メディアグランプリ

ハビットトラッカーの魔法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:島原 美鳥(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
「世の中には魔法なんてものはなくて、結局自分が苦労してやらなければ何も変わらない。」
 
私が、そう気づいたのは中学校3年生の時。
たくさん勉強をしなければ受からない高校に入りたいと思っていながら、自分の思うようにできず、グズグズしていた時期だった。
 
勉強の方法が書かれた本を何冊か読んだ。エリート受験生の気分にはなるが、それで勉強をした気分になって終わった。
何かを達成したらご褒美を自分に与える人参作戦も、いろんな言い訳を作り出しては達成する前にゲットしていた。
友だちと目標を宣言して、そのプレッシャーで勉強をする。しかし、類は友を呼ぶ。似た者同士で宣言し合ったため、いつの間にか目標自体が消えていた。
 
「自分で行動しないとどうしようもない」と気づいて以来、あれこれ試してみた。しかし、理想の自分には近づけなかった。それどころか大学受験でも、大学の卒論でも先延ばし癖を爆発させ、ギリギリの限界まで自分を追い込んでやっと実行にこぎつける有様だった。
 
万事休す。私の人生はこんなものなのか。
 
人生で何度目かにそう思ったとき、出会ったのが「ハビットトラッカー」だった。
 
ハビットトラッカーとは文字通り、ハビット(習慣)をトラック(足跡を追う)するための道具である。作り方はいろいろあるが、日付と毎日したい習慣を書いて、できた日に印を付けていくものである。今では、ハビットトラッカー専用のノートもできていたりして、人気の自己管理ツールとなっている。
 
私が始めたきっかけは、Habit Trackerという素敵なレタリングとかわいい模様を再び見つけたことだった。なんとなく「真似してみよう」となった。
 
正直、その中身までは真似する気はなかったのだが、毎日したいことを書きだすと、なんだか面白くなってきた。
 
最初に書いたのは、読書。毎日読書する人は素敵だよね。
 
そして、運動。運動を習慣にしている人は素敵だ。
 
その後も、お弁当やマイボトル、朝ご飯、とその時の自分にはできていなかったことを、お弁当箱におかずを詰めるように書いていった。
 
最初はこの5つくらいだったと思う。25日分の日付も書いて、のろのろとスタートした。
 
続かないとは思っていなかったが、続くとも思っていなかった。
ところが、あっさりと最初の25日間、継続することができた。3日坊主を大幅に更新である。この達成感が何よりのご褒美だった。
 
途中から2分間の瞑想やコロナの頃だったので体温測定などが加わったり、日記を書くことが消えて行ったりと、ハビットはあれこれ試して、徐々に自分に合うものになっていった。
 
200日を越えた頃、私生活の充実感が3レベルくらい上がった気がした。
1ページ25日を終えて次のページを作るごとに幸運のチャームが書かれたシールを貼って、おまじない感もばっちりである。こんなに簡単にやりたいことができるようになるなんて、まるで魔法みたいだ。
 
でも、このハビットトラッカーの魔法が一番効いたのは、「暮らし」の方ではなく、肩に力が入って生活していた自分の心だった。
 
ここまで書いてきて驚かれるかもしれないが、私のハビットトラッカーは空白が多い。つまり、実行できていないことが少なからずあるということである。
 
例えば土曜日。平日頑張って働いた反動か、できないことが多くなる。
仕事で忙しく、出勤時間が早く、帰宅時間が遅くなる期間は達成できていないことを示す白い四角が増える。
さらに生理前になると、色がついたのは2,3個のときもある。
 
それらの自分の状態を可視化したことで、自分の傾向を知ることができるようになった。
また、1日に絶対1つは出来た印が付くから、「全く駄目な自分」を感じず、何かしら「継続できている自分」を見出すことができた。
 
そう、できない自分を自然と受け入れることができるようになったのだ。
 
残念ながら300日をちょうど達成したところで、私の第1次ハビットトラッカーは終わりを迎えてしまった。ハビットトラッカーがなくても、基本的な部分は理想が実現できるようになっていたことと同時に理想が増えすぎて、手に負えなくなってきていた部分があったことが原因だった。
 
そしてその後、生活が、心が荒む度に第2次、第3次と期間限定ハビットトラッカーを作ってきた。
 
過去のノートを見返してみると、その時その時で「こうありたい」と思う自分が少しずつ違っていて面白い。まるでタイムトラベルしているみたいで楽しい。これも素敵な魔法だと思う理由である。日記みたいに負の感情を思い出して、苦しくなったりしない。
 
ここまで読んでもらって、もしかして「自分もやってみようかな」と思った人がいるかもしれない。
 
最後に、魔法のハビットトラッカーを続けるたった1つの魔法をしたい。
 
達成できることを書くことだ。
毎日2,000字のエッセイを書くことはすごく大変だ。
でも、ネタになりそうなキーワードを自分の人生をスマホにメモすることはできる。
 
明日の準備もハードルが高い。
でも、明日のハンカチを準備するのはどうだろう。
 
「世の中には魔法なんてものはなくて、結局自分がやらなければ何も変わらない。」
 
そう思っていたあの時の自分へ伝えたい。
 
確かにそうかもしれない。でも、いろいろと試行錯誤して「自分らしさ」を調整していくことこそが、自分をよくしていく魔法なのだということを。
 
そして、8年後にそれを叶えてくれたのがハビットトラッカーだということも。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2023-07-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事