ワーク・ライフ・バランスについてどのようにお考えですか?と質問されたので考えてみた。
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記事:しん(ライティング・ゼミ平日コース)
「働き方改革」というご時世のせいか、いかに「ワーク・ライフ・バランス」を整えてプライベートを充実させていくか。そんな価値観を重視する人が、年々増えてきているようです。
採用面接でも応募者の方から「御社では、ワーク・ライフ・バランスについて、どのようにお考えでしょうか?」なんて普通に質問されます。
ん?
ワーク・ライフ・バランス??
50歳も過ぎた私のようなおっさんは、そもそもワーク・ライフ・バランスという言葉に違和感があります。
なぜ、ワークとライフを切り離すのですか?
仕事はあなたの人生の一部ではないのですか?
あなたにとって仕事は楽しくないものですか?
そう聞き返したくなる衝動に襲われるのです。
もちろん、面接ではそんなことは聞き返さず、丁寧にお答えします。
しかし、私の心の中には、なにか引っかかるものが残るのです。
まるで仕事というものが、避けるべき苦役のように扱われているような気がするのです。
そもそも、ワーク・ライフ・バランスとは何なのか?
一言でいえば、仕事以外の生活でやりたいことや、やらなければならないことにも取り組めるようにバランスを取り、働きすぎに注意しましょう、ということのようです。
うーん。なんだか、仕事が悪者のように聞こえます。
仕事と生活のバランスというけれど、そもそも仕事(ワーク)とは生活(ライフ)の一部ではないのでしょうか?? ライフを仕事以外の生活(プライベート)と捉えると余計に仕事が悪者になってしまうように感じませんか?
今ではほとんどの会社が週休二日制を取り入れていますが、1965年に日本の会社として初めて週休二日制を取り入れたのは、松下電器産業(現パナソニック)の松下幸之助さんだったそうです。
やはり松下幸之助さんも仕事と生活(プライベート)を切り分けて、バランスをとることが大切だと考えたのでしょうか?
どうやらそうではないらしいのです。
では、松下幸之助さんは、なぜ週休2日制を導入したのでしょうか?
松下幸之助さんは「1日教養、1日休養」という名言を残しています。そして社員に対して、著書『社員心得帖』のなかで「二日間の休みを無為に過ごすのでなく、心身ともにみずからの向上をはかる適当な方法を考え、実行していただきたいと思う」と話しています。
要するに「2日の休みのうち1日は、自身の成長の機会にあてるために使ってね」ということです。週に一度の休みでは、体を休めるだけで終わってしまって、自分の成長や教養を高めるために時間を使うことは出来ない。それでは良い仕事は出来ない。だから週休二日にすることで、会社に拘束されることなく、リラックスしながら自分を高め、成長させる機会を社員に持ってもらいたいと考えたのでしょう。
これがパナソニックが週休2日制を導入した背景。仕事に軸足を置いた考え方です。
そして、なぜ自身を成長させる必要があるかといえば、「仕事を通じて社会に貢献する能力を高めるため」というのが、その答えだそうです。
仕事とプライベートのバランスを取る理由、それは仕事で成果を出すため。
それだけ聞くと、ちょっと世知辛いですね……。仕事が悪者扱いされるのも仕方ないように思えます。
では、一歩踏み込んでこう考えてみます。
働きすぎてプライベートがボロボロになると仕事に支障がでる。
そうならないために……。
「仕事とプライベートを別々のものとして切り離して考えるのではなく、バランスを整えることで仕事の質を高め、社会に貢献する能力を高めよう。社会に貢献する能力が高まれば、あなたに返ってくるものはより大きくなり、人生はもっと豊かになる」
これが、ワーク・ライフ・バランスという言葉の本質だと考えてみたら……。
仕事とプライベートがお互いにうまく補完し合って、人生の質を高めていくイメージが湧きませんか?
ワーク・ライフ・バランスとは、人生そのものを物質的にも精神的にも豊かに過ごすための知恵といっても良いかもしれません。幸せで質の高い人生を送るための「秘伝の書」のようなものです。仕事だって人生の一部です。それを別のものとして扱わずにもっと楽しむための極意なのです。
仕事を通じて自分を満たすことが出来ていれば、あるいは好きなことを仕事にしていれば、ワーク・ライフ・バランスということを考えるまでもなく、仕事とプライベートのバランスが整い、日々仕事の質は向上し、社会に貢献する能力が高まるというグッドスパイラルに乗ることが出来るはずです。仕事をし、自らを高め、社会に貢献して感謝される。全くいい人生ではないですか!
それにしても、ワーク・ライフ・バランスという言葉はいただけない。
せめてワーク・プライベート・バランスと呼ぶことは出来ないものでしょうか……。
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