メディアグランプリ

眠りたい私


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記事:亀子美穂(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
最近ちゃんと眠れていない気がする。
 
夜中に目が覚める。
「え? まだ2時?」
別にトイレに行きたいわけじゃないけれど、せっかく目が覚めたのに何もしないのは癪なので、起き上がってトイレに行く。
 
貴重な睡眠時間を使ってしまった。
 
トイレから戻って布団に入る。
なかなか寝付けない。
何度も寝返りをうつ。
羊を数えてみる。
深い呼吸をしてみる。
そうこうしているうちに、いつしか再び眠りに落ちている。
しかしそんな眠りも、そんなに長くは続かない。
朝、目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。
目覚ましが鳴る前に起きてしまうと、何か損をした気がしてしまう。
 
何でも年齢のせいにするのはよくないけれど、4、5年前まではこんなことはなかった。世の中には夜が苦手な人と朝が苦手な人がいるけれど、私は間違いなく後者だった。20代、30代の頃は、夜いつまででも起きていられた。40代、50代前半はさすがに徹夜はできなくなったけど、深夜のテレビを見たり、遅くまでゲームをしたりしてもへっちゃらだった。
そして、一旦横になったらすぐに眠りに落ちて、朝、目覚まし時計に起こされるまで目覚めることはなかった。むしろ、目覚まし時計を何個もかけても眠くて起きられないくらいだった。典型的な夜型人間。
 
そんな私がなぜ夜中に目が覚めるようになったのだろう?
なぜ目覚まし時計無しでも目が覚めるのだろう?
 
確かに年齢とともに、眠りは浅くなっていくものらしい。
老人は早寝早起きと相場が決まっている。
私も最近は夜中の1時を過ぎるとさすがに眠くなってくる。
しかし、何時に寝ても2時ぐらいに目が覚める。
朝、6時にセットされた目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。
やっぱり何かおかしいのではないか?
 
世間的にも、睡眠に悩む人は多いようだ。
睡眠に関する様々な商品が売られている。
安眠できる枕。オーダーメイドで自分の首や頭に合わせた枕を作ってくれるサービスもあるらしい。
適度に反発力のあるマットレス。体が楽な状態に保たれ、寝ている間に最大限の疲労回復が見込まれるらしい。
よく眠るためのサプリ。
ストレスを緩和し、良い睡眠をサポートするとうたった乳酸菌飲料は爆売れし、スーパーで売り切れ続出だった。
起きている間の疲労を軽減して元気に活動するための物だった栄養ドリンクにも、寝ている間に疲労回復して朝すっきりするという物があらわれ、最近はよい睡眠をサポートするための物まで出てきている。
みんな睡眠に悩んでいるのだ。
 
私も御多分に漏れず、それらを試してみた。
オーダーメイドではないけれど、安眠できるという枕を買った。
毎日、寝る前に、良く眠れるというサプリと乳酸菌飲料を飲む。
さらに、寝ている間に訊くというドリンクも飲んでいる。
どれも効いているような、いないような感じ。
水分をたくさん取っている分、夜中にトイレに行きたくなる確率も高くなってしまっている。
この状態は決して満足のいくものではない。
しかし、一度試してしまうと、飲まない状態の自分が想像できなくなってしまい、これを辞めたら逆に眠れなくなってしまうのではないかという不安に駆られてしまい、やめられなくなってしまっている。
 
誰もが必ず行っている「睡眠」という行動。
当たり前に行っているのに、こんなにわからないことが多い。
 
本やネットの情報によると、睡眠時間が6時間未満の人は、睡眠時間がそれ以上の人に比べて、認知症になる確率も、癌になる確率も、脳卒中になる確率も高いらしい。
いくつになっても健康でいたい。
これは人類共通の願いではないだろうか。
 
最近は、ただ寝るというだけではなく、「睡眠の質」も問題になっている。
ただ、長く寝ればいいというわけではないらしい。
 
枕元にスマホを置いて寝ると、寝ている間の動きとかいびきなんかを察知して、すやすやとかぐっすりとか判定してくれるアプリがある。
そんなアプリの中には眠りに応じてモンスターを育成したり、捕獲したりするゲーム性のあるものもあり、全世界で累計2000万ダウンロードを記録しているらしい。
私もそんなスマホのアプリを入れてみた。判定のしくみは今一つわからないのだけど、朝目覚めてスマホを見ると、深い眠りの状態が何分とか浅い眠りがどれくらい続いたかなどがグラフになっていて、何か分かった気がする。
どうせなら、いい睡眠をとりたい。
ただ、どういう状態がいい睡眠なのか、グラフを見ただけではわからなかった。そして、わかったところで、どうしたらいい睡眠に寝られるのか、寝方がわからないのだ。
 
ふと、私が夜中に目覚めたり、目覚まし時計の前に目覚めたりするようになったのは、その睡眠のアプリを入れた頃からだと気が付いた。
いい睡眠は大切かもしれない。でも、それを求めるあまり、アプリの計測状況が気になってちゃんと眠れていないのかもしれないと思いついた。
よく眠るためのアプリが気になって眠れなくなったら本末転倒だ。
 
結局、あまり色々考えず、頭の中を空っぽにできたら、それが一番いいのかもしれない。夜中に起きても、朝早く目覚めても、それまでちゃんと眠っていたことには変わりないのだから。
 
 
 
 
***
 
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2024-07-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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