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あなたを虜にする幻想の世界―楽して痩せるダイエットは存在するのか


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山形ゆか(ライティング・ゼミ11月コース)
 
 
私を執拗に追いかけてくるアレ。
もう甘い言葉には騙されない。
何度も裏切られて、それでもまた信じる私が悪いのだ。
 
いつも弱いところを突いてくる。
でも、誘惑に負けてはいけない。
 
「食べて痩せる!」そんな上手い話はない。
SNSを開くと私を追いかけてくるのは「魔法のようなダイエット」の甘い誘惑。
手をかえ、品をかえ、言葉巧みに購入ページまで連れて行こうとするのだ。
 
子どもの頃は、もっと食べて太りなさい、と言われた。
中高は、周りから「痩せの大食い」と言われ、
20代は、「食べても太らないなんて羨ましい」と。
 
ところが妊娠をきっかけに、私の体形は一変した。
つわりが続くのに、食欲は止まらず、身体は浮腫む一方。産み月が近づくに伴って、体重がどんどん増えた。
「でも、大丈夫。きっと産めば体重は戻るはず」
無事出産しても、増えすぎた体重と食欲は戻らない。
 
こんなことを2度の出産で繰り返し、変りはてた自分の姿に嫌気がさし、ようやくダイエットを決意した。
生まれて初めて挑んだのが、「置き換えダイエット」だった。
3食のうち、1食~2食をスムージーのようなダイエット食品に置き換えるというもの。これがなかなか高額なうえに、3ヵ月続ける必要があった。
 
ダイエットにそこまでの投資をするなんてナンセンスだ。
経費最小、効果最大を狙った私は1ヵ月で結果を出す決意をし、挑んだ。
最も効果的な昼食と夕食の2回を、このスムージーに置き換える。
家族の食事を作るのに、自分は食べないというのは辛かったが、2週間ほどで体重は5㎏減った。ダイエット成功!と思ったのもつかの間、体調を崩し寝込んでしまいそれ以上の継続は難しくなってしまった。
 
体調が戻ると、少しずつ体重は徐々に増加。しばらくすると、前回を上回っている。これが、よく聞く「リバウンド」というものだ。
ここからが本当のダイエットの始まり。
女性の場合、出産、更年期など、ライフステージによる身体の変化も伴うから、太りやすく痩せにくくなってしまう傾向がある。
ダイエットしては、リバウンド。年齢とともに体重が落ちにくくなって、そんなつもりはないのに、ダイエットはライフワークと化してしまっていた。
 
テレビ、雑誌、書籍、ドラックストア、SNSなど至るところに、ダイエットに関する情報が溢れている。
「●●ダイエット」などというものは、その時々にブームとなってきた。権威ある医者が考案すれば、もう立派なダイエット法になってしまう。テレビで取り上げられ、書籍にでもなろうものなら一大ブームを巻き起こす。
痩せ型が多いと言われる日本であっても、ダイエットに関心を寄せる人は多いのだ。
 
最近では、SNSでダイエット宣言をして毎日の体重を公開している人も多い。フォローしているだけでも自分も同じようにダイエットしている気分になってしまうから不思議だ。
しかも、面白いことにダイエットが成功した頃には、フォロワーが増え、出版をする流れができている。もう、ビジネスとしてのモデルケースが成立している。
インフルエンサーとなった著者と出版社にとっては最高の結果に。
結局、痩せたいと食いついていたフォロワーだけが取り残されていく。
InstagramやYouTubeを見ているだけでは痩せるはずもなく……。
 
「ダイエット」「痩せる方法」なんて検索したら最後。次から次へと広告が追っかけてくる。もう、手堅いターゲットとされてしまったのだ。
一般的なサプリメントで痩せると表現することは、できないはずなのにメタ広告にはかなり攻めたキーワードが使われる。
ここでも騙されてはいけない。あくまで私の経験から得た対策だが、気を付けるべきポイントがある。
 
「●●大学●●教授との共同開発」は魅力的なフレーズだが念のためチェックすることをおすすめしたい。大学のホームページにいき、教授名を調べてみてほしい。その教授は本当に存在するか?
 
当たり前だが、口コミをチェックする。これも「商品名 口コミ」で検索すれば、あれこれ出てくるだろう。「痩せなかった。効果なし」がほとんどなので、ここで興ざめすることになる。
 
私の場合、これくらいの情報収集をしているうちに冷静になって高額なサプリメントを購入するに至らない。
 
収集したダイエットの情報交換は身近な人とも行う。これが結構楽しい。
ある意味、ダイエットは女性のコミュニケーションツールのひとつかもしれない。ダイエットに関する情報で会話が成り立ち、一気に距離が縮まる。3
先日も、それほど親しくない同僚とこれまでに試したダイエット法の話で盛り上がった。
 
「両親も兄弟も痩せてるのに、私だけが出産を境目に太ったんよね。食べること我慢するのは辛いし、運動するのも続かへんし……」
「そうですよね。私も同じです。ダイエットが続かないんですよね。納豆もバナナも16時間断食も」
「うちの妹は今でも贅肉なし。よく食べるけどスレンダーで、私と全然違うねん。痩せているせいか、ずっと動いてるんよね。掃除機あてたり、雑巾がけしたり、ほんま止まってるときがない」
「それ、答え出てますよね」
「……」
 
そう、答えはでている。動かず食べれば太るという自然の摂理。楽して痩せるなんて無理。ダイエット情報を集めているだけじゃ痩せる日は来ない。だけど、その楽しさにはまってしまっている自分がいるのも確かだ。
このままじゃいけない。今年こそ、楽して痩せたいと望んでしまう己の弱さに打ち勝つのだ!
 
 
 
 
***

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2025-02-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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