100年連れ添う伴侶
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【8月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:長島綾子(ライティング・ゼミ平日コース)
「講座の中で『私の人生を生きる』というキーワードが出たとき、はっとしたんです」
ご自身のことより旦那様やお子様のことを優先して日々行動してしまう。自分の意見より人の意見に流されてしまうことが悩みだとおっしゃる40代女性が呟いた。
「女性の立ち居振る舞い講座・魅力的な女性でありたい」という講座を主催しているが、何を隠そう以前の私がまさに人の意見に流される人間だった。流されるどころではない、私に対する周囲の評価=私自身の価値だと信じていた。常に相手によい印象を持ってもらえるよう愛想を振りまき、自分をよく見せようと必死にもがいた。好意を持ってもらえたら一安心、でもすぐにボロが出たらどうしようと不安になり、また取り繕う。自分の無知さが露呈してしまうことを極度に恐れ、知ったかぶりしてばかり。もしも自分の欠点を見せてしまい人から非難されたと感じたら、私はダメな人間と烙印を押されたと勝手に落ち込む。常に「自分に自信がない」が口癖で、周りの「自分よりハイスペック」と思われる女性と比べてはダメ出しばかり、嫉妬のカタマリで心穏やかに過ごせる日がなかった。
そんな自分が嫌で仕方なく、魅力的な女性として自信を持って日々暮らしたいと研究した。幸か不幸か、空の職場はガッカリするほど美しく有能な女性ばかりであったので、素敵な人を見つけては片っ端からこっそり観察し、盗んだ。彼女たちの仕草、言葉遣い、視線、表情などを。そして真似してみる。うまくいかずに撃沈する。その繰り返しであった。
盗む、真似る、失敗、撃沈を繰り返すうちに、三つのことが見えてきた。
そして「あること」を覚悟する必要性を感じるようになる。
一つ目。魅力的な女性になることは、そんなに難しいことではないのかもしれない。普段やっていることにプラスアルファの意識とノウハウを添えれば、きっと私もなれる。
ただ「あること」を覚悟しなければ、「人の真似っこ」で終わってしまう。
二つ目。魅力的な女性は、モノに頼っていない。たとえ地元駅前のファストファッションに身を包んでも、必ず魅力的なのだ。魅力的な女性になるとは、お金やモノで解決できない何かがある。「あること」を覚悟し行動した人だけが得られるものだ。
そして三つ目。魅力的な女性になるためのプラスアルファを一度身につけ自分のものにしてしまえば、一生どこでも活用することができる。仕事はもちろん、転職するとき、婚活の場でも。人に商品を勧めるときや、自分を売り込む必要があるとき。人とコミュニケーションをとる場ではどこでも必ず必要となる。「あること」を覚悟したうえで身に付けたものなので、凜としたしなやかさを身にまとうことができる。
「あること」を覚悟することにより、私の行動に少しづつ変化が起こった。それまでは人の目ばかり気にしていたが、人の目よりも自分の内なる声に耳を傾けるようになった。私はどうしたいのか、どんな女性になりたいのか。こんな女性になりたい、と思うとそれを真似し時間をかけて取り入れ、私らしく料理できるようになっていった。まるで、レシピ通りに作っていた肉じゃがが、家族の嗜好やスタイルによって家庭の味に変化していくように。気づくと、使う言葉が「〇〇しなければならない」から「〇〇したい」に変化していた。
男女問わず、人には役割がある。特に女性は、役割を担ってそれを全うしようと頑張ってしまう人が多い。会社員という役割、結婚していれば妻、子供がいれば母、両親の前では娘など。そして冒頭の女性のように役割をこなしているうちに、つい自分という人生を生きていることを忘れてしまう。自分の体で生きていながら、心がそこにあらずフワフワさまよってしまう。自分の体に心が不在だ。
心と体を「私」という一つの場所に同居させてあげよう。そうすれば、自身の心と体を愛おしみ、この伴侶とともに一生生きていくという覚悟が生まれる。
そう、「あること」を覚悟するとは、「私という人生を生きる」覚悟である。誰のものでもない、私という主人公で生きる覚悟。誰にも言い訳できない、私という軸で生きる覚悟。すると、私はどう生きていきたいのか、どんな印象を与えたいか真剣に探し始める。今の自分にプラスアルファどんな料理をしていけばよいか、おのずと見えてくる。
生きるうえで人が必ずとる行動、立つ、座る、歩く、会話する、電車に乗る、スマホを見る、などを、体が本来喜ぶ姿勢で行ってみる。すると、必ず美しい姿となり体の軸が整う。「美しい姿=体によい姿」ということを講座のモットーとしている。そして、体の軸が整うことにより、さらに心の軸もブレなくなる。人は覚悟を決めることにより、必ず行動が変わる。そして行動が変わることにより、自信が生まれ、ブレない心ができあがる。まずはいまの自分を知ることから始めよう。客観視がなかなか難しい自分という生き物をあの手この手で客観視し、どんな料理をしようかワクワクしながら考え、行動してみる。
人生100年時代といわれるようになった。100年という果てしない時間、最後の最後まで連れ添うのは自分の心と体だけ。ならば、この心と体を一生かけて愛おしみ、磨きながら生きていこう。誰のものでもない、私という人生を全うするために。
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