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女装して初めて昼間に外出した話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:くろたん(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「えっ、ドン・キホーテも行くの!」
女装した格好でドン・キホーテに行くと言われて、不安な気持ちで一杯だった。
 
女装して昼間に外出する。
これは、女装における1つの登竜門ではないかと思う。
 
夜に比べて昼間は明るくて人も多いので、他人にハッキリと見られる可能性が高い。
「この人男性なのに女の子の格好している」
とか思われないかが心配で、ずっと昼間に女装が出来ないでいた。
 
それでも、
「昼間に女装して、ランチやショッピングをとことん楽しみたい!」
という夢があって、それを叶えたいという気持ちが強くなっていった。
 
知り合いの女性に誘われた事もあり、とある冬の日に昼間外出にチャレンジする事を決めた。
 
洋服はすごい悩んだ。
初めてなので無難な落ち着いたコーデにするか。
それとも、せっかくの機会だし思い切って大好きな可愛い系のコーデにするか。
いろいろ考えた結果、お気に入りの可愛い系のコーデにする事にした。
白いニットに茶色のチェックのミニスカート。
 
2月で寒いし、脚を出すのが不安だったので、下に黒いタイツを履く事にした。
自分の年齢に合った似合う服を着るのも大事だが、女装の醍醐味は大好きな憧れの洋服を可愛く着れる事だ。
それを楽しみたいという気持ちが勝った。
 
女装して昼間に外出する日がやってきた。
いつも通り、ネカフェで着替えとメイクをする。
メイクを終えたが、鏡を見てこれで大丈夫かなと不安な私がいた。
髪やメイクの小さな乱れが、どうしても気になってしまう。
それでも、待ち合わせに遅れてはいけないと思い、数枚自撮りするとネカフェを出た。
 
それは、初めて昼間に女装した姿で外に出た瞬間だった。ものすごいドキドキだった。
ただ、人は思ったより少な目だったので、ほっとした。
不安そうに歩くと逆に目立ちそうなため、外では堂々と歩くように意識した。
 
歩いていると建物の大きなガラスがあったので、それに映る私を見て全身を確認する。
全身を見ると、意外とイケるかもという気になった。
マスクをしているので、良い感じに顔を隠せていると思った。
女装していると、この様に自分の姿を確認する事が多くなる。
それも女の子になった実感が沸いて嬉しくなった。
 
待ち合わせ場所で、知り合いの女性2人と合流した。
可愛いって褒めてもらえて、安心したし嬉しくなった。
 
楽しくお話しながら3人で歩いていると、おしゃれなカフェに着いた。
店に入ると、受付でローストビーフ丼とパンケーキを注文した。
お店は開放感ある空間で、隣のテーブルとの間隔が広めだった。
知らない人がすぐ近くにいる状況で無かったので、安心した。
 
座って待っていると、料理が運ばれた。パンケーキは、大きめのお皿に3つのっていた。
そのお皿を持ちながら写真を撮ってもらう。
良い感じに映えた写真になって、その写真は別の知り合いからも好評だった。
 
料理の写真も撮れたので食べ始めたのだが、長い髪が邪魔で思うように食べられない。
完食するのが、2人よりも遅くなってしまった。
でも、長い髪でご飯を食べる難しさを味わえ、女性ならではの体験が出来たので嬉しかった。
 
「食べ終わったし、次はカラオケかな?」
って考えていたが、女の子から
「今からドン・キホーテ行こう!」
という話になった。私は思わず
「えっ、ドン・キホーテも行くの!」
と答えてしまった。
 
地元のドン・キホーテは東京ほどの多さではないが、買い物客がたくさんいる。
その人達に私の女装姿を見せる事になる。
正直無理で、今日はランチとカラオケ行ければ満足だと思っていた。
 
それでも2人がお買い物に行くという事で、私も女装したまま行く事になった。
カフェを出てドン・キホーテに向かう。
ものすごくドキドキしながら歩いた。
 
3人で話しながら歩いているとドン・キホーテに着いた。
入る時は不安でいっぱいだったが、お店に入ったら開き直る事ができた。
メンズの洋服は、別の所に預けてあるので、そこに戻るまでは嫌でも女装姿でいないといけない。
開き直れたと同時に、そういう女装せざる負えない状況が何だか嬉しくなった。
私ってドMなのかな(笑)
 
せっかく女装してお店に来たのだから、とことん楽しもうと思った。
とはいえ、不安な気持ちは残っていて、周りの人を気にする余裕が全く無かった。
それでも一緒にいてくれる仲間が2人いる事は、すっごく心強かった。
2人の後ろをひたすら付いていった。
 
コスメショップで、可愛いコスメを3人で見る。
2人の方がコスメに詳しくて、女子力高いなって思った。
コスメを見ていると、せっかくここまで来たのだから、可愛い洋服も見たいって思った。
もしかしたら、試着して購入する夢が叶えられるかもしれない。
 
ドン・キホーテの中に入っている、ハニーズというアパレルショップに行った。
ハニーズは、可愛い洋服がお手軽な値段で買う事の出来る、大好きなアパレルショップの1つである。
その大好きなお店に女装して行く事が出来て、すごく嬉しかった。
 
女装してレディース服のお店に行くメリットとして、試着出来るというのは想像できた。
それ以外にもう1つある事に気づいた。
全身鏡を見ながら、お店の洋服を自分に当ててみて、似合いそうか確認出来る事だ。
「このスカートは、今着ているトップスと組み合わせ良さそうだ」
ということが分かる。
いろんな洋服を確認するのが楽しくて、同じ服でも何度も確認してしまった(笑)
女の子になれた実感が沸いて嬉しかった。
 
その中で膝丈くらいのピンク色のスカートが気に入った。
試着してみたいと思ったが、男性がしても良いのか不安になった。
試着して良いか確認しようと思っていたら、店員さんが声を掛けてくれた。
「ご試着ですか?」
普通に言ってくれたのが、女の子として見てくれた気がして嬉しかった。
初めてレディース服のお店の試着室に入った。
レディース服を試着するのが夢だったので、すっごく嬉しかった。
サイズ的にも良い感じだったので、そのスカートを履いたまま購入して店を出る事にした。
 
女装してレディース服のお店に行くのが、想像以上に楽しかった。
この楽しさを味わってしまったから、もうメンズモードでレディース服のお店に行く気にはなれない(笑)
 
ドン・キホーテを出て、カラオケボックスに向かった。
何曲か3人で順番に歌う。マイクは両手で持って、女性っぽい仕草になるよう意識した。
その後、3人でたくさん写真を撮った。可愛い2人に囲まれて、楽しく写真撮っている時間が本当に幸せだった。
ずっとこの時間が続けば良いのにと思った。
 
翌日は仕事もあるので、ここでメイクを落として男性モードに戻る事にした。
すっごく楽しい夢の時間が終わってしまって、すごく切なかったのを覚えている。
 
すごく不安だった女装しての昼間外出だったが、ランチやお買い物も出来て大きな自信になった。
今ではもっと人が多い、駅近のショッピングモールへも女装して行けるようになった。
周りの人は、私の事を全然気にしていない感じなので、安心して買い物出来るようになった。
 
私をドン・キホーテにまで連れて行ってくれた2人には、ものすごく感謝している。
 
 
 
 
***
 
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2021-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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