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ボクらはみんな、生きている


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山田美虹(ライティング・ゼミ7月コース)

 

 

 

 

 

ボクは地球上のとある生物。

 

もう何万年も前から地球(ココ)に住んでいて、この世界の移り変わりを見てきた。

 

今、この世界を支配している「人間」という種類の生き物たち。

 

栄えてきたのは、せいぜい2000年? 3000年? くらい前かな。

 

いずれにせよ、つい最近だ。なのに、やたらと幅をきかせている。

 

 

 

ボクらから見たら、人間が一番の新参者で、急にいろいろな所を占領したような感じだ。

 

それなのに、どこに行っても我が物顔で歩いていて、もっとずっと前から地球(ココ)に住んでいる虫や生物を駆除したりしている。

 

ちゃんちゃらおかしい話だ。

 

 

 

最初はよかった。

自然とも調和して、「自然の中」で暮らしていた。人間もこの地球の一部であるということを本能的に知っていたに違いない。そこに「在る」ものの域を越えなかった。

 

でも、だんだん欲が出てきて、自然を制しようとし始めた。

 

森の木が邪魔だ、となったら切る。土地が少ない、となったら海や川を埋め立てる。山や野原を切り拓く。

 

そうやって場所を無理やり作り出し、建物を建てたり、道を作ったり、勝手に人間が占拠していったのだ。もともとその場所にいた生物たちは、そこを譲り渡さざるを得なくなってしまったわけだけど、そんなことはおかまいなし。

 

ま、そういうことをする人間たちには、ボクらは全く見えていないんだから、言うだけ無駄だよね。

 

 

 

それがだんだん、技術の進歩だか産業革命だか知らないけどエスカレートしていった。

 

1000年もしたら、もうこの世界は人間のものになってしまった。

 

何事も人間中心。人間さまさま。

 

この地球は、全ての生物のために平等に存在していたはずなのに、いつの間にかそんなことは忘れ去られ、人間だけがここに生きていていい生物かのようになった。

 

人間のやりたいことの邪魔になるものは排除されるか、人間が扱いやすいように品種改良(改悪?)される。

 

時には、見た目だけで嫌われ、何も悪いことをしていないのにスリッパ片手に追い回されたり、おそろしい薬を振りかけられたりすることもある。

 

ボクらが、大きな人間を下から見上げながら避けて動かなきゃいけなくなった。

 

どうなってるんだ、一体。

 

 

 

もともとココに住んでいたボクらからすると、荷物まとめて出て行ってほしいのは、人間の方だ。許可なく土地を奪われただけでも大変だというのに、人間の勝手な都合で、住んでいい場所や生き方まで制限されてしまうなんて、おかしくないか?

 

 

 

ボクらの世界は、もともと弱肉強食。そんなことはわかっている。

 

それなら今は、人間が一番強いということになるのか?

 

自然界の弱肉強食は、自然の摂理にしたがって起こっている。自然界では、食べ物が必要な生き物が必要な分だけ捕食する、っていうのが決まりだけど、人間はどうだろう?

 

昔、自然と調和していたころは、ちゃんとそれが守られていたかもしれない。けど、今は違う。「食べる分」「必要な分」を取るんじゃなくて、ほとんどが「欲」がベースになっている。

 

毛皮を得るためにフカフカの毛を持つ動物を捕まえる。また、ペットにするために、本来は自然の中にいた方が幸せなはずの動物をとって狭いところに閉じ込める。

 

その他、せっかく、自分たちのために集めてきたもの-はちみつなど-をヨコから持って行ってしまう、とか……。みんな、人間の欲を満たすため。すべてが、「人間さまファースト」。

 

 

 

じゃあ、肝心の「食べる分」はどうしているのか、と言うと、自然界からの調達が難しかったり不安定だったりするものは、「飼育」とか「養殖」とかいうかたちで、人工的に作り出すことにしたらしい。これなら数や量はある程度コントロールできるから安心、というわけだ。それらが「店」という名の場所に並び、一般的な人々は、そこに行って「お金」というものと引き換えに手に入れることができる、というシステムになっている。

 

だから、システム上は、「お金」というものをたくさん持っている人が、食べ物もたくさん手に入れられることになる。ボクらのように、命をかけて、苦労しなくても食べ物を手にすることができるのだ。

 

だから、何か、自然界の「弱肉強食」の原理とは違う決まりで動いているんだよね。

 

 

 

でも、こうなってしまっているんだから、今さらボクがどうこう言ったって、世の中は変わらない。昔に戻ることはできない。

 

それならそれで、どうせ「人間ファースト」なんだから、人間は人間で仲良くやればいいじゃないか。もうそれ以上、上を行く生き物はいないんだから。

 

なのに、どうして人間は人間同士で争うんだ?

 

ボクらには、理解できないよ。

 

同じ種族とか、仲間っていうのは、助け合って生きていくものじゃないのか?

 

そりゃあ、ボクらだって「共食い」をする場合もある。でも、それはそうしないと生きていけないからであって、それ以外の意図はない。

 

 

 

人間は、ただ、肌の色が違うとか、住んでいる場所が気に入らないとか、もっと自分たちの縄張りを広くしたいとか、そんな理由で、いがみ合い、争っている。

 

あるいは、信じているもの……「神」、って言うの? その「神」がこう言っているとか、ああ言っているとか、はたまた信じている「神」が違うとか、そんなことで争うみたいだけど、「神」って本当にいるの? いるかいないかわからないもののために、何の罪もない人たちが殺されたり、苦しんだりする。ボクなんかは、傍から見ていると、本当に「神」がいるなら助けてくれればいいのに、と思っちゃうけどなあ……。

 

 

 

人間こそ、「残念な生き物」だな。

 

そんな心の狭い生き物に、ボクらは地球を占拠されてしまったのか……。

 

なぜ、そんな小さなことで争うんだろうな。

 

みんな、同じ「人間」という生き物なのに?

 

今この地球上でトップにいるというのに?

 

人間だけが、ボクら地球上の生き物のセオリーから外れて生きているように見える。

 

自分たちで苦しみを作り出しておいて、苦しい、苦しい、と言っている。

 

もっとシンプルに生きてくればよかったんじゃないか?

 

知能が発達しすぎたのかもしれないな。

 

 

 

その「人間さま」がどうしても太刀打ちできないものが一つだけある。

 

それは、「自然」だ。

 

最近の異常気象。そして地震などの自然災害。

 

異常気象は、これまで100年くらいの人間のやってきたことのツケが回ってきたともいえるけど、地震などには、どうやっても勝てない。

 

「自然」を制そうとしてきた「人間」が、自然に勝てないとは、皮肉なものだ。

 

 

 

これからあと何年、地球が存在するかわからないけど、どうなっていくか、楽しみだ。

 

 

 

 

***

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2025-08-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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