メディアグランプリ

巡り巡って、地元の魅力を知る


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記事:麻生 愛(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「岐阜県なんて……」と口にする岐阜県民は少なくはない。
岐阜に転勤で引っ越して来た方も、辞令が出たとき「岐阜ってどこ?」とまず初めに思ったという話をよく聞く。また、初めて岐阜に来たとき、愛知県との県境で、一気に増える緑の多さに不安すら感じたとも。
 
私も、「岐阜県なんて……」と地元に目を向けず遠くばかり見ていた時期もあった。
 
それが、いつの間にか、岐阜県の魅力を発掘する仕事を経験し、東京出身の夫と過ごすことで新たに岐阜県の魅力を再認識する日々を過ごしている。
 
今回は、最近感じた岐阜県の魅力を紹介したいと思う。
 
私が生まれ育った岐阜県美濃地方は、飛騨川、木曽川、長良川と豊富な水に恵まれた地域であることから素晴らしい酒蔵が何軒もある。
中でも、「本みりん」が料理研究家の方の紹介や数多くのメディアに取り上げられている川辺町にある白扇酒造は、好きな酒蔵の一つである。
 
国産の「もち米」「米麹」「米焼酎」の3つの原料のみで造られた「本みりん」は、江戸時代から美濃で寝酒として愛飲されてきており、変わらない伝統的な手法で作られているそうだ。
この「本みりん」が、外食したお店で使われていることをメニューなどで知ると、嬉しく感じることも少なくはない。最近では、名古屋での日本最大級のショコラの祭典で、チョコレートメーカーと本みりんのコラボ商品も販売されたらしい。
 
玄関には立派な杉玉が飾られ、昔ながらのひんやり空気を感じる黒壁の建物が、とても居心地がいい。奥への進むと、お酒作りで使用した樽を用いたオリジナルの椅子が並ぶ蔵を改造したこだわりの空間があり、商品が並んでいる。
 
ここでは、新しい年を迎え原酒ができる頃になると、蔵開きが開催され、朝しぼりの原酒を目の前で瓶に詰めてもらえる。日本酒は嗜む程度の私だが、「今日は特別に多く詰めたからね」と決まってかけられる一言は嬉しいものだ。
 
そんな蔵開きの日は、酒蔵の麹を使用した甘酒や粕汁などの振る舞いや、餅つきなどもあり、お祭りのような賑わいだ。
 
蔵開きの日ではなくても、お酒や酒粕を買いに度々立ち寄る。
今回は、初めての見る定員さんが、商品説明をしてくれた。いつもは、東京などで商品紹介をされているそうだが、今のご時世で出店などのイベントが中止になり、お会いできたようだ。
 
今の時期にしか購入できない熟成前の「本みりん」や、「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」「岐阜県知事賞」を受賞したお酒などを紹介してくれた。お酒の品評会も色々とあるらしい。
 
この頃の気温の上昇から、美味しく飲んで欲しいからと、一升瓶ではなく冷蔵庫に入る4合瓶を勧めるあたりも、こだわりの強さを感じた。
 
さらに、その酒蔵には、どうしてここに置いているのだろうと感じる商品がいつも並んでいる。北海道物産展ではお馴染みのお菓子や、金沢で出会った「かぶら寿司」、胡桃を使った「佃煮」。愛知県で有名なお漬物などである。
 
せっかくの機会とばかりに、これらの陳列について聞いてみると、全てが、この酒蔵のみりんや粕を原料に使っているという繋がりだった。
 
さらには、蔵開きの餅つきは、お祭りのような賑わいの演出だけではなく、本みりんを仕込むお米の美味しさを知っていただきたいという気持ちから行われているそうだ。
 
以前、京都のお料理屋さんで、お料理の前に出て来た日本酒が、この酒蔵のものと知ったこともある。その美味しさと、地元の商品が使われていることに嬉しく感じた。その後、すぐに酒蔵へ出かけると、そのお酒は、もろみを酒袋に移し、つり下げて清酒を絞る手間をかけた製法であることを知った。そして、その酒粕は、大人のアイスクリームと感じるような格別の味だった。
 
旅などで出会った「これ、美味しい」が、巡り巡ってこの酒蔵に繋がっていた驚き。製品ラベルでは知り得ない、商品への想いやこだわり、そして各地との繋がり。知れば知るほど、魅了される。
 
特にこの酒蔵は、父方にご縁のある地域。私が産まれた時からつながりのある水が、こんな風に美味しいものとなって巡っていることに嬉しくなり、自分ごとのように鼻高々な想いにすらなる。
 
「各製品とのつながりについて、久しぶりに話しました」という定員さんの言葉にも心くすぐられ、誰かについ話したくなってしまう。
 
今まで知らなかった地元の魅力を、外からの評価によって知ったり、素晴らしいと感じることもしばしば。
「岐阜なんて……」と感じていた私だが、いつの間にか、岐阜の魅力を伝えることに喜びを感じている。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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