お尻に何か入れられるくらいなら死んだほうがマシだ。/超絶臆病人間のための「人間ドック・ガイド」《前編》《天狼院通信》
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:三浦崇典(天狼院書店店主)
お尻に何か入れられるくらいなら死んだほうがマシだ。
数年前のことである。
どこかに向かうタクシーの中でだったと思うが、以前から「行くときは一緒だからね!」と言っていたカメラマンの榊さんが、なんと裏切り、自分だけ人間ドックに行って来たと言う。
「ほんと、行ってよかったですよ。大腸にポリープが見つかって、そのまま放おっておけばやばかったらしくて」
と、スマホ写真に収められたグロいポリープらしきを見せられる。
「それって、まさか、本当にお尻からカメラを入れたってことですか?」
「カメラだけじゃなくて、ポリープ取るための器具もついていて、検査で取ってもらえたんですよ」
ああ、榊さんも”あっちの世界”に行ったか、と僕は思った。
たとえば、中学生のときに初めてアダルトビデオを観た、という友人は英雄扱いだった。
いち早く、お酒を飲んだ人も、車の運転を覚えた人も、仲間うちで一番最初にエッチをした人も、就職した人も、結婚した人もそうだった。
”オトナの境界”を超えた友人を見ると、”こっちの世界”に取り残された人は羨ましくもさみしくもなる。
ところが、僕にとって、決して超えられない一線があった。
それは、お尻にカメラを突っ込まれることだ。
「お尻に何か入れられるくらいなら死んだほうがマシだ」
とすら思っていた。
なぜか?
単純だ。怖いからだ。
ところが、今日、僕は一泊二日の本格的な人間ドックに行こうとしている。
上からも下からもカメラを入れられ、脳もくまなく見られるという本格的な人間ドックだ。
あれほど頑なに人間ドックに行かないと言っていた僕が人間ドックに行くと決めたのはなぜなのか?
お尻にカメラを入れられるよりも遥かに怖いイメージを抱くようになってしまったからだ。
お尻にカメラを入れられる以上の恐怖
今、僕には小さな子どもがいる。
僕の恐怖とは、子どもと奥さんに悲しい想いをさせることだ。
僕と過ごせたはずの時間を自分の不摂生のために短くしてしまうことだ。
そのミステイクは何としても避けなければならない。
子どもと奥さんと100年元気に楽しく過ごすために、本気で140歳を目指す「AIウェルネス倶楽部」を作った。
AIウェルネス倶楽部のスタートを前に、僕は1月16日からAIを使って結構的なダイエットを始め、サムネイル画像が示すように、今日までに-.5.8kgのダイエットに成功している。(※この顛末は後日書く)
内臓脂肪を減らして、メタボリック症候群にならないようにすることは、健康寿命を拡大する上で重要なことだとAIも、そして医師も言った。
140歳まで生きるための第一歩で、6ヶ月程度で体重をまずは10kg程度落とすのが目標だ。
これに合わせて大幅な食事改善も行なっている。
あれほど好きだったマクドナルドには、今は10万円もらっても行かないだろう。自動販売機やコンビニのジュースももはや飲まない。
そして、次に必然的に取り組むべきなのが、本格的な人間ドックだった。
ガンを早期発見した祖父は95歳で今なお現在で、発見が遅れた母は65歳で亡くなった。
めちゃくちゃ主観的で卑近なケースがある。
以前の記事、「死にやがって、バカやろう」でも書いたが、臆病で定期的に人間ドックに行っていた祖父は、80代の頃に極初期の膀胱ガンが見つかり、処置し、95歳の今なお健在である。
一方、その祖父の娘である母は、人間ドックに定期的に行くことはなく、行ったときには腹水が溜まるくらいの症状で、手を尽くしたが手遅れだった。
47歳の僕が今から本気で健康と向き合い、定期的な人間ドックを欠かさなければ、少なくとも自分のミステイクで死ぬことはない。
大切な人から大切な人を失わせることはないだろう。
そして、生成AI革命の直中にある現在、あと10年健康な状態を維持できれば、ほとんどあらゆる病気に医学は対応できるようになる。
あと10年維持すれば、かなりの高確率で140歳まで生きられるだろうと想定している。
大切なのは人間ドックの結果をどう活かすか
健康診断でも人間ドックでも、大切なのはその結果をどう活かすかだ。
AIウェルネス倶楽部では、その結果も大公開し、その結果に対する対処を、倶楽部でお世話になっている医師の荏原さんと、AIの力を借りて徹底して戦略立案しようと思っている。
何か見つかれば、全力での掃討戦に入る。
見つからなければ、全力での健康維持戦に入る。
いずれにせよ、天下分け目の戦いだ。
もう、お尻にカメラ入れるのが怖いだなんて、喚いていられるか、である。
だが、喚くのもいいことだ。
心理学的に「痛い痛い」と喚くと痛みが和らぐという。
同じく、怖い怖いと喚くと、恐怖が和らぐ。
人間ドックに行く前に、起きたばかりの子どもに、人間ドックの説明をして、パパは怖いのだと説明すると、子どもは、
「パパ、泣くの?」
と想像したのか、おかしそうに笑っていた。
「泣かないように頑張る」
とは言ったが、はたして泣かずに済むものか。
人間ドックで泣いたかどうかも、当然リポートする。
▪️ライタープロフィール
三浦崇典 | Takanori Miura
BOOKLove結婚相談所仲人総取締役株式会社東京プライズエージェンシー代表取締役。株式会社インパルス代表取締役。天狼院書店店主。小説家・ライター・編集者。雑誌「READING LIFE」編集長。劇団天狼院主宰。プロカメラマン。秘めフォト専任フォトグラファー。ビデオグラファー。AIパイロット養成講座主宰。
2016年4月より大正大学表現学部非常勤講師。2017年11月、『殺し屋のマーケティング』、2021年3月、『1シート・マーケティング』(ポプラ社)、2022年1月、『駆け出しクリエイターのための時間術』(玄光社)を出版。
2025年4月、IBJと正式契約、BOOKLove結婚相談所開設、BOOKLove結婚相談所仲人総取締役に就任。
2009年4月1日に、「株式会社東京プライズエージェンシー」を設立登記し、その後、編集協力や著者エージェント、版元営業のコンサルティング業等を経て、2013年9月26日に「READING LIFEの提供」をコンセプトにした次世代型書店(新刊書店)「天狼院書店」を東京池袋にオープン。今は全国に店舗とサービスを広げている。現在の旗艦店は渋谷宮下パークの天狼院カフェSHIBUYAである。
長年にわたり雑誌『週刊ダイヤモンド』、『日経ビジネス』にて書評コーナーを連載。【メディア出演】(一部抜粋)
NHK「おはよう日本」「あさイチ」、日本テレビ「モーニングバード」、BS11「ウィークリーニュースONZE」、ラジオ文化放送「くにまるジャパン」、テレビ東京「モヤモヤさまぁ〜ず2」、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、J-WAVE、NHKラジオ、日経新聞、日経MJ、朝日新聞、読売新聞、東京新聞、雑誌『BRUTUS』、雑誌『週刊文春』、雑誌『AERA』、雑誌『日経デザイン』、雑誌『致知』、日経雑誌『商業界』、雑誌『THE21』、雑誌『散歩の達人』など掲載多数。2016年6月には雑誌『AERA』の「現代の肖像」に登場。大小合わせて400回以上メディアに登場。
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