【東京天狼院プレミアまで48時間】1冊を売るイメージ
おはようございます。天狼院書店の店主三浦でございます。東京天狼院のオープン予定日「東京天狼院プレミア」まであと2日(L-2)でございます。オープンまで48時間、ローンチ(打ち上げ)までのカウントダウン開始でございます。
天狼院書店を始めるまでに、僕はかれこれ7年間ほど書店で働いていたわけですが、自分の店を持つまでは番線印の価値を実感したことはありませんでした。山のように積み上げられた雑務をこなす流れ作業の一環として、至極事務的に注文書に数を書き入れて、ポンポン押しておりました。それが、自分の店の番線を持った途端に、この小さな印の重みを痛感するようになりました。
また、他の書店で働いていた際には、本を売ることは当たり前で、これも流れ作業的に、カバーをかけてお金の受け渡しを済ませるという一連の作業をいかに早く「さばく」かということに重点をおいていたので本を売るということがどういうことなのか、思えば、真剣に考えたことがありませんでした。
ところが、いざ、自分の書店を持つとなると、不思議なことに1冊を売るイメージがまったくわかないのです。どうやって売っていたのか、まるで実感として思い出せない。
それはまるでプロ野球選手が、身体的な問題が何らないのに急にキャッチボールができなくなるという「イップス」と呼ばれる現象に似ているのかもしれません。
そうこうしているうちに仕事に忙殺されて、あれよあれよという間に天狼院プレリュードを迎え、そして先週プレオープンを迎えたのですが、ここに至っても、有り体に申しますと1冊を売るイメージがわかなかったのです。
その流れが変わったのが、一昨日の夜のことでした。そうです、『半沢直樹』が絶賛放映中で、みんなテレビの前にいえて街がしんみりしていたあのときです。
早くも常連になって頂いている岩田さんと、本について語り、本を買っていただいている最中に、ふっと舞い降りるように1冊を売るイメージが鮮やかなほど明確に浮かんだのでございます。
「そうか、こうして僕は1冊、1冊をお客様に届けてきたのか」
あるいは、それは大工の小野寺さんが、東京天狼院のフルオーダーメイドメインステージ「黒船来航」を作る直前に、「あ、イメージが湧いた」と小さくまさにひとりごとのつぶやいたときに、小野寺さんに起きたことと同じだったやもしれません。
そう考えると、1冊を売るということは実にクリエイティブなことで、これは単なる販売ではなく、むしろ創作なのだということになるでしょう。
僕がその時胸に抱き、そして今も頭の中で明確に思い描いているそのイメージというものは、あるいはあまりに繊細な事象の集積概念過ぎて、とても言葉では言い尽くすことができずに、多分に「体得」や「直感」などと言った感覚的なものと捉えたほうが、より真実に近いやもしれません。けれども、無理を承知で言葉にまとめるとするなら、それはやはり、「書店劇場化」という言葉に集約されてしまうのだろうと思います。
つまりは、天狼院が劇場であり、展開する棚がステージであり、かつ、本がそこで演じるアクターである。
そうであるなら、店主である僕は、演出家であり、舞台監督であるということになります。
間違っても、販売員ではない。クリエイターなのだろうと思います。
もっとも、イメージが明確になったからといって、すぐさま、棚が完璧になるということはないでしょう。
やはり、オープンから3ヶ月ほどをかけて、お客様とともに、著者の先生方や出版社の方々、取次の方々とともに、徐々に、徐々に、「書店劇場化」を完成させて行くのだろうと思います。
おそらく、オープンから3ヶ月後には、他では得られない「体験」を天狼院ですることができるようになっているだろうと思います。
そのためにも、皆様のお力を拝借できればと思います。
また、どうか、長い目で見てやってください。
チーム天狼院一同、一丸となって「書店劇場化」を完成させたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
◇行くぜ!東京天狼院!◇*2013.9.26OPEN!
◇天狼院書店「東京天狼院」◇*2013.9.26OPEN!
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618
FAX:03-6914-3619
ただ今プレオープン期間中(9.20~9.25) 一般のお客様のご来店も、ぜひお待ちしております。
開店時間 10:00~22:00