箱根の名山~金時山~
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:宮嶋周一郎(ライティング・ゼミ木曜コース)
「今度、いつ山に行く?」
iPhoneから、lineに友人からのメッセージが入ってきた。
ああ、そうだった。近々、また山に行こうと約束していた。
最近の忙しさにかまけて、すっかり計画を立てるのを忘れていた。
「そうだね。じゃあ、この日はどう?」
さも忘れていなかったかのように、返信をする
さてさて、今回はどうしようか。
秋になり、紅葉が楽しめる季節になってきた。さあ、どの山に行こうかと、思案する。
そこで、私はある山をふと思い出した。
それは、神奈川県にある金時山だ。神奈川県にある標高1,212mの山である。
金時山は、昔話で有名な金太郎が遊んでいたというのが、金時山の由来のようだ。
頂上には、金太郎の斧まで置いてあるのも有名だ。
金時山は、一度登ったことがあるのだが、その日は小雨で天気が悪く、頂上についても全然景色が見えず、残念だった記憶もある。
そして、もう一つ有名なのが頂上に茶屋があるのだが、その茶屋に金時娘という看板娘の方がいる。
なんと昭和22年の時からいらっしゃるので、今は素敵な金時おばあさんがいらっしゃる。
そんなとても見どころが多いのが、金時山の魅力だ。
ということで、今回は金時山にしよう。
「今回は、金時山にしよう」
そう、lineを送る。
「いいよ」
いつものようにシンプルに返信がきて、決定だ。
金時山へのアクセスは車、バス、電車とある。私たちは、車以外のアクセスになる。
バスならば、新宿から高速バス一本で行ける。とても便利だが、バスが苦手な人には長いかもしれない。
電車ならば、箱根湯本まで行き、そこから登山口までバスで行く方法がある。
結局、電車で行くことにした。
友人は小田急線経由で、箱根湯本まで行き、行くときはのんびりしたい私は、ロマンンスカーで行くことにした。そこまで、電車賃も多くは変わらない。ならば、少しでもリラックスできるほうを選ぶのが私だった。
前日は雨だったが、当日は予報通り晴れていてホッとした。
登山は、なんだかんだと忙しく、今年の夏以来の登山となってしまった。
箱根湯本で、無事友人と合流し、バスへと乗り込む。
いくつか登山ルートがあるのだが、私たちは乙女峠という場所から、登山を開始した。
登り始めると、前日が雨だったおかげか、空気が澄んでいる。ただ、地面が滑りやすくもなっているので、足元には注意して登らなければならない。
そう、この自然の空気、匂いを全身に感じると、登山が始まったと実感する、都会の喧騒から離れ、自然の一部に戻ってきた気がする。
この空気の良さが、都会とは全く違う。
友人と、お互いの近況を話しながら、のんびりと登っていく。
周囲を見渡すと、紅葉にはもう二週間ほど、先なようだ。まだ充分な紅葉にはなっていなかったのが残念だ。
金時山の頂上までは、およそ90分ほどだ。健脚の人なら、もっと早くつくだろうが、コースタイムに合わせてゆっくりと登ることにした。
頂上に着くと、日曜ということもあり、大勢の登山者がいた。
賑やかな中、頂上から富士山を探す。
さあ、前回のリベンジで富士山を写真に撮ろう!
そう思っていたら、なんとこの日は雲が多く、富士山は見られなかった。
リベンジには、ならなかったのが残念だ。
気を取り直して例の茶屋で、昼食にする。
茶屋では、飲料水や食事も出してくれる。
そして、小屋の天井付近には、今まで訪れた芸能人、著名人の写真も飾られている。
ここで目を引くものが、もう一つある。
それが今まで登った回数の多い人物が、記念として名札が飾られていることだ。その回数が驚きの回数なのだ。
五千、四千、三千と桁が違うのだ。本当にそんな回数登れるのだろうか?と思ってしまうほどの回数だ。
ただ、桁は違うが同じ山を何度も登る良さは、わかる。
私もお気に入りの山は。何度も登ってしまう。
同じ山でも、季節、天候によって見せてくれる表情は違う。
春、夏、秋、冬とそれぞれの見所があり、決して同じ風景とはならないのが自然の良さだろう。
そう考えると、まるで登山はスルメのようだ。
スルメは噛めば噛むほど、味が出る。
登山も、登れば登るほど魅力が増す。
金時山を何百、何千と登った人たちもその味に溺れていたのかもしれない。
そこまで味わいつくした先に、どんな風景が待つのか、知りたい気持ちはある。
私は二回目で、その味はまだ味わい尽くすには足りない。とても、三桁以上の回数は登る自信はないが、また登りたいと思わせてくれる山であることは間違いない。
登山ルートもいくつかあるので、今度はまた違うルートから頂上を目指そう。
そして、箱根なので、登山後の温泉も楽しめる。
そんな噛めば、噛むほど味が出る金時山。
今から、三度目のリベンジが楽しみだ。
今度こそ富士山を見るために、また晴天の日を狙おう。
雄大な富士山を見て、温泉に入り、ゆっくりとその魅力を噛み締めよう。
天下の秀峰、金時山を。
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