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コスパの良い店は、悪い店

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:平野至康(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
知らない町に仕事で行くと困るのが、
どのご飯屋さんに行くべきかというもの。
 
どこにでもあるフランチャイズ店に行くより、せっかくだから、地元のほっこりする店に入りたいと思ってしまうものです。
 
そこで便利なのがインターネットです。
 
知らない土地の店の評価から感想などが徒然と紹介してあるサイトがあり、評価が高いところは予約のとれない人気店だったりします。
 
多くの人がレストランの評価基準として
コストパフォーマンスの良さを重要視する中、
このネットでの評価の高さもコスパの良さがそのまま繁栄されてしまってます。
 
コストパフォーマンスが良い、
すなわち、コスパが良いとは、
何がどのようにいいのでしょうか?
 
そもそもアメリカにて、
金融工学(ファイナンス)やマーケティングなどを大学院にて学んできた専門家の立場からみると、コストが何かを定義していないのにパフォーマンスを評価することなど不可能な話です。
 
コストとは何かをあらわす前に、コスパとして一般的に言われる意味合いをみてみましょう。多くの人が語っているのを調べてみると、レストランの価格帯によって
発言が異なっているのがわかります。
 
A店、B店、C店の価格帯の異なるランチが選ばれる理由をピックアップしてみました。
 
A店のランチセットは800円で安い!!
A店のランチは◯◯が食べ放題!
A店のランチはとにかくお得!
 
B店は、2500円でランチがコースが食べれる!!
B店の、あの量で2500円は安い!!
B店、あの高級食材を使ってて2500円だなんて!!
 
C店の6980円のランチのフルコースは凄い!
C店のランチフルコースは、夜だと15000円してる!
C店のコースは、◯◯シェフ監修なんだって!
 
こういったが発言があると、
多くの人々は、「コスパがいい!」
と、興奮して店に駆けつけるわけです。
 
コスト=費用だから、費用とは、
お財布の中のお金だと考えているのでしょう。
 
ということは、A店の800円のランチには
1000円の価値があり、お財布的に200円得した!
 
B店のランチには、4000円の価値があり、
1500円得をした!
 
C店のランチは、1万円の価値があり、
3020円の得があった!
 
このような得があることを、パフォーマンスが良いと表現しているのかもしれませんが、残念ながら、すべて幻(まぼろし)です。本当にそのような価値があったのなら、店側は大損害で直ぐに閉店してしまいます。
 
一般的に「コスパ」という言葉で使われている「コスト」とは、単なるプライス(価格)のことをいっていて、価格が現実的な価値より安いことはありえないのです。
 
飲食の評価で登場する「コスパ」は、価格のこととして使われているようですが、、、ビジネス的にコストとは、その価格の中にある原材料などのことであるということを知っておくだけで、幻に騙されることなく、素晴らしい店を発見できるはずです。
 
A店のランチが800円ならば、必ずコストは800円以下になるわけで、食材などの原材料のコストは多くて400円少なくて200円と思った方がよいということで、この差額がお得なのかどうかを左右しています。
 
B店のように量が多いから得というのもコストが安いのではなく、コストは同じで、材料が多い分、1つ1つの材料費が安いわけです。何か高級食材を使っているならば、コストのトータルは同じなので、他の材料を安くしているのでしょう。
 
C店のように、夜は高いコース料金なのに昼では安くてコスパがいい場合は簡単です。夜とは違う内容なだけです。
 
A店の話で、材料費が200円ならば、残りの600円は店の利益なのかというと、それも違います。材料費以外のコストとして大きなものとして、場所代としての費用、すなわち家賃と、料理を作ったり運んだりする人への費用、すなわち、人件費があります。
 
夜に高いコースを出すならば、家賃が高い可能性もあります。昼であろうと、夜であろうと、家賃は24時間かかっているので、昼だけ安くすることはできません。そう考えるとコストは高いことになります。
 
有名シェフ監修というのは、人件費が高くなるということですが、有名シェフが自分で作っていないことで人件費を下げているのでしょう。有名シェフが提案するような難しい独特なレシピを再現できるシェフならば、人件費は上がりますし、そうでないならば、普通の料理人でも作れるような内容で監修しているのでしょう。
 
こういったことから、我々がコスパが良いと思っているのはコスト(原材料+家賃+人件費)ではなく、単なるお得感のパフォーマンスなわけです。
 
一般的にコスパがいいと言われる店は全部嘘だと知り、本物のコスト(原材料+家賃+人件費)から判断すれば本当に素晴らしい店を見つけることができるわけです。
 
その店は食材をどこから仕入れているか?
食材を自分たちで処理しているのか?
その店の場所はどこにありますか?
内装に費用がかかっているのか?
スタッフがやたらいるのか?
 
こういった判断基準から考えると、中心地や駅の近くから少し離れて不便で、内装も凝り過ぎてなく、スタッフが少なくて料理が出てくるまで時間がかかるようなサービスで、食材も料理人が自分で仕入れて処理して調理しているような店がコスパ最強なわけです。
 
知らない町で全ての判断をするのは難しいですが、ネットでの書き込みで「サービスが悪い!でも、美味しい!」と書きこまれているならば、行ってみる価値はあるでしょう。
 
新しい基準で外出を楽しんでみてくださいね。
 
 
 
 
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2023-04-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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