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ワインから知る「考え方の作法」


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記事:松本 隆志(ライティング・ゼミ11月コース)
 
 
忘れもしない、あの夜
東京銀座 資生堂パーラーに私はいた。
 
得意先の方と会食であった。
正直、あまり気乗りはしなかった。
なぜ? 堅苦しい料理とか、とりわけワインは苦手だったから。
 
そう、ワインにはあまりいい思い出はないんです。
昔付き合っていた彼女はイタリアンとかが好きで、
ご飯を食べにいっても、ワインとか頼みたがったんです。
昔飲んだワインは酸っぱくて、
なんでこんなもの好きで飲むのかな〜? なんて思っていた過去の自分。
そんな些細なことが原因でケンカになったことも。
 
でも、あの一夜のワインで、ワインへの認識が180度変わった。
それも、たった1杯のグラスワインで。
 
「なに、何なんだ???」
「これ、今まで飲んでいたワインとぜんぜん違うじゃん!」
 
ここから、私のワイン生活がはじまった。
 
あの美味しかったワインをもう一度飲んでみたい!
そんな想いから、いろいろなワインを探したり、
もっと自分が好むワインを選びたい!と思いつつワインショップで
ワインを買ってみるが、
「でも、なんか違うんだよな〜」
 
そんな試行錯誤を繰り返すなか、
「そうだ、ワインスクールに通おう!」
「もっとワインについて、詳しくなろう!」
元来のハマり症の自分が顔を出してしまったのであった。
 
白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン
それくらいの知識はもちろんあった。
 
でも、「白ワインだけでも、こんなに種類があったり、違いがあるんだ。」
どんどん、ワインの世界が拡がっていく。
同じ品種でもつくる場所でこんなに味わいが違うのか!
 
今までゼロだったワインの知識がスポンジが液体を吸収するように
どんどん頭の中に蓄えられていった。
 
 
そんな折、ワインスクールの先生から、
「じゃ、テイスティングしてみましょうか?」という言葉が。
えっ、テイスティング???
 
基本的にワインのテイスティングは、
外観、香り、味わいでワインを表現するものであり、
そしてアルコール度数、産地、ぶどう品種などを考えるものである。
 
「そんな、自分にできるわけないじゃない」
「草原を走る馬のように」とかコメントするの???
そんなん小っ恥ずかしくて、言えやしないでしょ。
 
と思っていたのですが、やってみるとこれが案外楽しいものだったんです。
 
外観、香り、味わいなど与えられた情報から、
アルコール度数であったり、年数であったり、寒い地域・暖かい地域であったり
品種であったり推理していく。
 
この今ある情報から真実を推理していく。
小さい頃から推理小説にのめり込んでいた私にとっては、
こんなに楽しいものはなかったんです。
 
いろんなワインに出会う中で、自分自身が好きなワイン
逆に合わないワインであったりだんだん自分の趣味趣向がわかってきたんです。
 
例えば、赤ワインだったら
ピノノワール
カベルネソーヴィニオン
メルロー
カベルネフラン
シラー
マルベック
グルナッシュ
ネッビオーロ
 
それぞれに良いところがあり、
合わせる料理によっても適したワインは違うし、
逆にワイン単体では美味しいけど、料理と合わせると
なんか合わないなんてことも。
 
・ワインが持ってるポテンシャルであり特性
・飲むタイミング
・誰とのむか(一人まったり、わいわいとなど)
・相手の好みは?
・何(どんな料理)と飲むのか
こんなことを考えて自分の生活の中の、どんな場面であったら、
どんなワインがいいのか整理できていったんです。
 
つくづくハマったワイン生活、
せっかくだからワインの資格を取ろうと、
大学受験以来、真剣に勉強に励み、1年後の試験で
「ワインエキスパート」という資格を無事取ることもできました。
 
ワインにハマった生活で人脈も増えたし、楽しい時間も過ごせるようになった。
でも、ワイン生活から学んだ本当に大切なことは、他にありました。
 
あらゆる選択肢を並べて、
それぞれのメリット・デメリットを考える
やるメリット、やらないメリット
やるデメリット、やらないデメリット
どのタイミングで行うか
誰と一緒なのか
相手の視点に立つと、どう考えられるのか
場所はどこか
 
気づくと、物事を整理して考えるクセがついていたんだと思います。
「考え方の作法」とでも言いますが、自分が身につけられたのは、
ワインに真剣にハマったこと。
このおかげなんじゃないかなと自分では思います。
 
真剣にハマる。
 
これまでも、真剣に取り組んだことから身につけたものが多いんじゃないか
いや、真剣に取り組んだことからしか、大切なものは身につかないんじゃないか。
 
考えてみれば当たり前のことですよね。
でも熱中して真剣に取り組むことって歳をとるにつれて、
中々なくなってくるものですよね。
なんか本気でやってるのって、カッコ悪いって思ってしまったり。
できない自分をさらけ出すのをためらってしまったり。
 
本気で取り組む姿勢、自分はワインに出会えて思い出すことができました。
あの夜偶然に、一杯の素敵なワインに出会えて本当にありがたいなと思います。
 
 
 
 
***

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2024-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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