私はカシオレになりたい!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:戸崎いずみ(ライティング・ゼミ平日コース)
「まだ2年生のうちに将来のやりたいことが決まってる人少ないよ。大学4年生になってもやりたい事まだ決まってない人もいるんだし」
丸ぶちメガネを知的そうにかけている女子大生が他の子にきっぱり言った。
スターバックスで大学生の女子グループが将来について熱く語り合っているのが聞こえた。
どうやら他の2名の子達はこの先の進路について悩んでるらしい。
その昔、私も大学四年間でやりたい道を探せるだろうと思っていた。
そして女子アナになりたいと夢を持った。
家族には「顔と知性の問題、何よりカラスの鳴き声のような声が問題で難しいだろう」と言われた。
その時付き合っていた彼には「世の中にはテレビに映りの良いタイプとそうではない人間がいるのだ」と話され私は後者の方なのでちょっと難しいのではないだろうかと言われた。
「そもそも地方の女子大に入った時点でどうなの? 6大学出身じゃないのに難しいんじゃない?」と言われた。
そこで諦める素直さがあればいいのだが、私は頑固者で思い込みが強い人間なので諦めなかった。
知性がないなら人と違う経験をもとう。見た目がだめなら磨けばいい。タレント性を作ろうじゃないか。声は鍛えれば何か変わるかもしれない。
と強い決意をした。
アルバイトでやっとこさ稼いだお金で月3万円の授業料を払い二つの教室に通った。
その頃私の住んでいた街で、一番勢いのあったタレント事務所の教室と、NHKの元俳優で、喋りのプロや真田広之など俳優を育てた先生の勉強会に参加した。
毎日、1時間は欠かさずに発声をしていたので、腹筋も縦に割れ、体重も落ちたからか見た目もシャープになった。ケーブルテレビのレポーターの仕事も2本決まり、NHKの放送体験クラブと言う、小学生が学校単位でニュース番組を作るイベントで、アナウンス指導を2年間担当させてもらう機会を得た。これはイケるかもしれない!? と期待したが、結果は惨敗だった。
目標の局アナにはなれなかった。それが現実だった。
でも、私はこの経験から、一つの大きなことを学んだ。面接で何度も「どんなアナウンサーになりたいですか?」と面接官から聞かれ、私は迷わず「自分というフィルターを通して独自の視点で考えながら今世の中で起きていることを人に伝えたいんです」と言った。
これは、冷静に考えるとアナウンサーの仕事ではない。
アナウンサーは今起きていることを正確に伝える、ディレクターからマイクの指示を受けながら的確に番組を遂行する役目を果たす人なのだ。私のやりたいと考えていたことは別の仕事なんだ。と気付いた。じゃあ、なんでアナウンサーになりたいと思ったのか? それは、目立つし、憧れの職業だし、なんだか素敵な人生を歩めそうという理由だった。この経験から、自分は人気があるものに目が行きがちな性格をしていると理解した上で、そのものが本当に自分に合うのか立ち止まって考えること、そのものについて深く理解することが重要であることを学んだ。
ただ、人気があるものは競争が激しいので、それを目指す人たちも志が高く、その人たちと一緒に学ぶことは、自分をすごいスピードで成長させてくれるということも同時に学んだ。
一人でやるよりライバルがいた方が自分は頑張るみたいだ。ライバルであり仲間と思った人と共有する体験は最高に楽しい。
この経験から、私は天狼院ライティングセミナーに欠かさずリアルタイムで参加し、参加している人たちから少しでも刺激をもらえる環境を作るようにしている。実はこの決めごとのお陰で昨日のライティングセミナーで大きな気づきをもらう体験をした。
ライティングセミナーの後、講師の三浦さんと受講生の方々と集まり、雑談をしていた。一人の人がカシオレを頼んで、「めっちゃ美味しい!」と幸せそうな顔をしていた。そうしたら、カシオレのこだわりについて三浦さんが話され、三浦さんもカシオレを頼み、「やっぱうまいな」と言った。
その姿を見て、次々にみんなカシオレを頼んだ。私は飲むつもりは全くなかったが飲みたくなった。
「やっぱり私も飲みたいです!」と自然に言葉が出た。
結果、全員がカシオレを頼んだ。カシオレを飲むと、みんなが美味しいと言って上がりに上がった期待値が満足感で満たされた。
上質なカシオレだった。
皆で飲み終えるのが残念だと話した。
私はカシオレを飲み終えるまでに感じたもっと飲んでいたい気持ちから大きな気づきをもらった。私はこのカシオレのように期待され、みんなに美味しい! 飲みたい! 飲んでよかった! 飲み終えるのが残念! と思ってもらえるようなコンテンツとしての文を書けるようになりたいと思った。
今、私はカシオレになりたい!
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