恋愛が美しくもあり、醜くもなる境界線。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:紫葉アリア(ライティング・ゼミ3月コース)
恋愛すると、人は美しくなる。
恋愛すると、人は醜くもなる。
その境界線は一体どこなのか。
私は、漫画が好きだ。
活字のみの本も好きなのだが、漫画には文字だけではなくイラストがついてくる。直接は文字として描かれていなくても、絵という形で背景や表情から「含み」というものを読み取れることがある。
なのでその含みについて、考察したり思考を巡らせたり自分の周辺の環境と組み合わせて体感として落とし込んだりして楽しむ。それが好きなのだ。
また、漫画アプリで読む場合は、他の読者が感想や考察をコメントで残してくれていることもあるので、コメント欄から自分が読み取れなかったものを拾うことも私は好きだ。
漫画にはいろんなジャンルがある。
ファンタジー、恋愛、サスペンス、エッセイ、TL、BL……その他細かく分類していけばキリがないくらいなのだが、王道ジャンルの一つとして外せないのが「恋愛もの」なのである。
恋愛にもいろいろある。
片思いから両思いになるまでを描いたもの、カップルとして成立した後の紆余曲折を描いたもの、片思いが成就しない悲恋と呼ばれるもの、など。
恋は幸せなものとして描かれることもあるが、悲しいものとして描かれるものもある。
そして、憎悪や復讐などドロドロな感情をメインに描かれる不幸で恐ろしいものとして描かれているものも多い。
幸せな恋愛がテーマであれば、読み手は癒されるような、心が浄化されるような気持ちになる。しかし、不幸な恋愛、つまりドロドロした感情がテーマのものは、心が抉られたり恐怖を覚えたりする。同じ「恋愛」がテーマであっても、なぜここまで極端になってしまうのだろうか。
恋愛をすると、人は美しくなる。
この理由についてAIに尋ねてみたらこんな回答が返ってきた。
「はい、恋愛をすると美しくなると言われています。これは、恋愛によって分泌されるホルモンが、肌の艶や髪の艶を良くしたり、新陳代謝を促進したりする効果があるためです。また、恋愛による高揚感は、表情を明るくし、全体的な魅力を引き出すとも考えられます」
相手に振り向いてもらいたくて自分磨きのような自己研鑽をするからその結果美しくなる、という私の見解とは別に、生物学的にもどうやら作用があるらしい。
では、恋愛が人を醜くする理由。
そちらもAIに尋ねてみると、こんな回答が返ってきた。
「恋愛をすると必ずしも醜くなるわけではありません。人によっては、恋愛によって幸福感が増し、肌つやが良くなったり、表情が明るくなったりすることがあります。しかし、恋愛のストレスや疲労によって、逆に容姿に悪影響が出る場合も考えられます。」
AIは優しい。基本的にAIは人に寄り添ってくれる回答をしてくれる仕様になっているらしい、とどこかで聞いた。
しかし、私の見解はこうである。
恋愛をすると、人間の内面が外に出やすくなる。
これが理由だと思う。
私たち人間には、理性や倫理観というものがある。
私たちは喜怒哀楽をベースに、さまざまな感情があり(とある研究によると27種類に分類できるらしい)ポジティブなものもあればネガティブなものもある。
しかし、普段は理性や倫理観に基づいて、ネガティブな感情はできるだけ表に出さないようにしているのが人間なのである。
子供の頃は、その感情のコントロールの方法を知らず、癇癪を起こしたり泣いたり怒ったりストレートに表現していたとしても、たくさんの人と関わるために大人になるにつれて自分の感情をコントロールする方法を身につけていく。
恋愛というものはこのコントロール部分に作用してしまうのだ。
なので、自分の感情がコントロールできている間はポジティブな感情だけが表に出てきてとても綺麗で美しい。
しかし、ポジティブな感情を通り越して、ネガティブな感情が出てくる、つまりコントロールが効かなくなってくると、感情の種類の一つである「欲」が表にはみ出してくる。
始まりは「この恋愛を成就させたい」という欲。
そして、「相手にこちらを向かせたい」という期待。
相手がこちらを振り向いてくれる、つまり期待に応えてくれたらそこでハッピーエンド。
しかしもし相手が振り向かず、自分の期待に応えてくれなかったら。
この欲や期待という感情は、憎悪に変わってしまうことがある。
愛情のその先を辿っていくと、その先に憎悪や怒りがあるのだ。
自分を好きになってくれないという憎しみ。
こちらを向いてくれないという怒り。
恋焦がれるという言葉があるが、恋が行きすぎると自分の身を焦がすほど、つまり焼き尽くすほどに怒りという炎が燃え上がることになる。
また、運よく相手が振り向いてくれて、めでたく両思いになったとしても問題が解決するわけではない。
今は一緒にいられても、いつか離れていってしまうのではないかという不安。
相手が自分の望むような愛情表現をしてくれないという不満。
心境の変化によって自分を愛してくれなくなるという絶望。
そうなると深い愛情は一転して「可愛さ余って憎さ100倍」という状況が生み出されてしまう。
憎悪や怒りがテーマになってしまった恋愛は醜い。
だからこそ私は、美しさと醜さの境界線はここだと考える。
「恋/愛」
恋であれば心が下にあるので、下心ありき。
下心とは、「相手にこうなってほしい、こうあってほしい」という相手をコントロールしたい欲そのものなのである。
愛であれば心が真ん中にあるので、真心ありき。
真心とは、「相手をただ愛している」というシンプルな想いそのものなのである。
恋愛と書くからややこしくなるのかもしれない。
“恋愛ではなく恋として”
“恋愛ではなく愛として“
捉えてみると分かりやすくなるのかも。
これが美しさと醜さの境界線なのでは? と私は恋愛漫画を読みつつ思考を巡らせている。
***
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