【情熱大陸】関取_遠藤/髷も間に合わないほどの快進撃!相撲界のニュースター遠藤。
関取、遠藤。
遠藤という名は、四股名を与えられるまもないほどに急に出世したからであり、
同じ理由で、髷を結うほどに髪も伸びていない。
甘いマスクで女性ファンも急激に増えている。
実力、人気ともに兼ね備えた、相撲界のニュースターだ。
石川県生まれ、小学一年生のときに相撲を始めた。
内心、バスケットボールが好きだった。
けれども、朝青龍を見て、相撲に興味を持った。
それをきっかけに土俵にのめり込んだ。
高校を出て、名門日大相撲部に入った。
幾多の名力士を排出したその場で、頭角を現した。
主将の遠藤を中心に活躍し、全国学生相撲大会団体戦で優勝する。
幕内力士の平均は160キロ。
遠藤は140キロで、あと5キロは大きくならねばと考えている。
これは言うまでもなく、脂肪ではない。筋肉である。筋肉の鎧である。
稽古をするのと同様に、食べるのも仕事である。
それは、鎧を纏うと同義だからだ。
もしかして、あらゆる格闘技の中で、最も体を武器化しているのは力士なのかもしれない。
どんな格闘技でも、ここまで極端には筋肉をまとわない。
五月場所、ようやく、髷を結うことができた遠藤。
きりりとした表情で、土俵に向かう。
新横綱になった鶴竜と対戦し、粘って、初めての金星をあげる。
これに国技館が揺れた。
ところが、その帰りの車の中、少しも表情を緩めない。
まだ、明日がある、と。
部屋に戻ると、分厚い懸賞金が渡される。
勝って稼ぐ。
それがプロの世界だ。
600人の関取の頂点に立つ横綱。
それは同時に、世界屈指の格闘技の頂点でもある。
遠藤が横綱になることは、難しいことではない。
いや、難しいことだろうが、彼はきっとそうは思っていない。
いや、思ってはいるかも知れないけれども、そうは感じていない。
この泰然とした無表情の視線の先に、大相撲の新たな次元が待ったいるのだろうと思う。
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