「10年メモ」という日記帳をつけてみて気付いたこと
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:カナコ(ライティング・ゼミ8月コース)
私は日記を書くのが苦手だった。
「三日坊主」という言葉があるが、とにかく続かなかった。
日記の書き方には、いろいろある。
その日に起きたことを時系列に書く。
特に心に残ったことだけに焦点を当てて書く。
感謝したことを書く。
反省と改善点を書く。上手くいったことを書く。
一行だけ書く。
様々な書き方を試してみたが、どれも上手くいかず1ヶ月と続かなかった。
それに飽き性も相まって、結局使わなくなった日記帳は何冊あっただろう。
日記を書かなくなってしばらくたった頃、本屋で、ある日記帳に出会った。
それは、「10年メモ」というものだった。
その日記帳が普通の日記帳と大きく違うところは、1メージに同じ日のメモが10年分一覧で見られるという点である。
要するに、去年の今日何をしていたかが一目瞭然となるのだ。
その日記をつけ始める時、同時に写真プリントシール機を購入し、日々の夕食を写真に取って小さなシールにし、各行の最後に貼るようにした。
すると、どうだろう。あんなに日記が続かなかった私が、頑張って作った料理が日々の日記の中に残るというオプションを付けただけで、書き続けられたのである。
2年目までは、そのモチベーションで何とか書き続けられた。
そして、3年目に入って何ヶ月か経った頃、あることに気付いた。
自分が季節ごとに体調を崩すパターンが決まっていること。
夫のストレスが溜まりやすい時期があり、釣りの回数が増えること。
プライベートでの友人との過ごし方に波があり、それが自分のメンタルの波と一致しているということ。
職場の同僚の感情の起伏にも、ある一定のパターンがあること。
学校で教師として関わっている子どもたちのちょっとした変化に気付きやすくなったこと。また、成長に目が留まりやすくなったこと。課題については、長い目で見ていこうと余裕をもてるようになったこと。
上記のように、あげればきりがないが、自分の生活を年単位で俯瞰する習慣がついたことが大きな恩恵である。
例えば、自分の体調のことに関して言えば、春一番が吹く一週間程前に、頭痛と喉の痛みが強くなる。花粉のアレルギー症状である。それに気付いてから、早めに病院に行き対策をすることで仕事への支障が格段に減った。
また、夫の仕事の性質上、夏前に大きな波が来て、ストレスフルになることが分かってきた。そのパターンを掴んでからは、6月頃から夫への労りの言葉を掛けるよう意識し、反応が冷たくなっても、きっと心に余裕がなくなっているからだと一旦受け止め、そっとしておくようにしたことで、無駄な夫婦喧嘩が減った。
そして、職場の同僚でネガティブな感情を直接ぶつけてくる苦手な人がいた。その人は、決まって10月の管理職面談の後に感情の波が大きくなり、その溢れたネガティブな気持ちを周りの人間にぶつけてくることが分かった。他人の感情の起伏は、こちらではどうしようもないことなので、なるべく関わらないようにするという対応でなんとかやり過ごしている。
さらに、学校で関わっている子どもたちの成長を掴みやすくなったことは、仕事上で一番大きな変化だと思う。日々、子どもたちと関わっていると、成長に目を向けようと思っても、つい課題ばかりが気になってしまい、課題を改善するにはどうしたらよいかに焦点を当てて、お互いに苦しくなってしまう場面がある。そんな時には、去年の姿はどうだっただろう、一昨年の姿は… と振り返ることで、大きく成長している面があることに気付け、子どもへの温かな眼差しを取り戻すきっかけとなっている。
日記をつける前までの私は、小さなことで悩んだり、人間関係や仕事で上手くいかないことが続くとパニックになったりして、自暴自棄に陥ることがしばしばあった。
しかし、10年メモを付けるようになってから、少し距離を取って自分の生活と向き合うことができ、それが感情の安定にも繋がっているように感じる。
自分の生活を俯瞰する癖がつくと、新たな目標や向かうべき道へ意識が強くなってくる。
同じ日々の繰り返しの中での小さな変化や違和感は、そのことに対して何かしらの注意を向けているということであり、自分では分からない深層心理が働いているサインでもある。
人生の中の35歳という区切り年に、今後の5年後10年後をどう生きていきたいかを考える時、現実から大きくかけ離れた未来を想像するのではなく、今この瞬間に感じていることにじっくりと目を向け、自分が何に興味をもっているのかを考える。
きっとその繰り返しが、大切な布石となって、将来何かしらの結果として現れるのだろう。
その一つのアイテムとして、10年メモは私には手放せない日記帳なのである。
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