替えに外部の力を使えなくなったのだ。
読書や手芸も私の趣味ではあったけれど、有り余る時間の中でそれをしても、全然ときめかなかった。忙しい中で何とか捻出した時間でやるからこそ、ホッと一息つけるし楽しいのだ。
そんな中で始めた朝ウォーキング。
健康のためとか効果とかは二の次で、とにかく気持ちが良かったから毎日続けた。朝に太陽の光を浴びるおかげか、夜は早い時間に眠気がきて、自然と早寝早起きになった。
息子がよちよち歩きだった頃、「朝はできるだけ散歩に行って、日光浴をしましょう」と、育児本で読んだのを思い出した。午前中に太陽の光を浴びることで、体内時計が整えられると書いてあったな。
へぇー、まさにこれだ。
生活のリズムが自然に出来てきた。
それだけではない。
気が付いたら、気分が上向きになっていたのだ。
なぜかと色々考えてみたけれど、朝ウォーキング以外に思い当たる理由はない。これは、ウォーキングに誘ってくれたママ友も言っていた。メンタル面での効果がすごい、と。
ネットで検索をしてみたら、日光を浴びることで脳内物質の「セロトニン」の分泌が促されるそうだ。幸せホルモンとも呼ばれているセロトニン。やる気や幸福感に繋がる脳内の神経伝達物質の9割がセロトニンらしい。
へぇー、これはすごい。
加えて、ウォーキング中は、身体はリズミカルに歩行をしているけれど、頭の中では一種の瞑想というか、無意識に自分を振り返っていることが多い。
「ああ、昨夜は息子を叱り過ぎたな」とか、
「夫にあんな態度を取ってしまったけれど、私に余裕がなかったせいだな」とか。
自分を振り返るというか、内省だ。
でも、悪いことではなかった。そのおかげで、自分のとるべき行動に迷いが減った気がする。
蕾だった桜がいつしか満開になり、それが散って木々の緑が一層濃くなった。小一時間も歩けば、今ではすっかり汗ばむ陽気だ。
毎朝、そんな自然の移ろいを肌で感じながら、私は歩く。
気付いたら、私の心身の不調は、すっかりなくなっていた。
規則正しい生活、適度な運動、セロトニンの生成、そして、自然に癒されながらの内省。
そのどれもがもたらした効果に違いない。
そうそう、もうひとつウォーキングの楽しみがある。
誘ってくれたママ友たちと偶然バッタリ会うことだ。
それぞれ都合でウォーキングをしない日もあるし、家を出る時間が微妙に違うと会えない。でも、公園を挟んでみんな別の地域に住んでいるので、タイミングが合えばおしゃれスタバの辺りでバッタリ会える。
挨拶を交わすだけの日もあるし、予定がなければ、そのままスタバのテラス席で一緒に朝のコーヒーを飲んだりする。
それがサプライズ効果となり、ワクワク感が一層高まる。
単なる運動面だけではない、朝ウォーキングの意外な効能。
あなたもぜひ、いかがですか?
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00
■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168
■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」
〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325