メディアグランプリ

おいでませ、多肉植物の沼へ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ヨシダ ノゾミ(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
 「多肉沼」という言葉をご存知でしょうか。私にこの言葉を教えてくださったのは、以前からお付き合いのある窯元の奥様でした。その窯ではこれまで食器をメインに制作されており、そのほかは花器が少し置いてあるぐらいだったのですが、久しぶりにご自宅で開催されている展示会にお伺いしたところ、いろんな種類の鉢と、実際に鉢に植えられた多肉植物が並んでいたのです。多肉沼にハマってしまい、鉢まで作るようになってしまった、生活スペースに侵食するほど増えてしまって困っている、と笑うご夫婦はなんだかとても楽しそうでした。
 それまではほとんど興味のなかった多肉植物でしたが、意識するようになると、いろいろな場所で見かけます。オシャレなカフェや美容室の入り口に飾ってあったり、お花屋さんだけでなくホームセンターの園芸コーナーの一角やインテリア雑貨を取り扱うお店、さらには100円ショップにまで専用のコーナーが設置されていたりするのです。
 一度興味を持ったが最後、多肉植物の沼に足を踏み入れるのにそう時間はかかりませんでした。それでは私がハマってしまった多肉植物の魅力をご紹介していきます。
 
 多肉植物は、大人数で構成されたアイドルグループみたいなものです。個性的なメンバーが集まった集団で魅力たっぷりの彼女・彼らは、多肉植物に共通する点が多くあります。
 たとえば、纏っている色。複数名で活動しているアイドルグループでは個々のイメージと結びつけてそのメンバーを象徴する特定の色が定義されていることがあります。多肉植物はもちろん植物なので緑色のものが多いですが、緑と一口に言っても透き通って宝石にたとえられるような種類のものもあれば、ブルームと呼ばれる強い日差しから葉を守り水分の蒸散を防ぐ役割をもつ白っぽい粉を纏ったパステルグリーンのもの、そのほかにも赤みを帯びた色合いのものや、植物にしては珍しい黒っぽい色のものもあり、大変カラフルです。
 さらに、多肉植物の多くが葉や茎が肉厚になっていて独特のシルエットが特徴です。葉の様子もまるっとしたものからトゲトゲのもの、毛が生えてフサフサしているものなど様々で、これは、ステージの際にディテールが少しずつ異なった衣装を纏うアイドル達と共通するところがあります。
 そして、他の植物と比べると成長速度はゆっくりではありますが、花が咲いたり、紅葉したりと年間を通じての変化があり、同じ種のものであっても個体差や生育環境により多様な姿を見せてくれる点は、ステージの上とそれ以外の場面では別の顔を見せてくれるアイドル達のように、見る人を楽しませてくれるのです。
 
 このように、多肉植物は他の観葉植物達と比較して「推し」に出会える可能性が高い植物と言えるでしょう。
  
 この「推し」という表現、「推薦する」という意味の「推す」が語源で、自分が積極的に応援している・他者に勧めることができるほどに好きな対象を表す言葉です。某大人数アイドルグループのファンが、お気に入りのメンバーを「推しメン」と表現したことから多用されるようになり、そこから「『推し』を応援する活動」のことを表す「推し活」という言葉も生まれました。2021年には新語・流行語大賞にノミネートされたことで市民権を得て、今やアイドルやバンドマンなどの人物だけでなくモノ・コトも対象とする表現となっています。
  
 多肉植物の話に戻りましょう。推し多肉と出会い、推し活に励むタニラー(多肉植物愛好家の愛称)さんがSNSには溢れています。推し多肉について育生方法や困った時の対処法など詳しい記事や動画をあげている方。タニパト(多肉パトロールの略、自宅の多肉の様子をチェックして回りお世話をすること。または多肉を求めていろんなお店を回ること)に勤しんでいるご様子を紹介されている方。多肉植物を増やすことに楽しみを覚え、その経過を報告されている方、などなど、推し方も様々です。
 
 もちろん植物ですので、多肉植物をする栽培する場合、枯らしてしまわないように注意しないといけないこともあります。ただ、南アフリカや南米など、雨が少なく過酷な地域が原産地の植物なので、他の植物と比べると寒さや暑さ、乾燥に強いなど、比較的お世話の手間はかかりません。水やりのタイミングや肥料の与え方が他の植物達とはだいぶ違うので、むしろ、今まで植物を育てる機会が少なかった方のほうが、そういうものか、とすんなり受け入れて上手く育てられる、なんてことを言われるぐらいです。また困った時も、先ほどご紹介したとおり、多くのタニラーさんが情報を発信されていますので、容易に情報が集められるという点も安心材料かと思います。 
 
 今回は、多肉植物がいかに魅力的かのお話でした。かくいう私も、多肉植物をお迎えしてまだ1年というところですが、今や、我が家で1番日当たりの良い場所には多肉のために用意した棚が鎮座し、小さいとはいえ17個の鉢が並んでいます。日々タニパトに励みながら、これからどんな顔を見せてくれるのかワクワクしながら過ごしています。みなさんも、一度、多肉植物の沼を覗いてみませんか?
 
 
 
 
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2025-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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