天狼院のコーヒーが「美味い!」と言われる理由を真剣に考えてみた。《天狼院通信》
天狼院のコーヒーが「美味い!」と結構言われます。
いつも砂糖とミルクを入れるお客様でも、このコーヒーならブラックのほうが美味しいと言ってくださったり、いつも行っている喫茶店よりもはるかに美味しいと言ってくださったり。
最初は、まあ、お世辞だろうな、と思っておりました。
ところが、昨日、久しぶりに大手コーヒーチェーンの200円くらいのアメリカンコーヒーを飲んで、あ、まずい、と思ってしまいました。天狼院のコーヒーで慣れていたからです。
それで、考えてみたんです。なんで、天狼院のコーヒーが美味いのか。
だって、おかしいですよね、本屋のコーヒーが喫茶店よりも美味しいだなんて。
考えてみると、理由が見えてきました。
思い出したのは、僕がおそらく小学生の頃に両親が地域の人達と一緒に行った、香港旅行のことでした。
父は、その旅行の市場でウォークマンを買ったんですが、帰りの飛行機で早くもそれは壊れてしまいます。
そのとき、父はこう言ったんです。
「あのとき、市場で試聴させてくれたウォークマンは本物だったんだよ。びんびんいい音出てて、これならいいと思ったんだけど、きっと売られたのはそれじゃなくて廉価版だったんだな」
まあ、よくある話でしょう。日本人観光客を相手に、そういう商売をする手合は大勢いるでしょう。騙される方が悪いで済まされてもおかしくない話。
が、今日の本題はそこではありません。
天狼院のコーヒーのお話でございます。
天狼院のコーヒーの機械はイタリアの会社、Saecoさんのを使わせてもらっています。
東池袋駅前の喫茶店イルテスートさんのご紹介で、銀座のSaecoさんのショールームに行って、デモンストレーションしてもらって、その機械を選びました。
その時に機械で作ってもらったコーヒーがとてつもなく美味かった。
それで、その機械を導入することに決めたのです。
これが、香港の市場のウォークマン売りと同じ原理ではないかと思ったのです。
香港のウォークマン売りは、父のような観光客にウォークマンを売るためには、当然、いい音が出る機械を用意しようと考えるでしょう。つまり、特別にいい機械を用意します。
それと同様に、Saecoさんも自社の機械を使ってもらいたいと思うはずですから、デモンストレーションの際にはその機械の良さが最も引き出される豆を用意したはずです。そのために、僕もスタッフも、そして同伴してくれたイルテスートさんさえも、「これはうまい!」というコーヒーが出された。つまり、結構いい豆を使っていただろうと思うのです。
そして、天狼院のコーヒーがなぜ美味いかという話ですが、実は、このSaecoさんとっておきの豆をそのまま使っているからです。ちょっと値が張りますが、素直にこの豆を使っています。
ゆえに、天狼院ではうまいコーヒーが出せているのではないかと、ふと、他の喫茶店のコーヒーを飲んで思ったのでございました。
試しに、コーヒーを飲みに、天狼院に来てみて下さい。