あいうえお
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:藤原 宏輝(ライティング・ゼミ11月コース)
〈自分たちの幸せを見せたいからって‘結婚式’をするのに、どうして私は高いお祝いを包まなければならないのですか?〉
ある朝の新聞の‘人生相談’に目が留まった。
確かに率直で、でも少し切ない質問だった。
現代社会において、確かにそう感じる人が増えているのかもしれない……。
“祝うこと”が、少し重たく感じられる時代なのか?
と、ふと思った。が、しかしそれでも、私は思う。
「人の幸せを、素直に喜べる心」
それが薄れてしまったら、なんだかとても残念だし悲しい。
祝福とは、誰かの喜びを“我がこと”のように感じる行為であると思うし、それができる人ほど他者の幸せを、自分の希望に変えていけるのではないかな、と感じる。
‘結婚式’は、まさにその瞬間を象徴する“人と人との交差点”
その日の午後、スタッフに相談があると言われた。
彼女は、ため息まじりに
「結婚式の招待があって、もちろん嬉しいんですが……、ご祝儀や洋服に美容院、旅費までも正直きついです」
ふと朝、偶然読んだ‘人生相談’の記事が頭をよぎる。
聞けば、3か月で5件の結婚式があると言う。
お洋服やヘアセット、新幹線代まで入れれば、軽く1回10万円近くにはなる。
SNSでは「ご祝儀貧乏」という言葉も見かける時代だ。
「ご祝儀って、やっぱり3万円がマナーですか?」
彼女の問いに、私は少し考えて答えた。
「決まりではないけれど、“気持ち”の中に“形”があると思うの。
でも無理するより、心を込めて贈る方がずっといいんじゃないかな」
その後、彼女は友達どうしで話し合いを重ねて、
「ご祝儀は2万円と、ご縁の5円で20,005円にしよう。
あとは、みんなでお金を出し合って、2人が喜ぶものを何かプレゼントしよう」
と決めたという。
“割り切れない数字”と“プレゼント”に、込めた想い。
そこには‘今を生きる世代’らしい、知恵と優しさがあった。
お金よりも、心の温度を大切にする新しい祝い方。
それは、形を変えても「想いを贈る」という意味では昔と変わらない。
昔も今も‘結婚式・ご披露宴’とは、
“あい(愛)”で始まり、“をん(恩)”で閉める儀式だと、私は思うのだ。
ご新郎・ご新婦様が結婚式で愛を誓い、ご披露宴ではその愛を見守ってくれた人々への感謝を伝える。
愛を受け、感謝を知り、恩で結ぶ。
この流れこそ、人生の縮図そのものだ。
‘あ’は、愛されて生まれ
‘い’は、生きる喜びを知り
‘う’は、動き出す勇気
‘え’は、選ぶ自由
‘お’は、恩を贈る
そして、
‘わ’は、人との輪
‘を’は、絆の受け渡し
‘ん’で、静かに幕を閉じる
人の一生も‘結婚式・ご披露宴’と同じで、五十音のように始まりと終わりがあり、ご縁の中で“感謝”と“報恩”を繰り返しながら続いていく。
‘結婚式’という舞台は、その途中にある「ありがとう」の節目。
愛された人が、次は誰かを想い、恩を返していく。
その‘感謝のリレー’が、社会を優しく循環させるのだろう。
そんな一方で、近年は“親世代”の価値観も変わってきているように思う。
以前は「子どもの結婚式の費用は親が支える」のが当然だったが、
最近は「自分たちの式なのだから、自分たちで負担を」という声も増えている。
ある日、ご新郎お母様は衣装合わせの際に
「うちのモーニングも留袖も、息子が払ってくれるでしょ」
それを聞いたとき、私は少し驚きながらも、
“これも今の時代のリアルな家族観だな”と感じた。
家と家が結びついた“縁”の時代から、個と個が繋がる“絆”の時代へと変わっているのだ。
それでも、どんな形の‘結婚’であれ、その根底に流れているのは
「感謝を伝えたい」という想い。
愛されたことを覚え、支えられた日々に気づく。そして、誰かの幸せを願う。
その気持ちがあれば‘結婚式・ご披露宴’はどんな形でも、美しい。
「結婚、おめでとう! お幸せにね」
‘おめでとう’の言葉を贈るのは、お金では測れない価値がそこにあるからだ。
ご祝儀とは“想い”を、心を贈る事だと思う。
誰かの幸せを‘自分のこと’のように心から祝い、喜べる人ほど豊かに生きられる。
「ありがとうございます、幸せになります」
このやりとりには、愛と感謝が込められている。
自分もまた誰かに愛され、生かされていると気づく瞬間。
その連鎖の中で‘あい’から‘をん’へ。
実際には昨今、物価高が続いているが、ご祝儀3万円は20年以上前からほぼ固定されている。
結婚式場の費用そのものも、ブーケや装花も、ウエディングドレスなどのお衣装も、数年前からどんどん値上がりしている。
ひと昔前まで、
「ご祝儀×ゲスト人数で、おおよそ結婚式・ご披露宴の費用は賄える」
と言われていた事があるが、現実はそんなに甘くはないものだ。
それでも‘結婚式・ご披露宴’を、きちんとする。
それは“感謝のリレー”の1つなのだと思う。
でも、もしあなたが結婚していなくても、人として“感謝のリレー”は繋いでいって欲しい。
‘愛を受け、恩で結ぶ人生を歩んでいく’
新聞記事やスタッフ、ご新郎・ご新婦様、から学ばせて頂いた事にも‘感謝’だな。と気付いた。
ここからさらに、私も‘恩返し’のリレーを繋いでいこう! そんな生き方を、私はしていきたい。
【終わり】
***
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