「ライティング・ゼミなんて、名ばかりだから!」と過去の私に言ってやりたい。
202*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:香月祐美(ライティング・ゼミ2月コース)
はぁ……はぁ……はぁっ
カタカタカタ
心臓がドキドキして、息も上がってきた。
1時間半、パソコンの前でライティング・ゼミの課題である、2000字の文章を書いているだけなのに。
間に合わない……。
ライティング・ゼミの初回の課題締め切りが今晩。
実は私、3年ほど前に一度受講しているので、2回目だ。
しかし今回。
2週間前にあった講座をまだ視聴できていない。
頭の中に残っている、3年前に聞いた天狼院秘伝のABCユニットを必死でかき集めた。
ABCユニットとは、焼き鳥屋さんでいう秘伝のタレのようなものだ。
これがあれば、私でも美味しい焼き鳥を……ではなく、文章が驚くほど書きやすくなる。
カタカタカタ
3年前に教えてもらった秘伝のタレの味は思い出せた。
でも。
書く体力が落ちてしまっているのか、なかなか筆が進ない私は、3年のブランクの深さを感じずにはいられなかった。
昨日まで仕事のヤマに追われていたとか、
仕事のヤマが高すぎて、ライティング・ゼミの動画を見る心の余裕がなかったとか、
今日も今日とて、仕事の三者面談が伸びてしまったとか、
散々言い訳はある。
でも、すべて言い訳でしかない。
あと10分。
「軽い気持ちで、ライティング・ゼミの参加ボタンを押すな!」
と過去の私に言ってやりたい。
あの時申し込んでしまったばっかりに、こんなに大変な思いをするなんて。
「どんなことがあっても原稿を出すのがプロだ」
もう諦めろ、いや、ギリギリいける、と緊張のなかで混乱状態になった私の頭に、天狼院書店の店主三浦さんの声が響いてくる。
いやいやいや、ライティング・ゼミの一番初めから、三浦さんは絶対そんなことは言わない。
そもそも私はライターとか、文を書くプロでもなんでもない。
塾で講師をしながら、ゼミを受けている一般人だ。
でも、出すものは出さねば。
締め切り1分前。
焦るあまり、震え始めた指でなんとかファイルをアップロードし、提出した。
2回目のライティング・ゼミはボロボロでスタートした。
「……ですよね」
数日後、とある温泉宿に篭ってパソコンを開いた私は、課題のフィードバックを見ながらつぶやいた。
ライティング・ゼミの出鼻からすっかり心がくじけた私。
弱っちい私は、逃げ出さないように自分を閉じ込めることにした。
まだ見ていない講義をちゃんと見たら、ご褒美に温泉に入るのだ。
課題のフィードバックをくれた天狼院スタッフの方は、もうね、とんでもないと思う。
あの夜の焦りが、全てバレていた。
「……ですよね」
フィードバックを見てつぶやくと同時に、恥ずかしくなった。
早く温泉に浸かって体を清めたい。
スタッフの方は、ファイルを開いてものの数分で、読んでフィードバックまで返してくれる。
しかもコメントが的確すぎるので、決して流し読みではない。
文章を書けるだけでなく、とんでもない処理能力だと思う。
申し訳ございませんでした……。
ボロボロだった課題を読んでくださったスタッフの方へ、心の中で土下座しながらノートを広げ、2週間前のゼミ2回分を視聴し始めた。
3年前、読まれやすい塾のブログを書けるようになりたくて、ライティング・ゼミを受講した。
そして今回、きっかけはもっと軽いものだった。
あー、やっぱり読みやすくていい文章だな。
なんとなしに開いた、ライティング・ゼミの案内文がきっかけだった。
引き込まれる文章に、ついつい下までしっかり読んでしまう。
読みながら、はた、と気づいた。
ワークショップがなんだか充実しているし、聞いたことがない内容も入ってるような。
へぇ、成績表ももらえるのか、面白そうだな。
ひょっとして、3年前の内容から変化してる……いや、これは進化といえるのかも。
気になった私は、軽い気持ちで申し込みボタンを押していた。
「正直、1回聞いているもんね」と思いながら、講義のURLをクリックした。
録画画面を開いたら、3時間を超えていた。
思い出したところは、早送りでもいいかな……だって温泉入りたいし、と邪な私が顔を出す。
再生を始めて、「ウンウン、知ってる」とキーボードに伸びかけた手は、宙で止まってしまった。
話に引き込まれるのだ。
私は塾で話をしたり、教える立場だからわかる。
大切なことだからって、相手に向かって一方的に話せば、教えればいいっていうものではないことを。
しかも子供は、先生を好きか嫌いで、勉強する教科そのものまでも好きになったり嫌いになったりする。
相手に伝わる話し方、飽きられずに「もっと聞きたい」って思ってもらう話し方の大切さを、身に染みて知っている。
早送りボタンを押したら「もったいない」という気持ちが、伸びかけた手を膝の上にそっと戻す。
すごい、なんでなんだ?
録画された画面に釘付けになりながら、心の中でつぶやく。
すると、私の心を読んだかのようなタイミングで、画面の中の三浦さんが
「聞いている人に飽きられないように、全部ABCユニットを使って話しているだけだ」
とこともなげに答えてくれる。
実際、前回のノートと照らし合わせてみると、内容も「今」に合わせて話していることがわかる。
恐るべし。
3年ぶりに聞いて、重要なポイントは同じなのに、見え方が全然違っていた。
私が、3年前より仕事で企画を立てる機会が増えたからだろうか。
動画を見ていた私は、あることに気がついた。
内容は、書くことのテクニックから、書き手のスタンスの話に移っていた。
あれ、この話って……私が必死だった仕事のヤマを乗り越えるために必要だった話では?
私は、書く仕事ではなく、塾の講師なのに。
この2週間、「ライティング・ゼミの動画なんてみる余裕もない」ほど必死で作っていた塾の課外授業の企画と運営。
その仕事のヤマは、2000字の文章を書くこととは無関係なはずなのに。
もしかしてこのゼミ、書く仕事とか関係なく、めっちゃ大事なこと教えてくれてるのでは?
そんなに赤裸々に教えて大丈夫ですか? と、だんだん心配になってくる私をよそに、三浦さんは「全部」教えてくれる。
ライティング・ゼミとは名ばかりだった。
だってこれ、文章を書くことだけに効く講座ではなかったのだ。
ああ、これもう少し早く再受講していればよかった。
もっと早く見ていれば、講義の内容を知っていれば、初回の課題の前にあった、仕事のヤマを絶対楽に超えられたと思う。
仕事のヤマがとか言い訳してないで、先に見ればよかった。
そうすればきっと、初回の課題もボロボロでスタートすることもなかったはずだ。
過去の私に「ライティング・ゼミなんて、名ばかりだから早く受講しろ!」と言ってやりたい。
2回分の講座を、1回も席を立たずに見え終えていた。
しかも、全然疲れていないし、むしろスッキリ感が残っている。
なんならもう1回見ようとしている。
結局温泉宿で6時間、ライティング・ゼミを見た。
くじけて温泉宿にやってきて、メソメソしていた私はどこへやら、である。
そして今週末は、講義の日。
まだ数日あるにも関わらず、今度こそライブで受講するのだと思い、既にドキドキソワソワしながら待っている。
***
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