運動音痴さんはどうしている？
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記事：かのん（ライティング・ゼミ9月コース）
「健康は大事だよね」「また元気で会おうね」
同世代の友人との会話には「健康」「元気」というワードが入るようになった。
若い時はあまり意識しなかった健康も、体力が落ち、免疫力が低下し、体重が増えてくると気を遣うようになる。検査嫌いだった私も、人間ドックを受けている。
また、最近、健康のために運動を始めたという話をよく聞く。「ジムに通い始めたの。週に2回は行っている」「水泳は関節に負担がかからないし、泳ぐと気持ち良いよ」等、情報交換をしている人が増えた。マラソンを始めて、42.195kmを完走できるようになった知人もいる。
みんな、なんて前向きなの！ そのエネルギーがあれば、充分、健康だよ！
そんなことを思いながら、自分の行動を振り返ってみた。
私は、時々、散歩をするくらいである。ウォーキングではなく散歩である。
お天気が良い休日に、行先を決めず、目的も持たず、気の向くまま歩くだけ。面白そうなお店があると寄り道をする。散歩は何度も中断してしまい、運動しているとは、到底、言えない。
私は運動音痴だしね。運動神経が良い人とは人種が違うのよ。と開き直っていた。
あの日までは……。
階段からすごい勢いで落ちた。その日は激痛でほとんど眠れなかった。
診断の結果は、左手首骨折と数か所の打撲。人生初めての骨折。2か月ほどギブスで固定して過ごすことになった。
歳をとって、バランスが悪くなったかな。治ったら、体幹を鍛えないといけないかな。そう思いながら、何もしないまま2年が経った。
そして、また骨折した。今度は、利き手である右手首骨折。私は、2年の間に、両手首を骨折してしまった。
それも、2度目の骨折は、複雑骨折なので手術をすることになり、術後のリハビリも長引き、辛い日々となった。
骨折、もう嫌だ！
心底思った。今度こそ、身体を鍛える決心をした。
が。私は運動音痴なのである。それも、かなり重症な運動音痴だ。
小学校での体育の授業は最悪。水泳も逆上がりもマット運動もなんとか出来るようになったのはクラスで最後。走るのも遅い。ドッチボールは最初に当てられてしまう。そんな子だった。言うまでもなく、中学、高校、大学と体育の授業はいつも苦痛だった。
こんな私が、運動を続けられるのか。かなり疑問である。
そこで、まずは、友人の勧めで、ストレッチやマッサージ等の身体のメンテナンスから始めることにした。「身体の力を抜いてください」と言われても、どう抜いたらいいかわからない。そんな始まりだった。
マンツーマンなのでサボることはできない。なんとか続けていくうちに、力も抜けるようになってきたが、果たして、運動をしていると言えるのか？
そして、もうひとつ気になるのは体重の増加だ。今や、人生最大重量になってしまった。
ジムに通ってみようかと、コンビニ的なジムを調べてみたが、ジム器具の取り扱いがわからない。私には無理だと断念。
水泳も、スイミングウエアが着られる体型じゃないと、姿見を見ながら断念。
運動音痴を理由に運動から逃げていた。若いうちから、少しでも身体を動かしておけばよかった。と反省しても、後の祭りである。
諦めかけていた頃に、ピラティスのちらしが入った。自宅の近くに、ピラティスのスタジオがあることは知っていたが、ピラティスとヨガの違いもわからない私には無縁だと思い込んでいた。いつもだったら、すぐに捨ててしまうちらしも、この時は、なぜか捨てられなかった。
そして、毎週、身体のメンテナンスをお願いしているインストラクターに相談してみた。「ピラティスってどうなのでしょう？」
「ジムよりあっていると思いますよ。体験レッスンを受けてみたらどうですか？」
私の身体の状態を知っている人がそう言うのだからと、勇気を出して申し込んでみた。
ピラティスは、姿勢改善、インナーマッスルの強化、免疫力のアップ、ストレスの解消、睡眠の質の向上の効果があるそうだ。
ふーん、肥満解消は入っていないのか。でも、歳をとってもきれいな姿勢っていいよね。免疫力もつけたい。睡眠の質も良くなりたいなぁ。と、その気になってきた。
レッスン料は高いけれど、プライベートで受けることにした。グループレッスンを見学させてもらったが、私にはついていけないと悟ったからだ。
自分の健康のための投資は大事だ。と決心した。
プライベートレッスンは、私の年齢や運動音痴歴にあわせて、丁寧にゆっくりと教えてくれるし、前回より少しでも出来るようになると、すごく褒めてくれる。軽い筋肉痛もあって運動している気分になれる。
ピラティスを始めて3か月半ほど。15回ほど通ったことになる。料金もそれなりにするので無駄にしたくないし、キャンセルするのも面倒だし。というネガティブな理由も多少はあるが、今のところ、続いている。
次回の人間ドックまでに体重を落としたいが、今のところ、体重は行ったり来たり。
でも、身体のメンテナンスをしてもらっている人に、「ピラティスを始めてから、肩回りや股関節の可動域が広がってきていますね」と言ってもらえた。
レッスンも少しずつだが楽しみになってきた。姿勢も意識するようになった。私にはあっていたようだ。
「身体を動かすと気持ち良い」と、皆が言っていたことがわかってきたような気がする。
「運動音痴な私でも、ピラティスをやっている！」これからも続けていく宣言として、文章にしてみた。
世の中の運動音痴さん（運動音痴って、私だけじゃないよね？）
身体を整えたいと思ったら、ピラティスも選択肢のひとつとしてお勧めする。この私でも続いているのだから。もちろん、ピラティスでなくてもいい。
自分にあった方法を見つけたら、楽しみながら身体を動かすことの習慣化は、思っていたよりハードルは高くないかもしれない。
「運動音痴だって、頑張って運動しているのよ」と、笑顔で言えるようになった時に、別の世界が広がるような気がしている。
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