メディアグランプリ

宮古島で教えてもらった「4つの愛の在り方」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:白井ゆみ(ライティング・ゼミ11月コース)
 
 
宮古島の宮古空港に到着!
まずはタクシーに乗って、ホテルの名前を告げる。
 
【一人目の運転手さん】
 
「〇〇ホテルにおねがいします」
「観光ですか?」
「はい、観光です!」
「初めてですか?」
「はい、初めての宮古島です!」
と少し会話してホテルに向かって走り出したタクシー。
 
走りだすと運転手さんは宮古島の説明をしてくれた。
説明を聞きながら、車の窓から見える景色はさとうきび畑が続いていたり、ハイビスカスの赤いお花が道路沿いに咲いていたり。
初めて見る珍しい景色もあるが、関東にもあるチェーン店も幾つかあって、「〇〇も宮古島にもある!」と思いながら眺めていた。
 
そして、どうやらホテルが見えてきたようで、運転手さんが右斜め前を指さして
「あそこに見えるピンク色の建物が、〇〇ホテルです」
「ありがとうございます」
 
もうすぐ着くと思いきや
「ここからメーター止めますから、ホテルの近所の案内をします」
と言われた。
意味がよくわからず、適当な返事をしたら、タクシーのメーターは、1250円で止められた。
そして、ホテルとは、反対方向に走り始めた。
 
(今さっきホテルの近くの案内をします。と言っていたが、どういうこと? でも、急いでいるわけじゃないから、まぁ、いっか、とそのままにしてみる)
 
「夕飯を食べるなら、ここらへんがいいです。今の時期は予約して行かないと入れないので電話して行ってください」
「ここは、〇〇と行って、宮古島に観光に来た人がよく行く場所です」
「ホテルから、ここは歩いて行けます。〇〇がおすすめです」
 
などなどなど、ホテル近辺をぐるっと回って、いろんな場所を案内してくれた。
「では、そろそろホテルに向かいますね」
「あ、ありがとうございます」
 
と本来の目的地のホテルに到着!
「1250円です」
とさっきメーターを止めた時の金額。
しばらくの間、車を走らせてくれたのでメーターを止めてなかったら3000円以上の金額になっていたはず。
運転手さんに御礼を言って車を降りる。
「何も知らないので、いろいろ教えてもらって助かりました」
 
 
宮古島の2泊3日の旅。
翌日はレンタカーを借りて、島を1周する計画だけを立てて島に降り立った。
それ以外は、タクシーを利用して島のあちこちを巡る予定。
 
 
次の日は、ネット検索して見つけたレンタカー屋さんまでタクシーを呼んで行く計画。
 
【二人目の運転手さん】
 
「どこまでですか?」
「〇〇レンタカーまでおねがいします」
「場所わかりますか?」
「初めて、宮古島来たのでわからないです。住所言えばわかりますか?」
 
「携帯もってますよね? その住所、Google Mapに入れて検索して私に道案内してください」
「えっ、私が検索するんですか?」
「そうです。宮古島初めてですよね? そしてレンタカーで運転するんですよね?」
「はい、そうです」
「じゃぁ、自分でGoogle Map見ながら、宮古島の道を少しでも覚えた方がいいですよ。タクシーに乗っているだけだと覚えませんから」
 
(なるほど! 確かに! 運転も宮古島も慣れてない)
 
運転手さんにしたがい、Google Mapを見ながら
「もうすぐ、右折です」と言うと、運転手さんからダメ出し。
「もうすぐではなくて、前もって ”何メートル先に右折“って言ってください。車は急に曲がれませんから」
 
「あっ、はい、わかりました。失礼しました」
(タクシーに乗って、この状況は初めて)
 
(言い方をあらため)
「500メートル先、右折です」
「右折したら、すぐに信号があるので左折です」
「そうそう、上手になってきました」
 
(なぜかタクシーに乗って Google Mapで道案内している。そして注意されたり褒められている。なんだかおもしろい)
 
