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ラーメン巡りのための婚活

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Kasumi(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
横浜に引っ越して1年半。
ラーメンの激戦区と言われる横浜で、私は未だに有名ラーメン店へ入れないでいる。
混んでいるからじゃない。入る勇気がないのだ。
 
私の住まいは横浜の中でも中心街にほど近く、自転車で野毛やみなとみらいへもすぐ行ける距離にある。全国有数の人気ラーメン店がそこかしこにある場所なのだ。そんな所に住んでいながら、横浜で有名な「家系ラーメン」すら未だに食べたことがない。
 
ラーメン店のカウンターに並んでいるのは、ほぼ男性ではないだろうか。カウンター席で男性の隣に座るのは、圧迫感があってなんだか苦手。女性客もいるけれど、たまにしか見かけないし、彼女達と同じように並ぶ勇気はまだ持てない。
 
私と同じように「有名店のラーメンを食べてみたいけれど、男性の多い店内に入る勇気がない」と言う女性はいるのではないか。
普段、私は自炊派だ。一人で外食する時はカフェがほとんど。一人でラーメン屋のカウンターに座るのは、なかなかにハードルが高い。
 
JKがはしゃぐパステルカラーの店内で、スーツ姿の男性が一人パフェと向き合っていたら、少なからず目がいくのではないだろうか。その逆バージョンが「女一人でラーメン屋」だと思っている。ちなみに、女友達同士でもラーメン屋に入りにくいのは変わらない。
 
ただ、「阿夫利」のように女性客が比較的多いラーメン屋なら入ることもできる。
看板メニューのゆず塩ラーメンは、水菜やメンマも細く短めに切ってあり、大口を開けなくても食べやすい。ここならデートでもイケるはず!今は相手がいないから一人で来ているのだけれども……!
 
阿夫利のラーメンはもちろん美味しいのだけれど、やっぱり横浜に多いこってり系のラーメンも食べてみたい。
 
そこで、だ。
 
横浜のラーメン屋に行くために、彼氏を作ることにした。
 
手段から目的への飛躍がおかしいが、前提には「遅いながらも芽生えた結婚願望を叶えること」もある。
これまで、やりたいことがありすぎて一人でも満喫していたが、コロナ禍で考えが変わったのだ。
 
実力主義の営業会社で稼ぎながら全国を飛び回ってみたり、フリーランスに転向して永住したい街を探す為に海沿いの街を転々とプチ移住してみたりしていた。
けれど最近は、何をしても「一緒に楽しめる人がいるともっと良いだろうな」と強く思うようになってきていたのだ。
ラーメンだって、一緒に食べて「美味しいね」と言い合える人がいる方が、もっと人生が幸せなものになりそうじゃないか。
 
実は、少し前からマッチングアプリを始めていた私は、アプリで知り合った人と一緒にラーメン屋に行こうと計画していた。彼氏もできるし横浜のラーメンも堪能できる。一石二鳥!
ただ、マッチングした人と実際に会うことになっても、いきなり初対面でラーメン屋は(その先の婚活まで考えると)難しいので、ある程度仲良くなってから切り出すことにした。
 
ところがしばらくしてから別の問題に気づく。
付き合うかもしれない人とラーメン屋に行くのは、これまた別の意味でハードルが高いということに。
 
「興味のない女となら、デートでニンニクだって遠慮せずに食べる」
 
人気YouTuber達の恋愛系チャンネルで、1人の男性YouTuberが話していてドキリとした。
少なからずいいなと思っている女性なら、“その後“のことも考えて、臭いや脂のキツい料理は避けるのだそうだ。その意見に、他の男性YouTuber達も首を縦に振っていた。
 
つまり?
気になる男性とラーメン屋に行けたとしても、その時点ですでに“脈なし“かもしれないと言うこと?そんな。
 
ラーメンは楽しんで彼氏は逃して……じゃ、お腹は満たされながらも心にすきま風が吹きそうだ。切ない。そんなラーメン楽しめない。
 
ただ、横浜に越してきて最初にできた元彼は、付き合う前のデートでラーメン屋に連れて行ってくれたことがある。私はラーメンを食べたいとも話していなかったにも関わらず、だ。
 
付き合う前のデートでのラーメン屋(決しておしゃれな店ではない)だったので、内心「脈なしかもな」と思っていたが、その後も繰り返しデートに誘われ告白されている。結局、少し前に別れているのだけれども。
後でわかったのだが、彼は単に自分のお気に入りのラーメン屋を私にも気に入って欲しかったようなのだった。
 
それを考えると、必ずしも「付き合う前のデートでラーメン屋に誘われる=脈なし」とは言えないようだ。
けれど、少なくとも付き合う前の男女のムードを高める場所ではないと思う。
 
そうなると、付き合って打ち解けてからラーメン屋に行くのがベストなのか?いや、もう、恋愛抜きでラーメン友達を探した方が早いのかもしれない……。
こんなことを最近ぐるぐる考えて、未だにラーメン屋に近づけない。そして婚活も難航してきた。やはり変な目的(=ラーメン食べたい)を婚活にくっつけない方がいいのか。
 
ああ、もう。どなたかラーメン好きの方、男性でも女性でも「一緒にラーメンくらい食べに行くよ!むしろラーメン屋巡りしようぜ!」と言う方がいたら連絡下さい。
 
 
 
 
***
 
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2022-09-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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