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もう一生このままだと思っていた私の一部


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記事:高橋琴(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
正直、諦めていたんです。
 
中学2年生の時に手術して以来、30年近く不恰好なままでしたし、医者にも「これは仕方がないよ」と言われてしまっていたのです。
 
「私は、このまま生きていくんだ」と割り切りつつ、手術しなければもっとひどいことになっていた、と思いつつ、やっぱりどこかで、「なぜ?」という気持ちが拭い去れない。
 
そんな長年の葛藤が、たった1時間で覆されたのは、今年の5月の話でした。
 
そもそも、一体何の話だ? と思ったかもしれません。
 
すみません。重大な病気、とかではなく、私の左足親指の爪の話です。
 
私は、中学2年生の時に、「外骨腫(がいこつしゅ)」という、骨に発生する良性の腫瘍が見つかり、左足の親指の骨を手術しています。
 
その際、手術の時の邪魔な爪を一旦取り除いた影響で、この指の爪だけが、まっすぐ生えなくなってしまいました。
 
とはいっても、爪の根元は成長を続けているため、親指の真ん中で堰き止められた爪は、厚さばかりを増していき、とても不恰好な状態なのです、
 
くつの内側にあたると痛いし、無理に厚くなった爪を削ると出血するし。
 
このままじゃ嫌だなぁと思って、整形外科でレントゲンを撮ってもらったこともありました。
 
「何か、キレイな爪にできる解決策があるかもしれない」
そう思ったのも束の間、「これは、仕方ないんだよねぇ」という医師の一言で、脆くも打ち砕かれました。
 
手術をした影響で、普通は平な親指の骨に段差ができてしまい、その段差のせいで爪がまっすぐに生えないのだ、と説明を受けたのです。
 
この時から私は、「一生、この不恰好で、めんどくさい爪と、付き合っていかなくてはならないのか」と、諦めるようになったのです。
 
ところが、今年5月。
 
大阪で巻き爪ケアのサロンをしている友人に、私の爪を診てもらう機会がありました。
 
一通り、私の爪事情を聞いたあと、彼が言った一言に、私は衝撃を受けたのです。
 
「たぶん、良くなりますよ」
 
「え? でも、整形外科の先生にも、仕方がないって言われたのに……」
 
「うん。でも、良くなると思います」
 
その後、彼が話した内容は、整形外科の先生が言っていたこととは、真逆の話でした。
 
要するに、骨に段差があっても、爪はまっすぐに伸びるはずだ、と言うのです。
 
ただ、私の爪の場合、手術の影響で、極端な深爪状態を長年続けていたので、正常な爪に戻るまでには、ある程度の時間がかかりそう、とのことでした。
 
「時間がかかる」と少し言いにくそうにしていた彼の言葉でしたが、私にとっては、希望の光そのものでした。
 
「普通の爪に戻るかもしれない!」
 
ずっとずっと気になっていたけど、諦めるしかなく、でも自分の足元を見るたびに、「何とかならないのかなぁ」とモヤモヤしていた気持ちが、やっと晴れるかもしれない!
 
そう思うと、あれだけ見るのが嫌だった左足の親指も、なんだか可愛く見えてきます。
 
彼から聞いた日々の爪のお手入れ方法で、自宅に帰ってからも、慣れない手つきで爪のケアを怠りませんでした。
 
先日、2か月ぶりに彼と会い、前回からの経過を診てもらうと、「だいぶ可愛らしくなってきましたね」と嬉しい反応。
 
確かに自分でも「あれだけ、どうにもならない! と思っていたのに、今は形はちょっと変だけど、以前の不恰好さは薄れてきたよなぁ」と感じています。
 
「変わらない!」と諦めていた自分の体が、しっかり変化している様子を目の当たりにして、やっぱり専門家に聞くって大事だな! と思いました。
 
彼いわく「巻き爪は、生活習慣病」なのだそうです。
 
私の場合は手術の影響でしたが、その後の生活が関係して、キレイな爪が伸びなくなっていました。
 
が、生活習慣病ということは、習慣を変えれば、爪の形も変わるということです。
 
この話を聞く機会がなければ、私自身、やっぱり自分の爪を嫌いなまま、生きていたかな? と思います。
 
嫌いなものを嫌いなまま生きるって、とても辛い。
 
それを毎日見続けなきゃいけないことも、とても辛いです。
 
でも、それをどうにかできる方法、違う見方をさせてくれる知識は、実は意外に身近にあるのだと気づきました。
 
やっぱり、嫌なものは嫌! と諦めずに、どうにかできる方法を、いくらでも探したらいいのかな? と思います。
 
私はありがたいことに、友人に専門家がいて、希望を見出すことができました。
 
恥ずかしがらずに、私の話を聞いてもらってよかった!
 
諦めずに話してよかった!
 
何があっても「私を諦めない」って、こういう些細な1歩から変わるのだと実感した出来事でした。
 
 
 
 
***
 
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2023-07-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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