「先を先を見通して運転してください。そんな感じでナビを見ながら運転してください」
20分くらいタクシーの後部席に乗る私の道案内で、目的地のレンタカー屋さんに到着!
「安全運転で、宮古島を楽しんでください」
「ありがとうございました」
 
とタクシーを降りた。
 
それは、あとあと感謝することになる。
20分の運転手さんの指導により、宮古島の道路の全体像がつかめた。宮古島の主要道路がわかった。どこの道が混んでいる道路かもわかった。どういう所に気をつけて運転すればいいかもわかった。
 
 
 
3日目の朝、タクシーを呼ぶ。
 
【三人目の運転手さん】
 
宮古島の運転手さん、想定外でいい意味で驚かせてくれる。
次は、どんな運転手さんがくるのか、もはや楽しみになってきた。
 
「お待たせしました、白井ちゃんですか?」
「はい、そうです。白井です」
(ん? 今、白井ちゃんって言った? 初対面の運転手さんだよね? どこかで会った? と頭がぐるぐるしているうちに
「初めましてだけど、初めっから仲良くなった方がいいと思って」
「あっ、そうですねー。楽しいですね」
(と、なんだか楽しくなってきた。笑)
 
白井ちゃんからはじまった運転手さんと行く、宮古島の旅。
車中は笑いと楽しい会話が続いて、宮古島の観光地よりも印象に残ることになった。
 
 
 
そして宮古島での最後の運転手さん。空港まで乗せて行ってもらう。
 
【4人目の運転手さん】
 
「空港までおねがいします」
「わかりました」
それ以降、車中の会話は一切なかった。
 
宮古島でタクシーに乗ったとき、ほがらかに話しかけてくる運転手さんが多かっただけに、意外な展開。
ただただ車の中から見える景色を楽しんだ。
 
そんなに大きくない宮古島の町の中。タクシーやレンタカーで何度か通った少し見覚えがある道。「ここ良かったなぁ」「このお店にも入ったなぁ」
 
宮古島のアイドル「まもるくん」をいくつか見つけて、うれしくなったり。
(まもるくんとは? 宮古島の道路のあちこちに立っている交通安全のための人形)
 
車内で会話がない分、一人で最後の宮古島を見て楽しむことができた。
 
そして、空港に着き、タクシーの後部座席から降りた。
その間に運転手さんは私のスーツケースを、車の後ろのトランクから出してくれた。
そして、満面の笑みで
「また宮古島に来てね。待ってるよ!」
とニコニコしている。
 
車中では行先を告げた後は会話がなかったので、運転手さんのお顔も声も記憶に残らないままだったが、こんなに笑顔の素敵な人だったのかと気付く。
 
 
 
宮古島で出会った4人の運転手さんに
 
「4つの愛の在り方」
 
を教えてもらったような気がした。
 
【1人目の運転手さん】
初めての宮古島を下調べもせず降り立ち、右も左もわからない中、親切にホテルの周りを案内してくれた。安心した。
 
【2人目の運転手さん】
慣れない宮古島と車の運転で不安なところを、道案内を私にさせるという形で、自信をつけさせてくれた。
 
【3人目の運転手さん】
初対面なのに「白井ちゃん」と呼び続けてくれて、前から知っている人のような親近感で
楽しく観光案内をしてくれた。愉快な時間をすごした。
 
【3人目の運転手さん】
何も話さず私の時間を大切にしてくれた。そして最後に嬉しい笑顔で見送ってくれた。寛大さを受けとった。
 
それぞれの「愛」の在り方を感じた。
どの形の「愛」も、優しさにあふれている。
 
宮古島で教えてもらった4つの「愛」 
宮古島ブルーの海の美しさと共に大切な思い出になった。
 
 
 
 

***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「名古屋天狼院」

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「湘南天狼院」

〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00



2024-11-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事