「ガイアの夜明け」無名の町をブランドに!/ご当地酒場 合掌智宏社長
コミュニティデザインやタウンマネジャーという言葉を最近よく聞くようになりました。
彼らは逼迫した町から補助金などを得たり、コンサルタント料をもらって、町を盛り上げる施策をします。
地方の町にいって、「まちおこし」を請け負うコンサルタントというのが、そのイメージに近いと思いますが、今日の主人公はちょっと趣きが違います。
まず、その町から補助金をもらわないという。
彼が展開するのは、その名も「ご当地酒場」。
アンテナショップならぬ、アンテナ居酒屋ともいうべきものを首都圏に作り、そこで無名の町が産んだ農産物や魚介物などを展開しているのです。
あくまでビジネスとしてやっているので、補助金は必要ない。
こうして、ビジネスとして、無名の町に光を当てているのだから素晴らしいと思います。
この事業を展開しているのが合掌智宏さん。
今では9店舗を運営し、社員31名を抱え、年商は7億円を超えています。
家賃8万のワンルームマンションに会社を構え、家賃に金をかけるのなら店を出したほうがいいという考えを持っているというところも面白い。
スタッフ一人ひとりが無名の町の宣伝マンになる。
それがご当地酒場の売りです。
たとえばユズのドレッシングがあるとすれば、スタッフは、それを作っていた村長の夢とロマンについて、お客様に説明します。
そうなると、ご当地酒場で食べたお客様は、その地方の町に行きたくなります。
ご当地酒場がすごいのは、そのご当地の食材を使っているだけではなく、その町をブランディングして、お客様を観光客としてその町に送り込んでしまうことです。
合掌さんはこう言います。
「東京でやっていくには圧倒的な差別化が必要だった。その差別化がうちにとって”ご当地”だった」
彼がすばらしいのは、まずはビジネスがあったということです。
居酒屋ビジネスで徹底して差別化をはかった先に、偶然に、あるいは必然的に「ご当地」があった。
そこには、妙な衒いもなく、ただ純粋にビジネスが存在します。
懸命にビジネスをやっているうちに、結果的に社会に大きく貢献していた、ということなのでしょう。
それが理想の姿なのではないかと思います。
僕が天狼院書店をはじめて二ヶ月が過ぎました。
今回、この番組を観て、改めてビジネスとして書店を成功させることの必要性について、考えさせられました。
僕は以前より、「ビジネスとしての書店」がこれからは面白いと言ってきました。
それを証明するために、徹底してビジネスをやった先に、おそらく、圧倒的な社会貢献があるのだろうと思います。
なぜなら、天狼院のMISSIONは、「一人でも多くの人に、より良いREADING LIFEを提供する」ことだからです。
天狼院がビジネスとして成功すれば、必然的により良いREADING LIFEが広がるはずです。
つまり、今は懸命に「ビジネス」を穿けばいいのだと思います。
なんだか、目の前がさやかになりました。
明日からも全力でビジネスに向かおうと思います。
その先に、圧倒的な価値を提供できる書店がかたちになっていくだろうと思います。
これからも、天狼院書店をどうぞよろしくお願いします。