本物締め切り効果という劇薬
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記事:服部達哉(ライティング・ゼミ9月コース)
世の中締め切りだらけ。仕事や勉強、家事、さらには趣味にまで「締め切り」はある。締め切りがないと、なかなか行動に移せないのは確か。この効果を利用した「締め切り効果」というテクニックがある。つまり、時間的な制約があるから集中力が高まり、タスク達成に向けた行動のスピードや効率が上がる、というものだ。
とはいえ、「締め切り効果」の締め切りはあくまで自分で設定した”仮”の締め切りであって、本当の締め切りではない。そこが自分にとってはしっくりこないし、このテクニックがうまくいったためしがない。まったく心理的なプレッシャーを感じず、「まだ本当の締め切りじゃないし」と簡単に先送りしてしまう。
仮想の締め切りは自分で設定したものなので「まだ調整できる」という甘えが生じてしまう。そのため、仮想の締め切りは後回しの言い訳に使ってしまうこともある。一方、本物の締め切りは動かせないからこそ、行動せざるを得ないのだ。
自分は、本当の締め切りが迫って初めて本当の集中力が発揮できるタイプだ。幸いなことに、これまで締め切りを過ぎて痛い思いをした記憶はない。「本物締め切り効果」は効果バツグンだ。
締め切りに余裕を持たせて取り掛かっても、結局効率が上がるのは締め切り直前(焦っているともいう)。これが文字通り本当の『締め切り効果』。自分にとっては、余裕をもって始めた時間から、実際の作業開始である締め切り間近までの時間がもったいないとさえ思うほどだ。
いっそ割り切って、締め切り直前までタスクに取り掛からないでおこうか?
ただ、これは今まではよかった、ということでしかないこともわかっている。「本物締め切り効果」は劇薬だ。ドーピングだ。ギャンブルといってもいいかもしれない。今までは大丈夫だった、というある種の成功体験があるために、「どうせまた間に合う」と思ってしまい、失敗するリスクを軽視してしまっている。
「本物締め切り効果」にはいくつかのリスクがある。最も大きなリスクは、予期せぬトラブルへの対処だ。締め切り直前に突然の問題が発生した場合、修正する余裕がなくなる可能性がある。また、ギリギリで完成したものは、見直しや改善の時間が取れず、結果としてクオリティが高いかどうかは怪しい。
一方で、「本物締め切り効果」には意外なメリットもある。ギリギリまで作業を始めないことで、それまでの時間は他のことができる。余計な準備や無駄な時間がなくなり、効率的に動けることもある。
何度も早めに行動しようと試みてはいるが、結局はギリギリでしか集中できないという自分の特性を受け入れることにしている。
そのうえで、「本物の締め切り」を増やす、という方法を使うことがある。締め切りに別の締め切りをぶつけるという、ある種のトリックだ。例えば、ある締め切りがある場合、その日にはその作業をする時間がなくなる別の予定を入れてしまう。それも、自分でどうにかできる予定ではなく、友人・知人など第3者など自分ではどうにもできない予定を入れてしまう。楽しいことでも、キツイことでもよい。要は、締め切りに別の締め切りをぶつけるだけだ。
例えば、ある書類の提出日があったとして、普通ならこの提出日に作業をすることになるが、その日に帰省する、友人と一日遊ぶ、などの予定を入れ、どう頑張っても物理的にその日には書類作成時間を作れなくするのだ。この方法を使うと、書類提出の前日が事実上の「本物締め切り」になり、ギリギリの集中力を発揮しつつ、締め切りにも余裕を持って対応できる。
締め切りは行動を促す強力な力だが、自分自身の特性を理解し、それに合った締め切り戦略を取り入れることで、締め切り効果を味方につけることができる。
「本物締め切り効果」、「本物締め切り」を増やすトリックは他者にも使えそうだ。締め切りを実際より早めに伝える。締め切りの近いタスクを与え、どちらもやってもらう、などだ。ただし、「本物締め切り効果」は劇薬なため用法・容量をお確かめの上ご利用ください。過剰な要求になってしまいかねないからだ。
時間にルーズな友人には特に「本物締め切り効果」は効果的なのは実証済み。いつも時間に遅れてくるなら、早めの集合時間を伝えておくくらいがちょうどいい。
締め切りは、行動を後押しする大きな力だ。その力をうまく活用するには、自分の特性だけでなく、関わる他者のや行動パターンも理解し、それに合った方法を選ぶ必要がありそうだ。劇薬なだけに奥が深い。
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