ライティングゼミをオススメしない理由
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:谷中田 千恵(ライティング・ゼミ日曜コース)
時計の針は、23時半を回った。
課題提出の締め切りまで、あと29分。
文字数はまだ、たったの79字だ。
ライティングゼミなるものに通いだして、早4ヶ月がたつ。
天狼院書店という本屋の主催する、この文章を書くための講座に申し込みをするのに、何か大きな目的があったわけではない。
きっかけは、facebook上の広告だった気がする。
「人生を変える」というキャッチコピーは大げさだけど、文章が書けたら、なんだか楽しそう。
SNSやブログでの集客にも役立ちそうだし、文書を作るのも楽になりそうだ。
その程度の、ほんの出来心のような、軽い気持ちだったと記憶している。
ところが、4ヶ月後の今、私はこうしてパソコンの前で眉間にしわを寄せ、悩みに悩んでいる。
ライティングゼミ受講には、ゼミの動画を何度も見て復習できることや、店主三浦さんの分かりやすい講座内容など、特典はいくつもある。
そのうちの一つに、「書いた文章のフィードバックを毎週受けられる」というものがある。
しかし、「受けられる」という甘い言葉に踊らされては、決していけない。
決してだ。
申し込みボタンをクリックする前に、一度冷静になってほしい。
毎週、フィードバックが受けられる、つまり、毎週課題提出がやってくるのだ。
しかも、課題は、2000字というシバリつきだ。
2000字ですよ、2000字。
中学生時代、読書感想文で苦しめられた400字づめの原稿用紙、なんと5枚分もある。
文章のテーマだって、自由なのだ。
エッセイを書いても構わないし、小説を創作してもいいらしい。
自由なんて、一番、困るではないか。
テーマを自分で探さなくてはならない。
こちらは、文章が書けないから、ゼミに通っているのに、これを書けと指示をしてくれないなんて。
そして、また、このフィードバックが曲者だ。
添削担当スタッフの方は、毎週、こちらが提出した文章を、もれなく隅から隅まで目を通す。
そうして送られてくる指摘は、毎回毎回、悔しいぐらいに的を得ている。
自分自身でも、うっすら弱いなと思っている点を、ズバリと、グサリと指摘してくる。
納得しすぎて、ぐうの音も出ない。
あまりに「もっともだ」と思うので、次の週こそはとパソコンに向かってしまう。
どんなに仕事で疲れていても、パソコンに向かってしまう。
パソコンに向かうと、悩んでしまう。
書かないという選択肢もあるのに、悔しいかな、今週もまたパソコンに向かって、悩んでしまう。
悔しいことは、まだまだ続く。
悩みに悩んで、文章書きを重ねるうちに、文章を書くことが面白くなってくる。
来週は、こんな文章を作ってみようとアイディアが少しずつ出てくるようになる。
アイディアが出ると、あんなに遠かった2000字をあっという間に突破するようになる。
その文章が、時々、「面白かったです」と評価されたりする。
うっかり褒められると、天にも昇るほど嬉しくなる。
次の週には、長文の指摘をいただくが、「面白かったです」の言葉が忘れられずに、またパソコンに向かう。
またまた指摘をもらい、落ち込む。また、パソコンに向かう。また、悩む。
これを繰り返すと、あっという間に4ヶ月がたつ。
4ヶ月振り返ると、ちょっと自分でも気に入るような文章が書けるようになっている。
書き続けた自分を褒めたくなってくる。
書けるという自信がついている。
文章を通して、自分が人に何を伝えたいのか見えてくる。
ああ、悔しい。4ヶ月間、私の心は浮き沈みを繰り返している。
完全に、天狼院書店の手のひらの上で転がされ続けているのだ。
今だって、こうしてパソコンに向かい、2000字を書き上げようとしている。
天狼院書店の思うツボだ。
それに、文章を書く楽しみを知ってしまった私は、もう以前の私には戻れない。
残りの人生、文章を書き続けることになってしまうだろう。
文章で、自分の気持ちが伝わる快感を覚えてしまった私は、もう以前の私には戻れない。
これからも、自分の思いを発信し続けていくだろう。
文章を通して、人を笑顔にしてみたい、なんてささやかな夢までできてしまった。
天狼院さん、どうか以前の私を返してはくれないか。
書くことの苦しみや、悩み、そして大きな快楽を知らない無垢な私を。
なんてことだろう。悲しいかな、私の人生は大きく変わってしまった。
ライティングゼミの申し込みを検討している、そこのあなた。
この講座は、あなたの残りの人生を変えてしまう危険性がある。
ゼミの申し込みは驚くほど簡単だったが、申し込みは、決してオススメしない。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
http://tenro-in.com/zemi/86808
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。