メディアグランプリ

『国宝』ゾンビの皆さまへ 『国宝』を新たな目線で楽しめる、吉田修一の“あの発言“を知ってましたか?


*この記事は、「ハイパフォーマンス・ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

     

記事:和田千尋(ハイパフォーマンス・ライティング)
  
※以下、軽くネタバレがありますのでご注意くださいね。

目次

🔳「国宝ゾンビ」って何?
🔳「感染拡大」の舞台:インフィニティ∞リーディング
🔳最大の謎が…拾われなかった…!?
🔳喜久雄が“国宝”じゃなかった世界線…?
🔳物語の“語り口”も、実は迷走していた!?
🔳正解は、この世界線だったんだ
🔳次回は「血」と「藝」をめぐる講座へ!
🔳ゾンビとして、次回も這い寄ります
🔳補足:インタビュー記事について

 

1. 「国宝ゾンビ」って何?

映画『国宝』を観てしまったあなた。

小説を読んでしまったあなた。

もう、心をやられていませんか?

寝ても覚めても、あの世界のことばかり考えてしまう。

SNSで感想を漁り、考察に首を突っ込み、

「もっと何かないの!? 情報、ちょうだい!!」と、彷徨い歩く——。

はい、それ、**立派な「国宝ゾンビ」**です🧟‍♀️🧟‍♂️

私もそのひとり。完璧に感染してます。

『国宝ゾンビ』は見た目からは感染しているのかはわかりません。

見分ける方法はあります。鳴き声です。

「もう『国宝』観た?」「もう『国宝』読んだ?」と鳴き出したら、 すでに感染が始まっていると思っていいでしょう。

人から人への直接の感染力は、そこまで強くはないですが、 ゾンビの鳴き声に操られ、フラフラと映画館や本屋に 吸い込まれてしまったら、もうアウトです。
私も原作本を貸し、ゾンビを1人増やしてしまいました。

 

2. 「感染拡大」の舞台:インフィニティ∞リーディング

そんなゾンビたちにとって、新鮮な情報を手に入れられると 期待のオアシス、 それが天狼院書店の【インフィニティ∞リーディング】。

これは、AIを駆使してテーマ本の情報を徹底的に集めて深掘る、未来型の読書会。

今回は『国宝』がテーマということで、私も楽しみに参加してきました!

 

講師は天狼院書店の三浦店主。

作家でもあり、重度の読書家でもあり、吉田修一作品の大ファン。 本の専門家目線というユニークな視点で『国宝』を読み解いてくださいました。

 

詳細はこちら。アーカイブあり

が、しかし…!

 

3. 最大の謎が…拾われなかった…!?

この講座、ものすごい情報量をAIが拾ってきてくれるんですが、 私が一番知りたかった“ある情報”がスルーされたんです。

それは、「国宝」の著者である吉田修一さんのインタビュー発言。 これによって、私の中の『国宝』の世界観がひっくり返りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

「最初は今の結末とは違う結末を想定していて」

「俊介が出奔した時も、まだ最初に想定した結末でいこうと思っていたのが、 この人にとって人間国宝になることが本当に幸せなんだろうかと」

「登場人物が出てきた瞬間に、この人が死ぬんだったら、こういう感じだろうというのが、ぼんやり浮かんでいたし、一番いい舞台で死んでほしいというのは、思っていました。」

「喜久雄が最たるものなんですけど、師匠の白虎にしても、萬菊にしても、俊介にしても、最高の幕切れを用意したいと思った。でもそうしたら、誰が国宝になるのかという結末も、最初に想定していたのと変わったんですよ」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

この発言、知ってました?

私は知らなかった。だから読んだ時は震えました。

 

4. 喜久雄が“国宝”じゃなかった世界線…?

元々“国宝”になる予定だったのは、喜久雄ではなかった。 その事実が、ずしんと心にきます。 あの喜久雄が——すべてを捨ててまで「藝」に挑み続けた彼が——

“国宝”にはなれないかもしれなかったなんて

「もし」「たら」「れば」……頭の中で何十通りもの結末がグルグルします。

 

5. 物語の“語り口”も、実は迷走していた!?

