キャベツの千切りから、自分へのエール
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:たこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「キャベツの千切りなんてめんどうくさい!」
と思う事、結構ある。
サラダを食べる時、レタスの葉をちぎるのと比べたら、時間がかかるしめんどうくさい。
けれど、どうしてもキャベツの千切りをしなくてはならないとしたら……
包丁派? スライサー派? それとも他の方法?
そもそもキャベツの千切りを家庭で食べる人は、少ないかもしれない。
「〇分でできる……」とか「めんどうくさがり屋さんの……」という事がもてはやされているので、“時短”できる事が主流となりつつある。
男性も女性も、日本はみんな仕事に家事に大忙し。
サラダを食べるとしたら、カット野菜を購入するか、手でちぎれる葉っぱ類か、もっとも手軽な方法の野菜ジュースといったところだろうか。
キャベツの千切りをした事がある人はわかると思うけれど、手でちぎる葉っぱ類に比べると時間がかかる上にめんどうくさいので、好き好んでやる人は少ないと思う。キャベツを食べるとしたら大きく切って、野菜炒めとかなのではないかな。
しかも!!
キャベツの千切りは、誰でもすぐにできるわけではない。
器用な人なら、即きれいな千切りをできるのだろうけど。
包丁で切る場合、刃を上手くスライドさせながら、なるべく細く切る。
シャッシャッシャッと、リズミカルに切ろうとして指を負傷する事だってある。
太く切っても自由だけれど、細い方が見た目が美しいし、食感が繊細だ。
もう亡くなってしまったけれど、料理が上手な叔母がいた。
いつも母からは「ダメ出し」ばかりだったので、「言われないようにしよう!」とヒントが欲しくて、叔母に上手くなるコツを聞いてみた事がある。
「どうしたら上手くなれるの?」と聞くと
「何でも数こなしよ」と叔母。
「どんな人でも上手くなれる?」と念のため聞くと
「数こなせばね」と叔母。
それからというもの、「何でも数こなし」と自分に言い聞かせて励ますようになった。
キャベツの千切りに関していえば、当時アルバイト先でキャベツの千切りをしていた店長の方法を真似してみる事にした。
店長は、一枚ずつキャベツの葉をめくり重ね合わせ、包丁を高く上げて切らなくてもいいぐらいに、葉を押しつぶして切っていた。
キャベツを丸ごと、又は2分の1カットのままザクザク切るのは恰好いいけれど、店長のやり方の方が断然簡単に切れるし、しかも綺麗に切れた。
やり方や方法は人それぞれだけれど、確かに「数をこなす」うちに必ず上達する。
ただし、上達のスピードも人それぞれ。
何度かキャベツの千切りにチャレンジしている内に、細く綺麗に切れるようになった。
キャベツの千切りと同じように、何事も「数こなし」と思っている。
仕事も「ダメ出し」される事が多かった。
勉強も「ダメ出し」される事が多かった。
料理も「ダメ出し」される事が多かった。
考えてみると、「ダメ出し」される事が結構多かった。
へこむ事も多くあったし、投げ出したくなる事も多くあった。
そして今も……
ライティング・ゼミに参加し、記事投稿する度に「ダメ出し」を食らっている。
「あ、またか」と心折れる事もしばしばだ。
そして、嫌な記憶も甦る。
「やっぱり私にはできない……」とも思う。
トラウマっていうヤツ。
それと同時に「数をこなす」事でできた事も思い出す。
「ダメ出し」された事は、自分がわかったつもりではなく理解するまで、寝る時間、休憩時間を惜しんでも、繰り返し叩き込んだ。
結果どうかというと、できるのだ。
キャベツの千切りと同じように、何でもできる。
こういう話をすると、大抵人は
「そんな事言っても、できる人には素質がある」
「私には無理」
最初から「できない理由」を並べ立てる。
この時点で「できなくしている」だけなのだ……と思っている。
人は、どんな事もできる可能性があるのに、「ダメ出し」されるのを怖がって
「できる範囲」を自分で決めてしまっているのかもしれない。
トラウマとか、嫌な記憶が蘇ってきたりすると、逃げたくなる。
「できない現実」や「自分の価値を否定」されるような所に、そう長くいたいとは思わないだろう。
私も同じ。
「忙しい」「ネタが完成されてない」なんて自分に言い訳して納得させて、ライティング・ゼミの毎週1回の課題すら、もう既に1回トンズラしてしまった。
「あ~ダメだ。ダメだ」と自分へ「ダメ出し」をしている始末。
そして、ハッとする。
「何でも数こなし」では無かったか?
楽な方へ楽な方へと流れてしまうのが人の性。
ライティング・ゼミを受講しようと思った初心に戻り、どんな「ダメ出し」をされようと
まずは「数こなし」で文章提出していくのでは無かったか?
何かを成し遂げるには、スピードは人それぞれ。
早くできるのにこした事は無いけれど、必ずしもそれが正解とは限らない。
キャベツの千切りのように、まずは「数をこなす」事を目標にしていこう。
いつか、できる日を目指して。
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