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「ダイエット」の相談を受けていた私のほうが痩せてしまった理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:坂中 寿美子(ライティング特講)
 
 
私の職業は「産業保健師」。
医療系の分野ではあるが、あまり知られていない職業かもしれない。
 
一言でいうと、「会社で働く人たちの健康をサポートするお仕事」である。
 
健康に関するご相談を受けたり、記事を書いたり、教室を開いたり、イベントを企画したり、何かとやることは多いが、ほぼデスクワークなので、特別体力が必要なわけではない。残業はめったにないし、休みもしっかりとれるので、楽そうな印象を持たれる。
 
…とはいえ、従業員は20代から60代まで年齢の幅が広く、業種も様々。お悩みも多岐にわたるので、巷にあふれる健康情報を広く浅く聞きかじっておかなければならず、“好奇心”と“コミュ力”が必要不可欠な職業ではある。
 
ここだけの話だが、ご相談者様の中には、お悩みの内容がマニアックすぎて「いっそAIに聞け!」と言いたくなるほど、知識が豊富で専門家泣かせの人もいる。 ……が、それはそれで、別のお悩みが隠れていることもあり、人間というのは決してすぐにホンネを言わない、なんとも奥深い生き物であると日々痛感している。
 
さて、ご相談の中でも頻度が多いのは、「ダイエット」にまつわるお悩みである。
 
「どうしても甘いものがやめられないんです」
「毎日残業続きで運動する時間なんてとれないよ」
「今までいろんなダイエットを試したけど、どれも続かなかった」
「あまり食べていないのに、なぜか痩せないんです」
「もう太る体質なんで、あきらめてます」
 
……とまあ、だいたいこんな内容である。
 
「好きなものをやめるのって難しいですよね~」
「お仕事タイヘンですよね~」
「いろいろ試されたんですね~」
「あまり食べておられないんですね~」
「体質ですか~」
 
……一応、仕事なので、傾聴はする(笑)
 
しかし、心の中では正直、
 
「痩せる気ね~だろ???」
……と、毒づいてしまうことも度々。
(保健師だって、人間だもの)
 
そんなある日、ふと、あることに気づいた。
 
というか、以前からご相談者様に共通する点を感じ取っていたのだが、それが私自身にも当てはまっていたのだ。 それに気づいた。
 
実は私も数年前、約10㎏の減量をしたことがある。
 
私は昔から痩せ型だったので、ダイエット自体にあまり関心がなかった。
 
お酒が大好きだったのでよく飲んでいたが、元々食べる量が少なく、間食の習慣もなかったので、自分には太る要素がないと思っていた。
 
ところが、40歳を超えてから徐々に体重が増えていき、見た目にも服のサイズが変わるほどになり、保健師という立場もあって、初めて「ヤバい」と焦った。
 
それからファスティングやマクロビ、ジム通い、痩身エステや話題のダイエットを一通り試したが、どれも効果はなく、まったく続かなかった。(だから、いろんなダイエットを試した人の気持ちが痛いほどわかる)
 
それでもお酒だけはやめられず、ダイエット中もずっと飲み続けていた。(だから、甘いものをやめられない人の気持ちが痛いほどわかる)
 
結局、私の場合は「食べていない」のが原因だったのだ。
 
なんてことはない、ちゃんと必要なものを食べるようにしたら、自然と元の体型に戻っていった。
 
そもそも、ちゃんと食べないとタンパク質が不足するので、筋肉がつかない。
さらに、エネルギー不足から省エネモードになり、脂肪がつきやすくなる。
 
会社では日頃「バランスよく食べてくださいね~」と言いながら、自分自身がまったく実践していなかったという、なんとも恥ずかしい話である。
 
若い頃は多少の無茶ができても、年齢を重ねていくうちにそうはいかなくなるというのを自分の体で痛感した体験だった。
 
それを思い出した日から、「バランスよく食べる」ことを改めて意識することにした。(特にタンパク質をしっかりとるように意識した) 
 
すると、なんとそれだけで、下げ止まっていた体重が1ヶ月ほどで2㎏落ち、ウエストも引き締まってきたので驚きだった。
 
問題なのは……
 
ご相談者様ではなく、
なんで私のほうが痩せてるんだ!?
 
おいおい、逆だろ!?
……いいのか、これで!?
 
「最近、少し痩せた?」
「引き締まってきたね!」
「いったい何をして痩せたの?」
 
最近、そう言われることが増えた気がする。
なんともうれしい限りだが、ひとえに、ご相談者様のおかげである。
 
……感謝とうしろめたさが入り混じった、変な気分だ。
 
自分のことは、自分ではなかなか気づけないものである。
 
昔から「人は鏡」と言われるが、特に他人の失敗談ほど学びの多いものはない。
何かに挫折している時は、誰かの相談に乗ってみるのもいいかもしれない。
 
 
 
 
***

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2025-05-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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