自信は持たなくてもいい、でも遠慮はするな
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記事:Natsu(ライティング・ゼミ6月コース)
「自信は持たなくてもいい、でも遠慮はするな」
この言葉は、私が務める某ITコンサル会社の社長(社内では親しみを込めて「亮さん」と呼ばれている)から、直々に頂いた言葉だ。
「自信を持つ」
歌の歌詞なんかにも登場するよく聞く言葉であり、私も周りの友人や家族を鼓舞する時に用いる言葉である。とてもなじみのある言葉だが、この言葉が自分でも知らぬ間に自分を縛っていたなんて、思ってもみなかった。
「自分より出来る人がやればいい。自分が前に立っても何もいいことは起こらない」
さかのぼること9年前。
私は都内の大学の経営学部に通っていた。そこでは大学一年時からリーダーシップを学ぶことを目的に、企業から与えられたお題に対して解決策をプレゼンする「ビジコン」のようなものが毎年開催された。
当時の私は、「やるからには絶対結果を出したい」と気合十分で挑み、それなりに周囲よりも時間をかけて挑んでいた。しかし、初年度の結果は二次審査で落選。
大学2年時に同様に挑むも、これまた二次審査止まり。どうしても全60チーム中のトップの座、お題提出企業の経営層にプレゼンをする切符を手に入れることができなかった。
一体、なぜか。何がうまくいかなかったのだろうか。
色々な理由が考えられたが、その時自分の頭をよぎったのが「大して優秀でもなく、リーダーシップの素質も足りていない自分が、パッションだけを胸に先頭を突っ走っていたからなのでは……」という仮説だった。
若かりし頃の自分は、自信をなくしたことと引き換えに「遠慮すること」を手に入れた。
他にも、自信をなくしたエピソードを上げればきりがない。中でも、スウェーデン留学中、大学院の授業で内容についていけず、グループディスカッションが途中から英語からスウェーデン語に切り替えられ、雨の中泣きながら帰ったことは今でも鮮明に覚えている。
時は戻り、2023年6月23日。
私が所属する会社で、プロジェクトワークを通して、多くの壁にぶつかりながら前に進んできた。数をこなせば、多くの知識を獲得すれば、自信がつくと思っていた。現実は違った。自信はつくどころか、常に不安と「これでいいのか」という疑念と隣り合わせで歩んできた。
「お客さんから高いお金を頂いている分、きちんと価値を発揮しなければ……」
そう、コンサルワークはお客様から毎月とんでもなく高いお金をいただいているのである。私みたいなひよっこコンサル3年目では、1人で価値を出すことができず、先輩の力を借りながらなんとか成り立っているようなものである。
「1日でも早く先輩の力を借りずして、1人で価値を出せるようにならないと……」
そう強く思えば思うほど、身動きが取れなく自分がいた。そう、怖くて動けないのである。ひどい時には夢の中に1週間毎日上司が出てきて、朝起きた時に自分が現実世界にいるのか夢の世界にいるのかわからない、なんてこともあった。
冒頭で紹介した亮さんは、入社すぐに配属されたプロジェクトから今に至るまで、ずっと一緒に仕事をしてきた。そんな亮さんには恐らく私の自信の無さとそれゆえに生まれる遠慮が、全てありありと映っていたのだろう。
四半期に一度の人事評価のタイミングで、亮さんは私の話に耳を傾けながら「遠慮しなくていい」と言ってくれた。そして「自分だって、これまで一度も100%の自信を持ってお客さんの会議に参加したことなんてない。むしろ、自信なんて持たなくてもいい。慢心に繋がるから」と付け加えた。
「そうか、遠慮しなくていいのか。自信がないまま進んでいいのか」
なんて事ない気づきだったが、その時自分が抱えていたモヤモヤを全て吹き飛ばしてくれた。仕事だけでなく、恐らくプライベートでも無自覚で遠慮するという行動をとっていたのだろう。それがもし1年、3年、10年と続いていたら……。自分の人生に天と地ほどの差が生まれていたと思うとゾッとする。
とはいえ、人は簡単に変われるものでもなく、きっとこれからも「自信がないから……」と呟いてしまう自分はいるだろう。それでも、私は堂々とバッターボックスに立ちたい。そしてどうせならフルスイングをしたい。最初は空振り三振でもいい。上手くできなくてもいい。出来ないのに出来ているように見せようとしなくていい。見栄を張らなくていい。
「自信がついたら、やろう」と言っているうちに、きっと人生はあっという間に過ぎ去ってしまう。「まあ、取り敢えずやってみなはれ」を合言葉に、辛いことは全部ネタにする気概で、楽しみながら人生を歩みたいものである。
***
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