Excelは 自分で作れる コンピューター
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:大嶋実里(ライティング・ゼミ平日コース)
「わたし エクセル だぁいスキ!」
そんな言葉を聞いたのは、私が初めて自分のPCとしてWindowsVISTAを購入したばかりの時に働いていた、派遣先だったと思う。まるで恋人の話でもするかのような顔をして、生き生きと話す同期の女性の様子に「へぇ~」と思うだけだった。
しかし今は彼女の気持ちがよくわかる。私もエクセルが大好きだ。Microsoft Office Specialistの資格、Excel2016は、Specialist(基本)もExpert(上級)もとった。とはいえ使いこなせてはいないので、使いこなせる人は尊敬する。
作った人はさらに凄い。調べたらハンガリー人の、チャールズ・シモニーという人だった。単純な表作りから、様々な計算を一瞬で行う超高度な機能まで、たった1枚のシートに潜ます頭脳には、感服する。
エクセルの何がいいかというと、まず関数が最高だ。
ここと、ここのセルを使って、こういう計算結果をこのセルに表示させるにはどうしたらいいか、と考えネットで探す。検索ワードを工夫するのが一苦労ではあるが、見つかると「あるんだ!」と改めて感心する。
そう、たいていのことは既に用意されているのだ。
見つけた関数を試行錯誤して使ってみる。「えいや!」とEnterキーを押し、パパパっと思い通りの結果が表示された時の快感たるや! おそらく脳からはドーパミンがドバドバ出ているのではなかろうか。
更にその一連の動きをマクロに記録すれば、関数も何も知らない人でも、誰でもワンクリックで一気に計算できてしまう。なんという時短ツール!
それを初めて知ったのも、とある派遣先だった。
社員異動の季節、全国各地の各支店・各部署から本部に大量に送られてくる、新しい社員名簿をシステムに入れる仕事をした時のこと。まずは送られてきたエクセルシートを、システムに拒否されないよう整える必要があった。
カタカナ・数字は全て半角に、
名前は全て全角に、
社員名・社員番号にダブりはないか、
システムに入らない文字を使ってないか、
等々をチェックして、問題ないと確認できたらそれを古いデータに上書きする。
作業の際、社員さんから指示されたのが、既に用意されたマクロシートを使うことだった。届いたデータをコピーし、シートに貼り付ける。その時にズレないよう、一行も欠けないよう注意は必要だが、それさえ間違わなければ名簿が数十人でも、数百人でも、全て数回、ポンポンポンとクリックすれば終わる。まさに感動ものだった。私がエクセルの便利さ、素晴らしさを知ったのは、その時かもしれない。
別の派遣先では、アンケート集計シートを作った。
今迄は社員さんが用意したものを指示通りに操作するだけだったが、その時は1から、いやゼロから作らなければならなかった。
それでやはりネットで探し、見つけた情報を応用してみる。アンケート結果をただひたすら入力すれば、各項目の数、全体のうちの割合などが別のシートに自動で計算されるように作り、集計がグラフに反映されるようにした。
入力すればするほど勝手にエクセルが計算し、数字が増えていく。
それが快感だったし、お役に立てたのも嬉しかった。
さらにエクセルを学びたいと本を購入した。
「Excel最強の教科書 完全版」
(藤井直弥・大山啓介著 SBクリエイティブ株式会社)
買ったのは数年前だが、今も売れ続けているという、この本がまた素晴らしい。
例えば、見やすい表を作るには「A1セルから始めない」「A列と1行目は余白の為に使う」とある。確かにA列から表があると、左端の罫線が見えなくなっているせいか、何か見た目が窮屈に感じる。しかしここが余白だと、表が明らかに見やすくなる。
複数セルの中央に文字を置きたい時、通常は「セルの結合」を使うが「セルの結合は極力使用しない」で「選択範囲内で中央」で揃えるという。これも確かにセルが結合されていると、関数のセル参照がうまくいかないので、関数好きな私にはとても有難い知識だ。
「中央値」という言葉も初めて知った。不景気と言われて久しい昨今、平均年収の数字は実際より高いのではないかと感じることが多かったのだが、それは「平均値は極端な数値に影響を受けやすい」からなのだ。データの真ん中の数字を知りたい時は「中央値」を使う。MEDIAN関数が計算してくれる。
こんな風に誰からも教わったことのないことや、表を見やすくするためには行の高さを「18~20」にした方がいいとか、小さいけれど大事なポイント等、「できる先輩が新人に丁寧に教えているような」内容が盛り沢山の本だ。
この本を同じ部署の全員が読んで共有すれば、見やすくかつ、メンテナンスしやすい、とても優れたシートが出来上がると思う。
もちろん小技だけでなく、主要な関数、ピボットテーブル、データテーブル、ゴールシーク、等々の高度な機能もわかりやすく紹介されている。
ちなみに私は「結果から逆算する」ゴールシークが大好きだ。
本から引用して簡単に説明すると「平均客単価500円の店が、1日に12万円の売上を上げるには、何人の客数が必要か」そんな計算ができる。
会社であれば、これも引用させて頂くが「目標利率から必要な回転数を割り出す」「総予算(利益)から調達できる人員を割り出す」ことが、クリック一つで出来るのだ。
もしあなたが「エクセルにそんな機能があるなんて知らなかった」のであれば、この本は役に立つと思う。きっと「こんなに色々出来るんだ!」という新しい発見があるだろう。
複雑な計算を、クリック一つで一瞬にしてくれる。
まさにエクセルは、小さなコンピューターだ。
PC、つまり「パーソナル・コンピューター」の中に入っているソフトなのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、本物のコンピューターは高度な技術者しか作れない。
しかしエクセルなら、少し勉強すれば、そのプログラムを自分で作ることができる。これが楽しくて面白い。
勉強するほど興味がなくても、エクセルの「新規」画面にある「テンプレート」を使えば、すぐに恩恵に与れる。ビジネス用から個人用まで「こんなものも作れるの?」と思うような沢山の美しいシートが並んでいて、ダウンロードして見ているだけでも楽しい。
その意味での私のおススメは、青みがかった緑色がベースの「休暇チェックリスト」。いったいどうやって作ったんだろう? これがエクセルで作れるなんて! と驚くこと請け合いだ。
(Excel2016の場合。バージョンが違うと同じテンプレートは無いかもしれない)
いずれ事務はAIに取って代わられる、と言われて久しい。
しかしAI導入にもコストがかかるだろうし、そう簡単に全てが切り替わるとは思えない。
何より既にずっと前からPCの中に入っているソフトを、生かさない手はない。
エクセルには沢山の優れた、けれどあまり知られていない機能が、まだまだ隠れている。
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