吉田氏はインタビューで、こんなことも語っています。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

 

「喜久雄の一人称で書いてみたり、春江の視点も試してみたり、 神の視点(第三者視点)もやってみたけれど、どれもしっくりこなかった。」

「七五調まで試したけど、語りを探すだけで2〜3ヶ月かかった。」

 

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

 

うそでしょ!?
あの物語が春江の一人称だったら…… もう全然違う作品になっていた!!

 

6. 正解は、この世界線だったんだ

結局、選ばれた語り口と選ばれた結末が“奇跡の一手”だったわけです。

喜久雄も俊介も白虎も萬菊も、それぞれの「幕切れ」が美しかったからこそ、 私たちは今、ゾンビになるほど心を掴まれているんですよね。

 

 

7. 次回は「血」と「藝」をめぐる講座へ!

実は『国宝』三部作と名打った「インフィニティ∞リーディング typeC」。

「風姿花伝(世阿弥著)」⇒「国宝」と続き、次回のテーマは ズバリ**「歌舞伎 家と血と藝 (中川右介著)」**。

もっと歌舞伎について語ってほしい!と物足りなかったみなさん、 今まで講座内で取り上げられなかった方面の内容が 次回わんさか出てくることになります。それもリアルな事実として。

なぜなら、この本は歌舞伎界の七家の“家“と“名前”と“血”と“藝”の継承の歴史について書かれているからです。 =(イコール)権力闘争の歴史でもあり、各々の歌舞伎役者にとって 何が幸せなのかについても、深く関わる内容となっています。

 

……とはいえ、

 

歌舞伎通ではない、ただのゾンビには読むのが大変でした。 襲名により同じ名前の人が何人も出てくる。 もはや何代目は誰だかわからなくなるし、 何より一人が出世魚のごとく、幾通りも名前を変える。

何度もページを行きつ戻りつ、状況を合わせていく必要がありました。 恥ずかしながら、数回の寝落ちを経て、3回転目を読んでますが、 いまだに人物相関メモの必要性を感じています。

 

 

8. ゾンビとして、次回も這い寄ります

次の「インフィニティ∞リーディング typeC」の講座が「『国宝』三部作」のラスト。 AIがどこまで深掘るのか、三浦店主がどうナビゲートするのか—— そして我々ゾンビの“飢え”が救われるのか!? 答えは講座で!

 

私は、また這い寄って参加します🧟‍♀️✨

もちろん、本を読んでなくても参加可能です! 「読了されましたでしょうか?」とは聞かれませんので ご安心を笑。

9. 補足:インタビュー記事について

吉田修一さんのインタビュー記事は、一般公開されているものですが、 この記事ではリンクを控えます。

**「吉田修一 国宝 インタビュー」**などで検索してみてくださいね🔍

 

≪終わり≫

■「インフィニティ∞リーディング 〔TYPE W/ウェルネス〕」とは?

究極の読書会「インフィニティ∞リーディングTYPE-W(ウェルネス)」は、健康や身体づくり、長寿に関する書籍を中心に取り上げ、参加者全員で深く学び合いながら“140歳まで生きる”という壮大な目標に向けて知見を広げる、新しいリーディング体験です。単なる学習の場にとどまらない「ウェルネス=健やかさ」を体得する場を目指しています。

具体的には、健康に関する名著や最新の研究、実践事例などをAI解析のサポートも取り入れながら多角的に読み解き、天狼院書店の空間ならではの対話を大切にし、参加者同士の交流から生まれる“化学反応”も体感できる点が大きな魅力です。本イベントを通して、日々の生活に役立つヒントを実践し、心身ともに健やかな状態を作り上げる。

そして、最終的には天狼院が掲げる“140歳まで生きる”というゴールへ、みんなで一歩ずつ近づく。そのためのプラットフォームとなるのが、この「TYPE-W」の目指す姿です。

ぜひ、あなたもこの知的体験を共有する一員となってください。

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「天狼院カフェSHIBUYA」

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3F
TEL:03-6450-6261/FAX:03-6450-6262
営業時間:11:00〜21:00


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「名古屋天狼院」

〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-5-14先 レイヤードヒサヤオオドオリパーク(ZONE1)
TEL:052-211-9791/FAX:052-211-9792
営業時間:10:00〜20:00

■天狼院書店「湘南天狼院」

〒251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸2-18-17 ENOTOKI 2F
TEL:0466-52-7387
営業時間:
平日(木曜定休日) 10:00〜18:00/土日祝 10:00~19:00


 

 


2025-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事