メディアグランプリ

エゴを捨てよ、甘えを捨てよ、そして繋がりを求めよ

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

 
記事:水峰愛(ライティング・ゼミ木曜コース)
 
8月の閑散期に「何か面白そうなことをやってみよう」と思い立ち、1DAY講座のライティング・ゼミを受講してからもう4ヶ月が経つ。
お盆明けに開講された1DAY講座は、なんとなく文章を書くのが好きだけれど、それ以上でもそれ以下でもなかった私のハートに完全に火をつけた。目から鱗をボロボロこぼしたまま、もっといろんなことを吸収したい、もっと技術を磨きたい、人の心に触れる文章を書けるようになりたいと、数日後には9月開講の講座にも申し込みをしていた。
そして9月開講の講座もフィナーレを迎えつつある12月、私はライターズ倶楽部の入試の申し込みをした。
「導かれるように」という表現があるけれど、まさにそんな言い方がぴったりだった。毎週の課題を提出してゆく中で、文章を書くことの喜びに、私は1回ごとに目覚めていった。花びらが開くように、目覚めていった。
自分の書いた文章を人に読んでいただいて、フィードバックをもらうという体験の新鮮さと学びの多さも私を虜にした。最初に言われたのは、「書くことはサービスです」という指摘だった。そしてそれからも、私が言われることの大半は、「リーダビリティの低さ」に起因することだった。WEB不掲載になった課題を後で読み返してみると、言葉遣いが難解だったり、一人よがりな論調だったり、なるほどその文章には「エゴ」という名のいやらしさを感じることが多かった。「私を見て、私をすごいと思って」という承認欲求が、読者を置き去りにして先走っている印象の文章が多いことに気がついた。
では私は、一体何を求めて文章を書いているのか。
私を知ってもらいたい、すごいと思われたい、それが私の本当の望みなのだろうか。
確かに、承認欲求はあるだろう。それは否定できない。
でも、それが本質だろうか?
私はそうではない気がしていた。
自分が一体、何を求めて文章を書いているのか。
それについて考えることは、書いている最中の熱狂と、書き上げた時の喜びの正体を探ることでもあった。
そして私はある時に気がついた。
それは、テレビ番組で、身体障害者のパフォーマーの特集を見たときだった。
「身体障害者だと、面白いことをやっても笑ってはならない雰囲気がある。でも自分は人を笑わせたい」
そんなようなことを確か彼は語っていて、その時、私はなんとなく彼の気持ちが分かるような気がしてしまった。無論、五体満足で生まれて、大病も大怪我も経験せず、入院すらしたことがない私に「わかる」ことなんか無いのかもしれない。彼らがそこに至るまでも背景には、きっと私なんかには想像もつかないほどの戦いがあったのだろう。でも、画面越しの彼らの姿を通して、一瞬、私の中に差し込んでくるものがあった。
それは、どう言い換えても「共鳴」という言葉でしか表しようのない感覚だった。
彼らは、認められたいんじゃなくて、繋がりたいんだ。
その時の私は、はっきりそう思った。そして、それは私が文章を書く理由として、そのまますとんと腑に落ちた。空いていた穴が気持ちよく埋まるようにして。
 
そう考えると、文章を書くことはコミュニケーションでもあり、ライティング・ゼミは、双方にとって快適なその手法を学ぶことでもあると言えた。どれだけの熱意をもって他者と繋がりたいと願っていても、作法がまるでなっていなければ、情熱は空回りしてしまう。
コミュニケーションの基本は、相手の立場に立つことだ。
文章を書く上でも全く同じことが言えるのではないか。フィードバックで再三指摘されたことの根幹はそれだ。読者の立場に立って文章を書くこと。読者をナメないこと、そして、甘えないこと。
WEB不掲載になった文章には、エゴの他に甘えがあった。読者はわかってくれるという甘え、だから私は読者目線に徹さなくてもいいという甘え。それは、文章から「畏れ」を無くし、コンテンツに必要な「品」を奪っていた。
 
あなたと繋がりたい。
その気持ちを温めるように、感性と技術を磨こうと私は思った。
それは媚びることではなくて、真摯にあれということだ。卑屈になることではなくて、謙虚さを持つことだ。
「ペンは剣よりも強し」という言葉がある。そういうスタンスの文章がもたらした功績は計り知れないし、それによって今日の私たちの平和があるとも言える。
しかし私は、その中で暮らす個々人の、その大勢の中の誰かとそっと手を繋ぐような形で文章を書いていけたらと思う。
それは私自身の祈りであると同時に、顔も知らない誰かの祈りに寄り添うことでもあるのかもしれない。
 
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2018-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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