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指導方法は長所強化とワンシング


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記事:石津雅之(ライティングゼミ・平日コース)
 
「惜しかったな~」
と試合で負けた選手を慰めて、アドバイスをした。
それから「今の得意技をもっと磨け!」と指導する。
私は今、大学の部活で、日本拳法を指導している。
 
日本拳法とは防具(面・胴・股当てその他)とグローブを着用して
突き、蹴り、投げ技、間接技を駆使して勝敗を競い合う競技武道だ。
 
さかのぼること約25年前、大学一年の時に、
恩師と日本拳法同好会を結成し、
四回生の時に部に昇格し、初代主将になった。
 
私は、飽きっぽい性格で色々な技を研究しすぎて
技のデパートみたいに、なんでもできる選手だった。
そのかわり、得意技がとくに無かった。
だから、無駄な時間を過ごしたと後悔している。
 
もし指導者が、私に「おまえは、器用でなんでもできるから
現状、一番得意な投げ技で勝負しろ」と言ってくれたら
余計な回り道をせず、もっと強くなれたかもしれない。
 
もしタイムマシンがあれば、大学一年の俺に
「あれこれやらんと、投げ技で勝負しろ! その方が強くなるから」
と言ってやりたい。
 
卒業と同時にコーチになり、今は監督をさせてもらっている。
大学で日本拳法に出会ってかれこれ25年になる。
これまで、いろんな指導者に教えてもらった。
 
合う指導者、合わない指導者がいて、
合わない指導者に、変なアドバイスをされて余計に迷ったこともある。
自分なりに試行錯誤の後、こうすれば選手は強くなるというノウハウを
二つ発見した。
 
まず「長所強化!」まず得意なことを極めろ、苦手なことは後回しだ。
選手の得意なことを一緒に探してあげる事が、指導者の仕事だと思っている。
 
どうすれば個人の得意なことを見つけることができるのか?
今までは本人の練習中の様子を見て、相談しながら探していた。
ところが最近発見した、それは私も防具を装着して組手をやってみるのだ。
 
実際に組手をやってみるのと、そばで見ているのとは、全然違うのだ。
対戦した方が相手の情報がたくさんわかる。
例えば「彼は、突きや蹴りなどの打撃の素質がある」
「この選手は、スピードは遅いが体が大きく体力があるので、組技が向いている」
とこのような感じでピーンとくる。
 
それがわかったら、本人に向いていそうな技をいくつか教える。
適正がありそうな技があれば、それを徹底的に練習させる。
それを得意技にできれば、一気に強くなる。
 
私は、一つ得意技を持っていれば二段まで取れると確信している。
大学生は4年間しかないのだ、苦手なことまではやらなくて良い。
 
もう一つは、「ワンシング」
つまり指導するのは、一回に一番大切なこと一つだけだ。
どういうことかと言うと修正した方が良い点を、数カ所見つけたとする。
すべて言ってしまうと、どれも修正できず混乱してしまう。
 
だからその中で、修正点全てを網羅する方法か、一番重要なことを指導する。
そのワンシングを見極めるのに必要なのが、指導者の経験だと思う。
指導したことを体で覚えたら、次に重要なことを教える。
 
 
指導者の役割は三つあると思う。
まず最短で強くなるように指導する。
それには、長所強化とワンシング(一点集中)だ。
 
強くなると楽しくなり、指導しなくても練習するようになる。
そうなると、どんどん試合に出場させる。
試合は練習よりも経験が積めるので、出場機会があれば全て出場させる。
「試合の経験は、一ヶ月分の練習と同じくらい」と思っている。
それで試合後にミーティングを行ってアドバイスをする。
指導方針は当然、ワンシングだ。
 
そうして強くなれば、最後に心構えを教える。
心構えとは、「自分ひとりでは強くなれないから、練習相手を大切にしろ」
「自信過剰になるとサボりがちになるから、調子に乗るな」
基本的なことだが、とても大切だと思う。
 
順番を決めてワンシングで一つずつ指導するのだ。
この教え方だと、未経験で入学した、運動が苦手な学生でも
卒業までに初段は取れる。
実際、身長が160cm体重50kgで運動未経験の新入生が
初段を取って卒業した。
彼の努力は並大抵ではなかったが、私の指導方針が正解だったと確信している。
 
人生は思ったよりも短い、長所強化とワンシングで楽しく行きましょう。
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2018-10-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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