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英語嫌いが留学?!通訳?!~私の英語ヒストリー~


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記事:あんこ(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「なんで、入試に英語があるのよ!」
高3の私は、焦っていました。数学が得意な完全理系女子だった私の、入試の一番のネックは英語。高3夏のセンター試験模試では、200点満点中なんと80点。どの大学のどの学部を選んだとしても、英語からはほぼ逃げられません。結局のところ、推薦入試を受けることになり、化学と面接だけで大学に合格してしまいました。
元々、英語に興味はありました。小学校4年生の時、面白そうと興味が出て、家の近くで英語を習い始めましたが、数ヶ月で父親の転勤が決まってしまい、そのまま辞めてしまいました。中学入学の時、いよいよ英語に触れられるとうれしかったのですが、実際は文法が苦手すぎて、「英語なんて嫌いだ!」と思うようになりました。しかし唯一、週に1度だけあった英会話の授業は、なぜか楽しく感じ、嫌いではありませんでした。高校時代にオーストラリアへ旅行に行き、海外に興味が出ました。
大学に入学した当初、授業に少し余裕がありました。その暇な時間に何かやりたいと思うようになっていた頃、いつも通る道沿いに英会話スクールができました。英語は苦手だったけれど英会話は嫌いじゃなかったし、海外への興味もあったし、思い切って通うことを決めました。
初めは下から2番目のクラス。一番下のクラスはABCから習うクラスだったので、実質1番下のクラスでした。実際レッスンが始まってみると、これが面白くてたまらないのです。「I like Karaoke!」「Oh! Karaoke!」「I like Tempura!」「I like Tempura, too!」自分が言った一言が、先生に通じている! もうそれだけで、楽しい。今考えると、実際には先生が上手く乗せてくれていたわけですが、それでも先生と話したくて、レッスンに通うのが楽しくて仕方なくて、苦手だったはずの文法も、会話の中で先生と一緒に学んでいくと、するっと頭の中に入ってきました。気がつくと大学を卒業するころには、中上級のクラスに進んでいました。
「私、英語できるかも!」とちょっと調子に乗ってしまった私は、今度は海外に行ってみたくなりました。大学時代に2週間だけオーストラリアに語学研修に参加しましたが、それがまた楽しくて、もっと長期で行ってみたくなったのです。
就職してから3年の月日が流れていました。大学卒業後、医療の専門職に就いた私。先輩達からは、キャリアを止めない方が良いといわれました。留学したい気持ちはあっても、なかなか踏み切れなかった私。思い切って、カウンセラーさんに相談したときに言われた一言。「そんなに思っているなら、飛び込まなくちゃ!行くなら今だよ!」勢いもあって、そのまま申し込み、オーストラリアのメルボルンへ行くことになりました。
最初は3ヶ月の予定でホームステイをしながら、語学学校へ通いました。最初のクラスは、日本人4人と韓国人5人とタイ人3人の中級クラス。自分の国の言葉を教え合ったり、放課後はカフェなどに行って何気ない話をして交流を深めたり、夜は韓国料理屋さんに行ったり、週末はホームパーティーをしたりして、楽しい時間を過ごしていました。国と国同士の深い話もできました。
その後留学を延長して、ケンブリッジ英検のクラスに入りました。そこは、イタリア人、フランス人、スイス人、日本人、韓国人の国際色豊かなクラス。クラスでのディスカッションの活発さに最初は圧倒されつつ、週末はパブに行って、飲んで踊って語り合いの日々。世界の広さを感じました。
オーストラリアの生活がすっかり気に入ってしまった私は、1ヶ月の一時帰国を挟んで、再度メルボルンに留学しました。3ヶ月の進学クラスの後、半年の高齢者ケアの専門学校へ。職業訓練校なので、最初は講義中心ですが、後半は実際に高齢者施設での実習の合間に学校へ通います。高齢者施設では、たくさんの認知症のお年寄りと時間を共にしました。もちろんすべて英語の生活。ただでさえ同僚の英語の聞き取りもたいへんなのに、高齢者の英語の聞き取りは正直、本当に大変でした。そこでは、食事介助、シャワー介助などの介護技術だけではなく、国を超えた人と人とのつながりを学びました。今でも、施設のみんなの笑顔が目に浮かびます。
専門学校を終了し帰国してから、元々の医療職に戻りました。でも、英語を使う機会がない日々。そこで、興味があった、日本に住んでいる外国人をサポートするNPOに入りました。そこで医療通訳に出会いました。日本ではまだまだ認知度が低いですが、欧米では職業として確立しています。NPOで開催していた医療通訳の養成講座に通い、医療英語だけでなく、医療通訳に必要な倫理観や日本に住んでいる外国人の状況なども学びました。そして、HIV無料検診の通訳を何度かさせていただきました。
現在、旦那の転勤などにより、残念ながらNPOからは離れてしまい、医療通訳からも離れてしまいましたが、医療職の仕事を続けている中で自分の英語が患者さんの役に立ったとき、心から良かったと思います。
高校の時に、あまりに悪い英語の点数を取っていた私が、大学時代の英会話スクールをきっかけに通訳までやることになりました。英語は、あくまでコミュニケーションのツールです。怖がることはありません。そして、何事も一歩を踏み出してみることで人生が変わるのだと、心の底から思う私です。
 
 
 
 
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2023-04-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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