『情熱大陸』柿谷曜一朗/天才は二度輝く《READING LIFE EXTRA》
セレッソ大阪というひとつのチームから次々に世界的なスターが生まれるのは、いったい、どういう理由だろうか。
それはまるで、手塚治虫や赤塚不二夫、藤子不二雄など数多の漫画家を排出した「トキワ荘」のようです。
ちょっと前では大久保がそうだったし、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司もブンデスリーガの清武もそう。
そして、今日の主人公、柿谷曜一朗も間違いなくこれから世界に羽ばたく一人になるだろうと思います。
ワールドカップの切り札と目される柿谷。
僕はまだこの人の才能がどういうものなのかわかっておりません。
この番組で少しでも理解できればと思います。
U-17時台は香川真司よりも才能を評価されていたという。ただし、生活態度が悪くて、J2に期限付きで懲罰的に放出される。
いわゆる、バッドボーイズ的なスター選手。ところが、日本ではこの手の選手が好まれない。
長嶋茂雄や松井秀喜など、国民栄誉賞級の人格が伴うスポーツ選手が好まれる。正直、僕もバッドボーイズ系の選手は好きではない。
ところが、柿谷のトラップを見て、一気に魅了されました。
背後からのボールを、ワンタッチで完璧にコントロールするのです。
「トラップができなかったら、何もできない」
意外でございます。トラップとは基本中の基本。小中学生でも早い段階からこの練習をさせられる。
バッドボーイズが基本を重視しているとは意外でした。
考えても見れば、僕が唯一魅了されたバッドボーイズ、NBAのデニス・ロッドマンは、ひたすら基本を大切にした選手でした。圧倒的なリバウンド王の彼は、背が高いわけではなく、それなのになぜか彼のところにボールが落ちてきました。
それは、実はロッドマンが試合に際して、徹底してビデオで研究しているからです。あの選手の場合、あそこからシュートを打てばこちらに落ちる可能性が高いというようなデータを徹底して頭に叩きこんでいたのです。
つまり、派手な見た目ですが、ロッドマンは地味な努力を続けていたのです。
柿谷曜一朗もあるいはそういう人なのかも知れません。
バッドボーイズだった彼は、最近では無駄な「衒い」がなくなって、いい顔になっているように見えるのはきっと気のせいではないでしょう。
青年特有の無駄な「衒い」、異常な自意識。
それが、削ぎ落とされたとき、まっすぐに一点を見つめたとき、この人の本当の才能が花開くのではないでしょうか。
ポテンシャルは、もしかして、香川真司以上。
環境さえ噛み合えば、大ブレイクする可能性もあります。
そして、その眼差しには、何かをしでかしそうな雰囲気があります。
考えても見れば、バッドボーイズは、たいてい、有り余っているパワーを持て余してはみ出してしまうことが多い。それはすなわち、もともとパワーが大きいということだ。良し悪しは別として、それなので、ヤンキー出身の社長などがいきなり世の中では成功する場合がある。
それにこれらの人たちには、野性動物的な嗅覚が備わってる場合がある。
それは、きっと危機的な状況下においては合理的な論理などをふっ飛ばしてしまうだけのパワーを秘めているのではないでしょうか。
そう、柿谷曜一朗という人は、今、本格的な覚醒のときを迎えようとしているのかも知れません。
セレッソ大阪のエースナンバー「8」を背負った柿谷曜一朗。
けれども、それがとても小さなことに見えて仕方がない。
彼なら、ブラジルW杯でブレイクして、そのまま世界の第一線で活躍するかも知れません。
それにしても、セレッソ大阪がスターを生み続けるのはどうしてでしょうか。その秘密をいつか知りたいと思います。
もしかして、それは「成功の地場」(『成功できる人の営業思考』PHPビジネス新書参照)がそこに現出しているからかもしれません。あるいは、セレッソ大阪というチームが、インキュベーションシステムとして極めて優秀なのか。
今度一店舗目をオープンさせる天狼院書店もインキュベーション・システムとして優れた器でありたいと思っております。
番組を見終えることには、彼のプレーが観たくて仕方がなくなりました。
《東京天狼院オープニング情報》
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