2000字 20分なんて、ちょろい!?
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記事:浅野純也 (ライティング・ゼミ平日コース)
久しぶりにライティングの講座に参加してみたら、その日の課題は「15分で書くこと!」だった。
私は、いつもテレビを見たり、PCをしたりなど、何かをしながらしか書いたことがなかった。それでも、最初のころに比べれば、「だいぶ早くなってきたな」と思っていた。そこへ来て、5000字を40分と聞いた。
「えっ」という感じである。つまり、2500字を20分、ほぼいつもの課題を20分でやれということだ。2000字を40分であれば書けると思っていたが、その半分である。
この日の講座は、そこへ追い打ちをかけるショッキングな課題である。15分で2000字である。「全部できなくてもいいよ」とは言われたが、「できれば全部やれ!」というのが、ひしひしと伝わってくる。いや、というよりは「できるわけないだろ」といったニュアンスである。
私は、ひたむきに書くことだけに集中したことがなかったので、挑戦してみることにした。最初から、アイデアは出てきた。普段、考えたことがなかったテーマがポッと出たので、それに決めた。なぜかはわからない。私は昔を思い出して、その時あったこと、感じたことを思い出して書いた。筆が進む! でも、手が痛い。段々痛くなってくる。
途中であることに気が付いた。
「字が読めない!」 そう、私は字が汚いのである。ゆっくり書いても人様に見せられる字ではない。それが、早く書いているので、自分でも読めない。でも、時間がない。ゆっくり書いていると、とてもではないが15分で2000字など書けない。私は、「どうせ皆の前で読まされることもないだろう」と思い、一心不乱に書いた。
少し経つと「でも、読まされたら……」といった恐怖が頭をよぎった。恐らく、いや間違いなく、読めない。でも、筆は進む。「その時は、その時だ」と思い、書いた。
昔の気持ちを、書きながら思い出した。そういえば、こんなことあったな、あんなことあったなと思いだしてきた。楽しかったこと、悲しかったこと、困ったことなど、様々な感情がよみがえって来た。
でも、何か忘れている気がする。
私は、胸にぽっかり穴が開いたような虚無感のようなものを感じた。でも、何かは思い出せない。先生たちは、話している。「500字以上書けるといいよね~」つまり、それは、「お前たち、500字書けねぇだろう! やれるものなら、やってみな」と言っているのと同義語である。私の胸の中の炎はメラメラと燃え上がり、「なんとしても、15分で2000字書く!」と心に誓った。
まわりも気にせず書いた。気になるのは、腕の痛みである。こんな集中して、こんなに書いたのは初めてである。「もう二度とこんなことで、本気で書くもんか!」と思った。でも、筆は止まらない。今日は、あきらめようと思った。自分で自分を止められないのである。
「10分経過しました」声が響いた。いよいよ佳境である。スタッフの人でも書いている人といない人がいるようである。と考えたが、誰がスタッフか完全に理解しているわけではない。なんといっても、講義への参加は、2回目である。「まずい、まずい、そんな余計なことを考えている場合ではない、集中して書かねば!」
「でも、何か忘れているぞ、何だろう?」
時々もたげる、この不安感! 何かは思い出せないのだが、数分おきに心に持ち上がってくる。
「いやいや、集中、集中、余計なことを考えずに昔のことを思い出して書かないと時間がない! 面白いネタはなかったっけな?」私は考えた。
いよいよ佳境になってきたこともあり、思い出すことが少なくなってきたのと同時にここいらで限界が来たようである。あまり、話が続かなくなってきた。でも、もう少しだ、もう少し、よし全部書けた!」
「はい、終了です」との声と、ほぼ同時に物語は終わった。私の腕は、棒のようになっていた。再び、「もう二度と、こんな集中して書かないぞ!」と思った。それほど、疲れと痛みを感じたのである。
でも、物語を書き終えた満足感からか、なんか2000字書けた気になった。「たくさん、書いたからなあ」と満足な気持ちで帰宅し、早速何文字書いたのかを確認するために、PCに移し直した。
愕然とした。
たったの1000文字ちょっとである。物語はもう終わったのに、たったの1000文字!私はここまで、腕を痛めながら書いたのに1000文字だったことにショックを受けた。
このままでは、提出できないので、改めて肉付けをして2000文字に仕上げた。一応、カタチにはなったと思う。あの不安感というか、何かを忘れた感じが、ぬぐえない。一体、何だったのだろうか。ついに思い出せないまま、後日提出した。
その後、コメントが来た。私が何度考えても思い出せなかったことが、そこには書いてあった。「さすが、先生! 私の思い出したかったことをよく思い出させてくれた」感謝と共に、残念な気持ちにもなった。
「なんで、こんな簡単なことに気がつかなったのであろう。何度も何度も、聞いたり、読んだりしてきたのに。なぜ! なぜ思い出せなかったんだ!?」
私は、くやしさと拍子抜けした気持ちで、思考回路が働かなくなった。それでも、その忘れていたことは、今はわかる。目の前に先生のコメントが書いてあるからだ。
「もうちょっとギャップの大きなABCユニットで……。コンテンツが弱かった……」
因みに、この課題は20分 1400字であった。まだまだ、道は険しい! いや、ダメかも……。
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