「自分は下手だ」と思う時こそ成長の瞬間!
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:村川久夢(ライティング・ゼミ9月コース)
あなたは「なんて下手なんだろう?」と自分の未熟さに打ちのめされたことがありますか?
「自分は下手だ!」と思う時こそ上達の時――靴職人だった祖父はそうよく語りました。私は、この言葉を幾度も心の支えにしてきました。
私の祖父は、職人さんを何人か抱えている親方でもありました。祖父は若い職人たちにも同じことばをかけ続けました。彼らが技術を磨く過程で何度も壁にぶつかり、それを乗り越えた時こそが成長の瞬間だと、祖父は知っていたのでしょう。
技量が上がると、自分の技量を客観的に見る力が生まれ、自分の至らないところが目につくようになるのです。
「下手だ!」と思った瞬間に投げ出してしまえば、進歩はそこで止まってしまう。でも、試行錯誤を続けていくと、ある時、ぱ~んと弾けるように上達する瞬間がやってくる――祖父はそう言っていました。
私は祖父のことばを証明するような経験をしたことがあったのです。私は4年間、ボイストレーニングに通っていました。初めてのレッスンでは、音程もリズムもばらばらで、自分の未熟さに愕然としたのでした。
でも、プロの指導で基本を習い、お腹から響くしっかりした声で歌えるようになったのです。次第に私は「人前で歌いたい」と思うようになりました。
ついに、スクールのライブに出演することになったのです。ライブ当日は、とても気持ちよく歌えたので「上達した!」と感じたのでした。
ところが、後になってスクールライブの録画を見て、自分の歌の下手さに打ちのめされました。特にリズムがなってないのです。
「よくこの下手な歌を人前で歌ったな!」と思い冷や汗が出ました。
自分の下手さに落胆して、先生にそのことを話したのです。すると先生は、「それはあなたが、それだけ上達したということですよ。自分の歌を客観的に見る力がついたのです」と言われました。
「『どう? 私、上手いでしょ!』と思っていては成長がないわ。『なんて下手なんだろう……。もっと上手になりたい!』と思って一生懸命に練習するからこそ上達するのよ」と先生は優しく言いました。祖父と同じことを言われたのでした。
ちょうどその頃、「ブッキングライブに出ませんか?」と声をかけてもらったのです。自分の下手さに落ち込んでいた私は、迷いましたが、出演することを決意したのです。
先生に教わったリズム感を養う方法で、毎日必死に練習しました。少しずつ改善されましたが、ぎこちなさが残っていたのです。
ブッキングライブ当日、どれだけ重ねてもなかなか掴めなかったリズムが、突然しっくりと自分の中に響いたのです。
舞台に立つと、観客の視線がこちらに注がれているのを感じ、緊張がピークに達しました。それでも、これまでの練習の日々が私の背中を押してくれている気がしました。
イントロが始まると、体が自然にリズムを刻み、歌い出すとまるで別の自分がそこにいるような気持ちよさでした。
「今、リズムに乗れている!」と体全体で感じたのです。
どれだけ練習してもぎこちなさが残る中で、試行錯誤を重ね、この日ようやくリズムに乗れる瞬間がやってきたのです。
ライブ後、「リズムに乗って気持ちよく歌ってましたね。私まで体を動かしてました!」と観客の一人が言ってくれたのでした。努力が報われたのです。
「自分は下手だ!」と思う時は上達する時、このことは製靴技術やボイトレだけでなく、物事の上達全般に言えることです。
たとえば、自転車に乗る練習を始めた頃、補助輪がないとグラグラして、全然乗れませんでしたよね? ペダルが急に軽くなり、まるで風に押されるようにすいすいと進む――あの瞬間は、誰もが忘れられない喜びです。
他には、英語の聞き取りが苦手で、テレビのニュースなどで流れてくるネイティブスピーカーの英語は、全然、聞き取れない。
でも、毎日、聞き取り練習をしていると、ある時、今まで聞き取れなかった英語のニュースが、突然、クリアに聞き取れるようになったとか!
もし、あなたが自分の技量を「未熟だ!」「下手だ!」と感じる時は、視点を変えてみてください。あなたは、今、技術が伸びて成長する時なのです。
だから、嫌になってしまわないで、「どうしたら上達できるか」を試行錯誤して下さい。ある時、目の前が急に明るくなったように、できなかったことができるようになるのです。
たとえ今、自分がどれほど未熟だと感じても、その先には必ず成長の瞬間が待っています。小さな一歩でも、試行錯誤を重ねることで、確かな進歩が見えてくるはずです。
今の未熟さに負けず、信じて挑戦し続けましょう。成長の瞬間は、もうあなたのすぐそばに。信じて、もう一歩踏み出しましょう。
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