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ライティングゼミでお肉をおいしく食べよう


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴木(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 

約4か月のライティングゼミが終わった。
仕事につながる資格試験に合格したとか、テストの点数が30点上がったとか、そういう目に見える成果があるわけではないけど、自分なりに得るものはあったと思う。
そんなことについて書いていこうと思う。
 

それにしても、私は、つくづくライティングゼミとは縁がなかった。
 

ある日、講師の方や受講者のみなさんに会ってみたいなと思って、現地でライティングゼミを受講するために2時間半かけて渋谷に向かっていると、途中の駅で電車が1時間遅延。
開始時刻に間に合わず、今まで下りたこともないその駅で下車して、カフェを探してコーヒーを飲みながら課題を書いて帰宅した。
 

またある時は、「電車が遅延しても大丈夫なように」と早めに東京へ行ってカフェなどを楽しんでいる間に、開始時刻を30分遅く勘違いしていて間に合わず。
ライティングゼミが行われている横でカフェスペースにて課題を書く、という拷問を受けることを自ら選択した。
暑い夏の日で、チキンカレーはおいしかった。
 

そしてそれ以来、現地で受講するのはあきらめた。
 

それでも、オンラインでの講義受講や、課題提出などを通して、おもしろい気付きや学びがあった。
 

それは、日常をネタにできるのはおいしい、ということだ。
生肉を食べればお腹を壊すが、加熱して正しく調理すると、おいしく食べられる。
なんなら、他の人と一緒にバーベキューをして、わいわい言いながら楽しく食べることだってできるのだ。
 

私は、人から言われた嫌な言葉をネタにした原稿を提出したことがある。
もしもライティングゼミでネタにしなければ、あの人に言われたあの言葉は、今頃私の中で腐って嫌なにおいを放ち、もしかすると本人に届けてしまっていたかもしれない。
 

私は、その言葉に関するエピソードをおもしろいネタにするために、いろいろな方面からその出来事について考え直すことになった。
私は正直傷ついていたし、「あの人の頭の中はどうなっているんだ?」と不信感を抱かずにはいられなかった。
しかし、その恨みつらみを書き連ねてネガティブだけで終わる文章なんて、読みたい人はいないだろう。
圧倒的にリーダビリティの低い文章になってしまうことは目に見えている。
 

それならばと、何か自分なりの気付きや学びにつなげられないだろうか、そしてそれを読んだ人がちょっとは学びになることがないだろうか、と考え始めていた。
そうして考えている内にその出来事は嫌な気持ちを生むだけのものではなくなっていき、相手の側に立って「あの人の頭の中ってもしかしてこういうことなのかも?」という考えにたどり着いていた。
 

自分にとっては傷つく言葉でもそれを言った側の相手にとっては大したことではないし、その言葉を引き出してしまう出来事を起こしたのは自分であって、まずはその出来事自体にその人が傷ついたがために、私に攻撃的な発言をしたということが考えられた。
だからといってその出来事が消えるわけではないし、全然許してはいない。
「嫌なこと言われた!」だけで終わるのが悔しいから、どうにかひねり出した部分もある。
 

しかし、こうしてどうにかライティングゼミの原稿として出来上がった時には、その人への感情は少し落ち着いていて、「ネタを提供してくれてありがとう」と言えるぐらいの余裕が生まれる。
もちろんそんな余裕がない時もあって、うまく調理ができていない原稿は、今も私のパソコンの中でくすぶっていて、生焼けの状態で待機している。
 

そして、ライティングゼミでは、出来上がった原稿を、人に読んでもらうことができる。
自分で書き終えるだけでも多少の達成感を得られるが、それを利害関係のない第三者が読んでくれて、内容としておもしろいかどうかを判断してくれるのだ。
 

知人同士で人から傷つく言葉を言われたエピソードについて話すと、それはどう頑張ってもグチになってしまう。
それでもどうしても発散しないと気が済まないことは誰にでもあると思うのだが、知っている人どうしでグチを発散すると、自分自身への評価や、そこでの人間関係に影響を及ぼす危険性がある。
 

しかしライティングゼミに提出した先で行われるのは、シンプルに文章がおもしろいかどうか、という観点でのフィードバックである。
さらに、それを行うのは、私に対して何の感情も利害関係もない赤の他人だ。
ここでもらったフィードバックが、ほめ言葉であろうと、改善点であろうと「人に言われた嫌な言葉」は、一つのエピソードとして扱われる。
変な感情がのっていない、ひとりの受講生が書いた、ただの原稿のできあがりだ。
 

こうして、そのまま食べたらお腹を壊すはずだった言葉は自分のもとを離れて、バーベキューに並べて誰もが食べられる原稿になる。
 

そういえば、あの暑い日に天狼院書店のカフェで食べたチキンカレーのお肉は、これだったのかもしれない。
正しく調理されたであろうお肉は、とてもおいしかった。
 

おいしく食べるかどうかは、自分次第だ。

 
 
 
 
***
 
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2024-10-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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